小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

馬と人が暮らすということ 北海道旅行記2015①

2015年08月20日 | 旅行記
■この夏、家族全員がひとりずつ馬に乗る経験をしました♪

馬と意識を合わせて揺れながら、
馬のぬくもりを感じながら、
壮大な景色を眺めて進む。

この調和と一体感。

こんなに幸せな乗り物があるでしょうか?

車が人類の主な交通手段になる百数十年前まで、
人の主な交通手段は馬でした。
荷物を運ぶのも畑を耕すのも馬や牛、家畜の力を借りていました。

現道路交通法で馬は軽車両に属します。
馬糞や事故に気を付ければ、
車検やガソリン、整備もいらず、
お世話さえすれば、これほどまでに持続可能な乗り物はないのではないのでしょうか?


僕はいつか、そんな遠くない未来、母島で馬を飼って暮らしたいと思っています。

そんなわけで旅行記第1弾は「馬」です(笑)。


■7月の後半の10日間、家族4人全員で初めての旅行をしました。
舞台は北海道。
テーマはみんな各々ありますが、僕は馬とアイヌと大自然の雰囲気がこの旅行のテーマでした。

父島時代に仲良くなった友人が乗馬が好きで、
北海道で馬の牧場を始めていたのは知っていたので、
この度、お邪魔させてもらうことにしました。

舞台は新ひだか町にある「MKRanch」。

のどかな牧草地がただひたすら広がる馬の牧場がとても多い場所。

それ以前に母島で1時間以上車の連続運転をしたことがない僕にとっては、
札幌から新ひだか町に来るだけでも、おどろきのスケールの違いでした。

進めど進めどまだ着かない(笑)。

ようやく着いた時には夜になっていて、
僕たちを美味しいジンギスカンBBQで迎えて準備していた友人夫婦を随分と待たせてしまいました(ごめんなさい!)。

夜は主に大人だけで懐かしい父島の話や、
補助が人をダメにする話しが島だけでなく、
北海道でも同じであることを痛感しました。

夜は雨もひどく、トレーラーハウスをお借りして、みんな熟睡…。

■朝もやの中、起きてみるとあたり一面霧景色。

その中でまず島では見れないハシブトガラスが朝の挨拶をしてくれました。


次第にヤギと馬が周りに見えてきました。

自分たちが母島で飼っているせいか、やっぱり子供達もヤギに慣れています(笑)。

しかし、馬はやっぱりでかい!

そして鬣(たてがみ)、しっぽ、体のラインが美しい!


そんな周りの環境の中、簡単に野外朝食を済ませます。

その後、友人が馬の柵の中に入れてくれました。


小5の頃、高遠への山荘留学時代に馬に触れ合っていた長女はとても接し方に慣れている様子でした。


次女は結構、馬そっちのけで、友人の子供達と遊んでいます(このときは馬が怖かったらしい)。

遠目で見ながら微笑ましいなぁと眺めておりました♪

■少し落ち着いた後、友人のもえかが
馬と人のコミュニケーションや指示について教えてくれました。

馬に乗せてくれる所は多いですが、ここまで馬とのコミュニケーションについて丁寧に教えてくれるところは少ないかも知れません。

こちらがやるサインで大きな体の馬は素直に言うことを聞いてくれます。

でもちゃんと相手を見ていて、僕が教えてもらっったことをやると少し動きが鈍く感じます(笑)。

そんな事だけでも馬と人って、
見事にコミュニケーションを取っていて、すごい動物だなぁと思っていました。

長女もそんな指示に挑戦☆

すると今度はさくっと鞍(くら)なしで乗っているではありませんか!

もえかカッコいい!!

お次は長女!

最初はへっぴり腰だった素乗りもこなしていました。
凄い!

その後は鞍を付けてもらって僕も乗せてもらいました。

この馬はサラといって、よく仕事を心得てこなす気性のいい母馬だそうです。

引手なしで、自分の指示だけで馬がある程度自在に動いた時はとても感激しました♪
馬と人ってやっぱりすごいなぁ!

