小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

異国の地で自分たちの伝統文化に気付く(ハワイ旅行記⑥)

2020年12月03日 | ハワイ研修(SHIP)
■「小笠原が羨ましい。だって体一つで文化を表現できるものを持っているから」
「中学生になって恥ずかしくなった南洋踊りだけど、ここハワイで心底【南洋踊り】をやっててやってて良かったと思えた!」
2019年春、私達はSHIPというプログラムに参加して、ハワイ島に2週間滞在しました。

それは八丈島や小笠原の高校生がハワイに行き、
失った文化を取り戻してきたハワイアンと触れ合い、学び、動いていくというもの。

冒頭の言葉はハワイ島のネイティヴの血が通っていないと通えない、
英語ではなく完全にハワイ語で授業を行うナーバヒ校を訪れ、
100人を超える生徒の前で小笠原の郷土芸能、南洋踊りを披露したあとに言われた言葉でした。

八丈島の高校生は太鼓や黄八丈はあれど、
身体ひとつで文化を表現できるものを知らないと言うのです。

なるほど~
これは今まで自分たちが知らなかった目線です。
客観視って本当に大事だと思います。

小笠原は八丈と違い、戦前の文化を一時ほとんど失ってしまっています。
八丈には小笠原にはないものがいっぱいあります(#^.^#)

そして長女は、ハワイにまで来て、
初めて南洋踊りをやってて良かったと感じたそうです。

思えば赤ちゃんの頃から、踊る僕の足元にいた長女。
年頃になって、人前で踊るのが恥ずかしくなるのは当たり前でした。
何故なら、なぜ自分が南洋踊りをしているか分からなかったからです。

八丈やハワイアンのリアクションを通じて、客観視する事が出来て、
初めてその意味に気付いた瞬間。

このくだりには感動を覚えたほどです。
ハワイにあのタイミングで行けて、本当に良かったと思います。


■次女も踊り手なのでナーバヒ校では数百人の観衆の前で踊りました。
妻はカカの代わりにバケツでリズムを刻みました。

僕たちは腰みのなどの何の飾りもなく、
頂いたレイだけで、上半身を裸で(女子は南洋踊りTシャツ)踊ったのですが、
見ていたハワイアン達の反応が島のいつもの風景と全然違いました。

次女が帰ってから言いました。
「島の祭で踊るの雰囲気と違って、ものすごく真剣に見てくれてたね。びっくりした!」
嬉しそうに語っていました(#^.^#)

踊っている時の真剣な雰囲気がヒシヒシと伝わって来ていたのです。
踊り終わった後の拍手もそうでしたが、他文化に対するリスペクトをすごく感じました。


ナーバヒ校(私立)に行った後の日程で、
ハワイ島東側にあるヒロ高校(公立)でも小笠原や八丈の説明、南洋踊りのレクチャーと披露をしましたが、
こちらではもっと普通に近い反応でした。

こちらは自分たちもヤシやティーリーフ、竹でカカを作って臨んだのですが、
どちらかというと島に近い雰囲気でした。

普通の公立高校と先住民のアイデンティティで運営された私立高校。
どちらがいい、という問題ではなく、
ナーバヒ校の意識の深さを伺えた瞬間でした。


■小笠原で南洋踊りのリズムに使われているカカ。

これはアフリカ由来の打楽器で、
確か人に聞いた話では返還20周年事業とかで作り始めたのが始まりだったとか。

アフリカ系の欧米系がいる父島で生まれたのはとても意味がある事だと思います。

ハワイではゴールデンバンブーをチェインソーで切って手作りしました。
これが予想以上にいい音がして、すっかり気に入ってしまいました(#^.^#)

滞在先のニックさん曰く、
「これはタヒチアンの楽器だよ!!」と言って喜んでくれました。

小笠原は江戸時代、ハワイ王朝時代にハワイから小笠原に最初に入植したのですが、
その中にはタヒチからやって来たメンバーもいたそうです。

南洋のカヌーやタロイモ、漁法など、ポリネシアンの智慧はとてもよく生活の役に立ったと言われています。

そんなタヒチとも知らない間に繋がっていたという話です♪


■ナーバヒ校では最初に歓迎のチャントー(祈りの儀式)、南洋踊りの後は大勢でフラを披露してくれました。

この学校にも通っていて、八丈にも小笠原にも来たことがあるカラー・マナマナは、
もの凄く光るオーラを放ってフラをしていました♪

フラ、南洋踊りの後はなんと「BON-DANCE」と呼ばれる盆踊りでした(笑)!!!

