小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

2014秋、小笠原ミズナギドリシーズン到来!!

2014年11月26日 | 鳥獣保護員 活動
■今年も巣立ったばかりのミズナギドリが集落の灯りに寄せられて、不時着するシーズンとなりました。
(毎年11月中旬~12月中旬)
そのままにしておくと、車にひかれたり、ネコに襲われる可能性があります。

【町や道路で飛べずにうずくまっている野鳥を見つけたらご連絡下さい!!】
【注意!!】※怪我をしている・死んでいる鳥には触れず、連絡をください!

もし夜間の外出時やグラウンドでのスポーツ時、
ミズナギドリが不時着していましたら、
休日・夜間を問いませんので連絡をお願いします。(連絡先は村の掲示板に貼ってあります)
この時期は夜間や早朝の足元、運転にはお気を付け下さい。


ミズナギドリにつきましては去年のブログの記事を参考にしてみて下さい(*^。^*)

■ミズナギドリ、と言ってもカモメなどに比べて、本土ではあまり馴染の少ない鳥かも知れません。
それもそのはず、今多数母島や父島に不時着しているオナガミズナギドリは外洋性の海鳥で、
普段はずっと海の上で暮らしています。

10m以上潜って魚やイカを捕食するダイバーのような海鳥です。

地上に降りるのは繁殖の時のみ。
母島列島では南崎や属島で繁殖しています♪

毎年、春と秋のミズナギドリ類が巣立つ時期は、巣立ったばかりのヒナ鳥が集落の灯りに寄せられて不時着します。
陸の小鳥などと違い、その場で上に飛び上がるのはとっても苦手なミズナギドリは、
慣れない陸の上で右往左往している間にネコや車の被害に遭ってしまう場合があります。

何百kmもいとも簡単に飛べる飛翔能力を持つために翼がグラインダーのように長く、急旋回が苦手です。
集落の灯りに寄せられてきて、建物や看板、電線に当たって落ちてしまうのです。

鳥獣保護員として、島の一員として
そんな人為的な理由で野生動物が命を落とすのを可能な限り減らそうと、
夜間にミズナギドリを保護し、翌朝放鳥するという活動をしています。

明るくなってから海辺で放鳥すると、スッと沖に飛んで行って、無事に彼らの住む世界に戻っていけるのです。


■今朝は我が家の子供達も放鳥に参加してくれました♪

せっせと鳥の入った箱を運んでくれます。


姉妹で力を合わせ、オナガミズナギドリちゃんを箱から出していきます。
時々噛む個体や、人間を追いかけてくる個体もいます。
鳥だって色んな性格があるんですね~☆


箱をそっと砂浜に横にします。

すると自分から出てきます(怖がって逆に戻ってしまう子もいます。)。

ときどき、開けた瞬間に自分で飛び出してくる元気な個体もいます☆


あとは自分で飛び上がるのを待つのです。


上に放り投げる放鳥の仕方もあるのですが、
その方法だと鳥がまだ飛ぶ気持ちに至ってない場合は羽を痛めてしまったり、
地上に落ちて打撲や怪我をする恐れがあります。

可能な限り、自分自身の第一歩を大事にしてあげたいのです。

さすが海鳥。
海に入ると落ち着いて、スッと飛び上がっていく個体が多いです。

ゆっくりと海上で羽繕いをしてから飛び立つ子もいます。

しっかりと沖に飛んで行くのを見守ります。
時々、堤防や木、障害物に当たって沖に行けない個体がいるからです。

でも朝日がまぶしいので姉は手で、次女は姉を陰に(笑)鳥を見守ります。

無事に飛んで行けました。
めでたしめでたし♡

うちの娘たちも飛んで行くそうです(笑)♪


■先日月ヶ岡神社のお祭りの夜は祭の灯り+悪天候で
今期最大のオナガミズナギドリ不時着数、なんと16羽でした☆

車の段ボール↑、これ全部オナガミズナギドリ×16です(笑)。

祭り明けの翌日は祝日と言うこともあり、せっかくなので村民の皆さんに呼びかけて、
ミズナギドリ放鳥会を脇浜で行いました♪

大人も子供の幼児もが参加してくれ、
島の周囲で暮らすミズナギドリと触れ合い、知る事が出来たと思います♡

最初はおっかなびっくりな子供達(もちろん大人もw)。
でも無事飛んで行くととっても嬉しそう!!(←特に大人)

その顔を見て僕もとっても嬉しかったです(^O^)

放鳥は原則的に砂浜に置いて、
鳥自身が自分で選んだタイミングで飛ぶ方法を採用しています。

いきなり上に放り投げる方法は、心構えできていない個体にとっては怪我や事故の発生につながってしまいます。
みんな優しく、そっと砂浜に置いてくれました。

すぐ飛ぶ子、
海に入ってから飛ぶ子、
なぜか陸の方に戻ってくる子、
色々でしたね~♪

そんなこんなで、
保護した個体はすべてみんなの手で脇浜から沖合へ飛んでいきました☆

参加してくれた皆様、どうもありがとうございました!