足に触れる馬の体温がすごく気持ちいいと言ったら、
「サンダル履きで馬に乗った人がはじめてだし、珍しい感想だよ☆」
と言われました(笑)。
小笠原は1年を通して常にサンダル(ぎょさん)履きなのでご愛嬌ということで♪

その後は馬に慣れている長女にチェンジ。

さすがに去年の経験を生かし、大好きになった馬です。
とってもいい顔で乗っていきます☆


当初から馬にビビっていた次女さん。
去年の信州でも怖くて乗れなかったのです。
嬉しそうに乗る姉の姿を見ていたらどうやら乗る決心をしたようです。

いざ乗ってみると、これ以上ないほどの笑顔になりました(笑)。


新ひだか町の美しく広がる景色の中をずっと笑顔で乗っています。


しまいには降りた後も何度も「乗せて!」とせがむほど気に入ってしまったようでした(笑)。

その後は妻も初の乗馬を経験しました。

なかなか良かったようです☆
そんな母と馬を追いかける次女ちゃん。


最後には僕と二人で引手なしで野外を乗せてもらいました♪

この時、隣の柵でサラの娘の馬が大興奮してすぐ近くまで走ってきてドキドキしましたが、
サラは落ち着いて僕の指示通りに動いてくれました。


子供達は牧場の娘さんたちと微笑ましく遊んでいます♪



■わずか1泊の予定で次の釧路に向かわなければいけなかったので、みんな名残惜しい中、昼過ぎに牧場を後にしました。

今回経験させてもらったことはとても大きなことでした。

こんなにもコミュニケーションが取れて、
大昔から人と共に生きてきた馬という存在。

短い時間でしたが、グッと夢が近づいた気がしました。

そして、こんな貴重な経験をさせてくれた根城ファミリーには大感謝の気持ちでいっぱいです。
奥さんのもえかは
父島で仲良くなってから10数年…

みごとに自分の牧場を持ちたいという夢を叶えていました。
これから生計を立てていくのは大変かと思いますが、
素晴らしい行動力と情熱で頑張って欲しいと思うと同時に、
僕自身にもパワーを沢山頂きました。

妻にとっても、
子供達にとってもこの出会いは良かったようで、
とても嬉しいひと時でした♪

どうもありがとう!!

旅行記②へ つづく…

母島 真夏の音楽会2015.08.15

2015年08月18日 | 島のイベント
■「素晴らしい音楽をありがとう!」
「うっとりするしちゃった!」
「あまりに素敵であのあと酔っぱらっちゃった!」
開催後、多くの方に聞かされた嬉しい喜びの声。

終戦記念日の8月15日。
島に帰ってきた早々、美しいピアノの旋律の余韻が残る素晴らしい音楽会がありました。

450人の母島でなんと55人も集まりました♪

しかし、この音楽祭は計画から開催まで2日しかなかったのです(笑)。
事の始まりは夕日ヶ丘で起こりました。


■約1か月の怒涛の夏休みを終えて、ようやく住み慣れた母島に帰ってきた僕と次女。
やっぱり1日の〆は夕陽でしょう!ということで、夕日ヶ丘に向かいました♡

そこで夕陽を見ていたKさんともうひとりの人が....
挨拶を交わすと、以前島で演奏会を行い、素晴らしいピアノを聞かせてくれた阿部大樹さんでした。

阿部大樹さんは両親の転勤で小学生時代に父島に住んでいた経験のあるピアニストです。
現在は北陸地方で仕事をしながら、時々ピアノを披露しているとか。
今回の滞在では演奏会の予定はなく、3日後には島を離れて帰ってしまうとのこと。
Kさんから「何とかならないかな~」と話しが降られました。

あれだけ素晴らしいピアノを聞かせれるのに、
聞けずして帰してしまうのは、あまりにもったいない!
ということで演奏会の開催準備をする決意をしました。
開催は明後日の夜。
できる限りのことをして、多くの人に大樹さんの美しい旋律を届けたい!

ということでその時点から音楽祭の準備に取り掛かりました。
この2日というわずかな準備期間で、どれだけできるか分かりませんが、
出来ると思えば、できないことはないと信じているので、
島の素晴らしきミュージシャンに力を借りることになりました。

そこで瞬く間に快く演奏を引き受けてくれた素敵な6人のお蔭で、
素晴らしい音楽会が開催できる運びになりました。
本当にありがとうございました!

5歳の娘と二人っきりで、
アコースティックに聴かせる音楽の術を持たない僕は、
広報と準備に専念することとなりました♪


■そんな駆け足以上の展開の中、開催した音楽会はずっと美しい旋律が残るほどの素晴らしい音楽会となりました。
阿部大樹さんをはじめ、出演をお願いしてからこんな短期間でここまで素晴らしい音楽を披露できる皆さんに感動です♪
せっかくなので、順に紹介したいと思います。

最高のプレゼンテーターは母島が誇る有名人・ブラジルさんです!