これは日系移民の人達がハワイに伝えた文化で、
私達が良く知っている1+2音頭や、炭坑節、なんとAKBとかの盆踊りまでありました(#^.^#)

まさかハワイで大好きな日本の盆踊りをするとは夢にも思っていませんでした♪

これは猛烈に盛り上がって、みんなでワイワイしながら、
八丈、小笠原、ハワイで入り混じって交流する最高の機会となりました。

ナーバヒは小中高一貫校なので、小さい子達とも仲良くなれました(#^.^#)



■島に帰って来て、父島と母島でSHIP報告会を行いました。
そこで父島の高校生が言いました。
「ハワイと小笠原、よく似ている。
 気候も人の温かさも。でも高校生の意識は違う。
 僕は南洋踊りもフラも、カヌーも好きでやっているけど、同じ高校生にそんな人はいない。
 でもハワイのナーバヒの高校生達は自分たちの伝統文化に、とても誇りを持っていたし、
 実際に実践している。
 同じ島の高校生で、どうしてこんなにも違うのかが分からない」

この言葉を聞いた時に、すぐにピンと来ました。

違うのは「教育」なのだと思いました。

母島の5月に行う運動会。
ここでは小学生全員が南洋踊りをやります。

低学年はともかく、高学年以上はやらされ感たっぷりで、真剣でもなければ、あまり楽しそうでもありません。

前までは仕方ないのかな~と思っていましたが、
今は違います。

明確に子供たちに南洋踊りを教える、教員が、なぜ南洋踊りをやるのか意味を見いだせていないからだと思いました。

現在は母島の南洋踊り保存会も人数が減って来て、
高齢化も進み、
学校教員も保存会に習う機会がなくなり、DVDを見て学ぶようになって来ました。

PTAでも学芸会で南洋踊りを踊らなくなってきました。
郷土芸能よりも、現代のダンスの方がウケるのです。

これも地域の大人が、島の南洋踊りの意味を見出していないからだと思うのです。
これは色々課題が見えてきました!

栄えて行くハワイ文化のフラと、
衰えて行く小笠原の文化の南洋踊り。

このまま文化のひとつを失わせる世代になっていいのか?
そう問いかけられたハワイ訪問でした。

今年度はコロナという前代未聞の問題が世界を覆い、
SHIPも様々な事情も重なって、実施出来ていません。

しかし、このハワイ研修で学ばされたことは、繋がりを知って、考え、動くことです。

僕にとってのクレアナ(役割、使命)はもうひとつ見えて来ています。

SHIPのFacebookページ

2019年返還祭での南洋踊り


SHIPが繋がる日

2020年05月31日 | ハワイ研修(SHIP)
■2014年から続いている
ハワイ研修コミュニティープログラム「SHIP」。

これは民間のグループで始めた、学習・体験・交流プログラムです。

東京の島に在籍する高校生が中心となった参加者達が、
ハワイの人・文化・環境に関わることで、
自己を再発見、自分の住んできる島を客観的に見つめ直し、
自分が暮らす地域の問題や
未来にどう関わっていくのかを自ら考えアクションしていける──コミニティプログラムです。

今回5/30はその5年間の歴代メンバーが集い、
オンラインで座談会(同窓会)を開催しました。
オンラインと心で日本、島、ハワイが繋がっていたのです♡

はじめましての多い最中、
沢山つながることができたこと、
どんどんみんなの表情が緊張から楽しそうに活き活きと変わっていくこと、
参加者した多くのメンバーが「SHIPがきっかけで変わった」と言っていた事。

結論から言うと、「大成功」でした♪

八丈のたろちゃんが中心となって、
様々なサポートメンバーが関わり、共に作り上げた5年間。

Youtube Live配信を含めた2時間、
その後大人だけが残りアフタートークを2時間半(笑)。

とても濃密で充実していて、
その集大成のような素晴らしいひと時でした。

本当にありがとうございました!