■こうして本土では見ることも触ることもなかなかできないミズナギドリ達の存在。
いつも嵐の時も海の上で暮らし、ひたむきに生きるその存在。
島に人が住む前は繁殖期になると、島の全域に営巣していたでしょう。(古い地層から様々な海鳥の骨が見つかっています)

雨で流れていく一方の島の大地の栄養は、
この海鳥たちの死骸や糞で海の栄養を島の大地に戻す大きな循環の流れがありました。

しかし、私たち人間が海洋島に住むことで、様々な外来種としての脅威が増えていきます(猫やネズミ、犬など)。
そして、それが海と島の大きな循環を断ち切ってしまったのです。

有難いことに私たちはこうして海鳥の存在を触れて知っていくことができます。
そこに大きな本来の海洋島の循環を知り、自分たちに何ができるかを考える大きなきっかけをもらっていると思うのです。

自分のスタンス次第で自然からのメッセージを聞く心が開かれていきます。
鳥獣保護員として人と野生生物の間で色んな学びを得られ、それを島の皆さんで共有できれば嬉しいです☆



母島ハローウィン2014!!

2014年11月18日 | 島のイベント
◆最近忙しくてすっかり更新が遅くなっていました☆
少し前の事ですが、10/31母島ハローウィンを今年も楽しんだので紹介します♪

子供達と妻は魔女に、



僕ははっぱお化けに仮装して各箇所を周りました。


◆本来、ハローウィンはアイルランドの古代ケルト民族の収穫祭だそうです。
ケルト人の1年の終わりは10月31日とされ、この夜は死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたそうです。
が、時期を同じくして出てくる有害な精霊や魔女から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていたとのこと。

そこから仮装するという形となり、カトリック教が入り、キリスト教圏に広がっていったと言われています。

そんなわけで、宗教的な意味合いのある行事でしたが、
現代では特にアメリカで民間行事として定着し、
祝祭本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっているようです。

欧米系時代があり、今も欧米系島民が住む父島では、
今も大人たちの本気のハローウィンが行われています♪


◆今年のハローウィンは当初、「小さな規模で少人数で」をコンセプトに保育園を中心としたグループに参加しました♪
夜な夜なみんなで仮装して集まる姿はとても幻想的で賑やかでした♪


可愛いお化けたちがぞろぞろと事前にお約束してあるお店やお家を訪ねて歩きます。

用意してくれる方も素敵なお菓子などを沢山用意して、さらには仮装までしてくれて迎えてくれます☆


中にはこんな手の込んだものまで!(アナと雪に出てくるオラフを作ったお菓子袋!!)


我が家のほうはカボチャクッキーを仕込んで葉っぱお化けが配りました♪


◆今年の我が家のカボチャクッキーは

卵や乳製品を使わず、

妻が生地を作り、マリアが型を取り、

焼き、

凪穂がパッケージを作るという形で作成しました☆

後で素朴な味で美味しかったと言ってもらえて嬉しかったです♡



◆はっぱお化けも以前宮古島の奇祭「パーントゥ」を体験し、
それに似たことをずっとやりたいと思っていました。

今回は色々考慮して泥をまき散らすまでは出来ませんでしたが、
子供達を驚かせ、泣かせることができたので大満足です♡
最初に見たときの子供達+大人たちの驚く顔がとてもステキでした☆

準備に丸1日を費やしましたが、やった甲斐がありました♪

◆しかし、今回クリアできない課題もありました。
例年、多くのお菓子を用意し、大人数に対いて流れ作業のように配り、
もらった方も誰のか分からないまま食べていくというのが少しもったいないと感じていました。

子供のお祭りで楽しみだから、もちろん良い部分もあるのですが、
どうせやるなら準備に追われる大人数のものよりも、
数家庭でひっそりと大事にゆったりとハローウィンを楽しみたい、そう思うようになりました。

去年は40人近い用意をして、今年は減らそうとしましたが結局30人近くになりました。
この微妙なさじ加減と価値観はとても難しいのですが、
来年以降は用意する人、参加する人、子供達がそれぞれひとつひとつを大切に過ごせるものにできればと思います。

今年も多くの皆様に支えられて、無事ハローウィンを終えることができました。
関わった皆様、ほんとうにありがとうございましたm(__)m


2014年 母島産ローゼル終売!!

2014年11月08日 | ローゼル販売
■明日11月9日の母島農協出荷を以って、2014年のローゼルの出荷を終売とします。

ご予約、ご購入して下さった皆様、
加工して色々とご報告を下さった皆様、
応援してくださった皆様、
本当にどうもありがとうございました♪

↑ちなみにこのローゼル並べアートは妻の作品です☆

今年のローゼルは大幅に本数を増やしたものの、
10月上旬の台風3連発で木が徹底的に傷付き、消耗し、品質が低下しました。
一時は今年の出荷も本気で心配したほどです。


ですが、持ち前の粘りのあるしなりと、
対応でなんとか枯れる木は3本だけに抑えることができました♪

現在もこうして毎朝花を咲かせ、実を付けているのですが、
美しい形のものは少なくなり、
丸い形のものが増えてきました。

種を実らせることに木は移行しています。
生き物として、次世代にいのちを繋ぐ大事な最後の営みです。

■これからは来年に向けて自家用の収穫と加工、
そしてとても大切な種取りを行っていきます。

約一か月の怒涛のローゼルの収穫期を皆様のお蔭で無事に乗り越えることができました。

沢山の嬉しい感想や報告の写真にとてもエネルギーを頂きました♪

ローゼルを出荷し始めて3年。
こうして来年も続き、
島の秋の当たり前の作物になっていけばと願っています。

南米の日系移民が梅がなくローゼルを「ハナウメ」と呼んで親しんだように、
梅が育たない亜熱帯の小笠原で根付いていけばと思います。

今年は去年までジャムとお茶の利用が多かったのに比べ、
お菓子や酒漬け、塩漬けのファンが増えたのがとても嬉しかったです♪


この豊かな情景と恵みを分けてくれる自然、
そしてそれを支えてくれる皆様に気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございましたm(__)m