得意の話術で会場を盛り上げます♪

1.平田ノリさんとびっちさん

言わずと知れた、母島の音楽会の代表的存在のびっちさん。
10年以上前に父島に住んでいて、今は母島に住んでいる多くの音楽を生み出す平田さん。
この二人は実は20年以上前からの知り合いで今回披露してくれた曲はびっちさんが結婚するときにも披露した曲だとか(笑)。

それがこの「小曲トマト」です。

父島からのお客さんもいて、この曲を知っていて大喜びでした♪
なんでも20数年以上前、父島の小曲地区に入植する時に唯一の隣人だった
農協のSさんが作るトマトがあまりに美味しくて、できてしまった曲だとか(笑)。

この他にも母島で作成した曲など、5曲ほど披露してくれました☆

とっても楽しそうに歌うノリさんとほほ笑むびっちがとても印象的でした(*^。^*)


2.コニコニ&妙ちゃん

二番手は母島のウクレレ界の有名コンビのお二人です。
いつもは船待ライブやフラオハナのバックバンドで活躍している二人。

今回も素晴らしいウクレレを聴かせてくれました♪

中でもお気に入りは映画フラガールの曲「虹を~」です。

こんなに美しいウクレレの旋律を聴くことができて、
とても感激でした!

後半ではフラの曲を演奏し、スケちゃんのちゃんの素敵な歌声が響く中、
なんと飛び入りでフラの踊り手も参加する展開に!

とても島らしい展開に大歓声が上がりました。


3.中学生Sくん

島の中学生で格段に弦楽器の上手さを誇るSくん。
こんな急な出演依頼を引き受けてくれて、見事に披露してくれたのは
天空の城ラピュタの曲、2曲。

パズーのトランペットの曲とテーマ曲の「君をのせて」を
美しいアルペジオで聴かせてくれました。
何事も恥ずかしい思春期の真っ最中!
時折見せるニヒルな笑顔とため息がたまりません(*^_^*)
本人の承諾が得られたら動画を公開します♪


4.麻耶さん

セミファイナルに登場したのは島の主婦の麻耶さんです。
以前、春先の島の音楽会でピアノを披露してくれ、
そのあまりの素晴らしさに今回、声をかけさせてもらいました。

小さな子供を抱える身で、なかなか普段練習できないと言いつつも、
引き受けて2日後に素晴らしいショパンの旋律を披露できるなんて、
やっぱり凄すぎます。

今回は終戦記念日にちなんだ選曲をと事前にお話ししていたので、
ショパンの
・ノクターン 嬰ハ短調 (遺作)
・練習曲 作品10-3 ホ長調(別れの曲)
を演奏してくれました。

とても謙虚な方で、
曲の前後のお話もとても素敵でした。

島でも彼女が素晴らしいピアニストであることを知らない人が多くいます。
シャイな方なので動画の公開は控えますが、
あまりに素敵なピアノなので
ぜひ3月の音楽会での彼女のピアノを聴きにお越しください♪


5.阿部大樹さん

最後は大樹さんの言葉にならないほどの素晴らしい旋律を聴くことができました。
披露してくれた曲は
・〜Moon River〜ティファニーで朝食をより
・〜愛を奏でて〜海の上のピアニストより
・〜月の光〜ドビュッシー ベルガマスク組曲より
の3曲。


アンコールでは島の古謡でもある丸木舟を披露してくれました。


聴き終わったあとは、うっとりしてもう何も聞きたくないほど
素晴らしいピアノの旋律が耳に残っていました。

多くの人を魅了するピアノという楽器の素晴らしさ、
奥深さが少しだけわかった気がしました。
大樹さん、本当にありがとうございました!

そして最後には麻耶さんの発案で
終戦記念日にちなんで「さとうきび畑」をみんなで合唱しました。

最後に記念撮影を行い、こうして素晴らしい音楽会も幕を降ろしました。


■お蔭さまでこうして本当に急な申し入れにも関わらず、
最高の音楽会を堪能することができました!

なかなかじっとしていられない5歳の次女も、
ちょこんと座って、美しい旋律に耳を傾けます♪

たった1日の広報で450人の島で55人も集まって大成功できたのは、
呼びかけて快くすぐに素晴らしい演奏ができたミュージシャンの皆さん、
準備に照明や音響をあっという間に揃えてくれた橋本さん、
子供を寝かしているうちに準備を進めてくれた皆さん、
そして会場を暖めてくれた沢山のお客さんのお蔭です!


僕一人では何もできませんが、
多くの皆さんのおかげでこうして
本当にありがとうございました!

うっとりするほど聞き惚れるピアノの旋律を味わう島の夜...
音楽とは文字通り「音」を「楽しむ」と書きます。
この夜はそんな文字通りの音楽に浸れる時間となりました。

哀しげな旋律は終戦記念日の夜を染めていき、
人々に様々な思いを抱かせてくれました。

みんなの力のお蔭で実現できた素晴らしい最高の音楽会でした♪