SHIPのFacebookページ



■今回の座談会(同窓会)は沢山の共感に溢れていました(*^_^*)
島で育つ子供たちにとって、SHIPはものすごく重要なプログラムになっていたことを感じます。

自分が住んでいる島。
高校生になるまで、さほど関心が少なく、見据える先は内地を見る場合がほとんど。

ハワイに行くに向けての事前学習で、自分の島をハワイの人に紹介する為に学びます。
住んでいたのに、知らなかった事も沢山。
その中で、島の人やサポーターと関わり、どんどん深めていきます。

いざ、現地にって同じ島でもこんなに違うことを学ばされます。
そして、一緒にハワイに来た他の島のメンバーと交流。
寝食を共にして、お互いを知って、他の島の事を知って、
そこで自分の住んでいる島を客観的に見つめ直していきます。

そんな中、言語も文化も一度は失いかけたハワイアンが、それを取り戻してきたアイデンティティーに触れます。

日本は太平洋の島々の中でも、数少ない母国語を侵略されなかった地域。
ハワイでも日本人はブラザーと今も親しまれている関係を感じます。

そして、ハワイで過ごした後、島で発表会を行い、
自分たちの学んだこと、自分たちの住んでいる島を客観的に見る。

今まで点と点で思っていたことが線でつながる。
まさに絆。

そんな経験を多感な、島に在籍している状態の高校生が経験する。
そこにとても大切な意味があることに、今回のみんなの発表や感想を聞いていて気付かされました。


■僕は参加した2019年、5期生だけしか知りませんでした。
他の年度のSHIP参加者に会うのは今回のオンラインが初めてでした。(羽田の見送りで数人、お会いしています)

参加当初、高校生だったメンバーが、SHIPを経験したことで進路や価値観が変わったりしたと言っていました。
現、高校生のメンバーがそんな先輩の言葉を聞く。
交流する。
みんながそれぞれのクレアナ(自分の役割みたいなもの)を意識していました。

僕が参加した5期生達も、それぞれが自分のクレアナを意識し、素晴らしい発表をしていました。
去年、父島と母島で2回行った報告会の時より、さらにまとまり、想いがしっかりしていて、
島の参加メンバーたちの成長を痛烈に感じて、目頭が熱くなります。

他の年代のメンバーもとても素晴らしく、
行っていない年度の状況が少し理解することができました。

みんなそれぞれが、その後をしっかりと生きていて、
SHIPがもたらしたギフトをみんながちゃんと感じて、しっかりと発言できていることに感動しました。


■途中はZOOMの機能で「ブレイクアウトルーム」というものを使い、4人程度の少人数ずつに分けて、トークを進める時間を設けました。
オンラインで20人が一同に話して交流するのは無理があります。
ZOOMのこの機能のお蔭で、初対面でもとても楽しく話せたようでした。

ブレイクアウトルーム後に一気にみんなの表情が緩んでいたがその証拠です♡
現段階のYoutube Live配信ではブレイクアウトルームを覗きに行くことはできず、
Live配信では過去映像を流しながら、不具合で残ったメンバーと僕がトークを進めていきました。

コロナの状況で大躍進を遂げているオンライン会議ツールZOOM。
世界で4億人もユーザーが増えたのもうなずけるほど、充実した使いやすい機能に溢れています。
ZOOMはLineやFacebook Messengerのビデオ通話、SkypeやTEAMSより通話品質が安定していて、
PCではソフトのダウンロードすら不要で参加できるのはとても強みだと思います。

ブレイクアウトルームはワークショップや居酒屋のテーブル移動の様に、
少人数で話を深く掘り下げるのにとても有効な機能だと思います。
他にも映像の記録、チャットの保存など、至れり尽くせりのZOOMです。

仮装背景とかで楽しめるのも醍醐味の一つですね(*^_^*)



■ブレイクアウトルーム後は最後のまとめとなりました。
ブレイクアウトルームで一気に馴染んだメンバー。
その笑顔が溢れる表情が物語っています。

そこにハワイからのビデオメッセージを再生。
オアフ島の岡田先生。
ハワイ島の由美ちゃん。
みんな愛ある眼差しでSHIPのメンバーを応援してくれています。

この時の感想を少し紹介してみますね。

・父島のメンバーと遊んだ事あって、今またセーリングしたいとか話した。
今日は段取りよく流してくれて、話しやすかった。(八丈/4期生)

・八丈とか今まで関わった事のない人、1期生など知らなかった人の話聞けて楽しかったし、
ブレイクアウトルームもお互い興味ウある事とか、シェアして話せたので、面白かった。(父島/5期生)

・島を出たその後のSHIPの話が聞けて、小笠原まで繋がっているのが知れて、大きくなっていていいなと思った。
ブレイクアウトルームも少人数で濃い話が出来て楽しかった。今回のはある意味コロナのお蔭。
これからも時代に合ったやりかたでやっていけたらと思う。(八丈/2期生)

・大人から、「この後SHIPでどんな事ができると思う?」と振られて、今回は無くなったけど島じまんで企画を出してみるとか、
SHIPの先輩たちとこういう繋がる場を積極的に作ってみるとか、他の効果的に媒体を探してみるとかのアイディアが出ました。
今は島の人に会う機会がないのでこうして会えたのもいいし、忘れていたことも振り返れたので良かったと思う。(八丈/3期生)

・最初はたろちゃんに聞かれて個人個人が目的クレアナを意識して探求して行った。
5年続くと絆、連帯年続くと絆が生まれてて、一人一人が点でなく線で繋がれてる気がする。
こういう場があるのは嬉しい。楽しかった。(八丈/1期生)

・貴重な機会、島の若者と熱い思いと繋がって、島の未来は明るいと感じた。
息子がとんでもない決意を、島の未来は明るいと感じた。息子がとんでもない決意を話していた。
SHIPは子ども達は子ども達にとってとてもいいプログラムだと思うので、精一杯サポートして行く。(新島/サポーター)

・SHIPを応援して下さる皆さんに近況報告できれば。
現在は新宿の外資系のホテルのフロントとして社会人2年目。昨今の影響で海外からのゲストはいない。
通常は8割が海外の客。言語や世界の多様性に触れ、ハワイでの研修の日々を思い出し、楽しみながら刺激を受けている。
SHIPをを通して内面に変化したのは自己肯定感を高く持てるようになったこと。SHIPを通して自分の信じた道を進む重要性を学んだ。
島民の温かさに触れる事ができたのが何よりも思い出であり、今でも一番楽しいと言える。
今は島々と深く関われないが、そのタイミングが来る前に深みのある信念が持てるように都会の波にもまれようと思う。
大げさに聞こえるかもだが、このプログラムとの出逢いは人間として成長できる機会を与えてくれた。まさにオハナ(家族)。
今は島だけでなく日本各地に広がっている。素晴らて成長できる機会を与えてくれた。
まさにオハナ(家族)。今は島だけでなく日本各地に広がっている。素晴らしい。(八丈/1期生 手紙)


こんな素敵な感想を参加者から沢山いただきました♪



■最後、Live配信が21時に終わり、その後は大人だけの秘密♡のアフタートークとして、様々な話をしました。

そこでは今後の具体的な展望、
子どもを授かった若きメンバーにエール、
これからのSHIPに必要な事、
島に帰って来る島っ子達への目線やフォローなど多岐に渡る深いトークが夜遅くまで続きました。

僕自身は2019年春の5期生に家族で参加させてもらい、
そこから小笠原からのサポーターを続けています。

今回は、このオンライン座談会(同窓会)の企画発案、運営を中心にファシリテーターをやらせて頂きました。

色々不慣れだった中、素晴らしいたろちゃんのファシリ・フォローのお蔭で、無事に終えることができました。
やはり、みんなを知っていて話す、タイミングや気配り、声掛け、
本当に僕にとっても学びの連続でした♪

ZOOMで様々な機能を使いながら、Youtube Live配信を行い、ファシリを行う。
正直、初めてで戸惑う事ばかりでしたが(笑)、
最後まで止まることなく無事に楽しく終えることができたので良かったです♪

このような機会を今後も続けていこうと思いますし、
今回得られた深い感動を糧に、今後も島の以来の為に活動していけたらと思います。

最後に積極的に関わってくれてサポートしてくれたメンバーのみなさん、
参加してもなお、SHIPにリスペクトして沢山の話をしてくれたメンバーの皆さん、
この機会を与えてくれた家族のみんなに感謝です。

どうもありがとうございました!!

SHIP-Promotion Video


SHIPハワイ研修ダイジェスト

本場ハワイのアウトリガーカヌー(ハワイ旅行記⑤)

2019年10月05日 | ハワイ研修(SHIP)
■この春に行ったハワイの記事です。
まだまだ書ききれていないうちに、どんどん次の日常が発生するので、永遠に追いつけないかもです(笑)。
もう半年も前のことなので、なんとか記憶を掘り起こしてます(*^_^*)

今回は本場ハワイで見てきたアウトリガーカヌーを紹介したいと思います。


まずハワイ島のコナ空港に到着し、一番初めに泊まったコナでの宿(キングカメハメハホテル)のすぐ脇に沢山のカヌーが並んでいました。

さすがハワイ。
数も壮絶ながら、絵になりますね~

青い空に白い砂浜とヤシ、そしてカヌー!!

小笠原とほぼ変わらない素材なのですが(笑)、
ハワイはやはり圧倒的にスケールが大きいです。

オアフ島ではなく、ハワイ島なので人の数は思ったよりも少なくて良かったです☆

日本では道路を運ぶ都合上、14mのカヌーは3つに分解できるものばかりですが、
広いハワイはみんな1発作りで繋がった大きなカヌーばかりでした。


ハワイ島のマウナケアを背景にカヌーを漕ぐ光景。
カヌーが普通に日常にある感じが嬉しかったです♪

カヌーの種類だけで言えば、父島の方が勝っている気はします(*^_^*)


■そしてコナでの練習風景!
コナでは朝晩に練習が行われていました♪

主に夕方は大人や学生が漕いでいました。
朝方は仕事前の大人でしょうか?
もの凄いスピードで何艇も沖に消えていきました。


こちらは夕方の学生の漕ぎの練習風景です。
始動する大人がヤク部分に座り、指導していました。

20分サイクルくらいで何度も遥か沖まで漕いで、
フリ(転覆)練習もしていました。


やはりみんな漕ぎが揃っていて、グングン進んでいくのが見ても分かります!


終わった後はみんなで台車に載せて、
元の場所に戻します。


今回、特に気になったのは双胴(ダブル・ハル)のカヌーです。

練習でも使われていましたが、12人で一気に漕ぐと信じられないスピードで、
水平線の彼方に消えていってしまいました(笑)。

ステアマンは右側の一番後ろの人一人に見えました。

ヒロの高校生とはカヌーを一緒に漕ごうと誘われてまでいたのですが、
残念なことに一緒に漕ぐ時間はありませんでした。
この部分は今でもちょっと後悔しています。

またいつかハワイで漕げる日を夢見ています(*^_^*)


■気になるリギングも色んな種類がありました。

こちらは母島のベルーガと同じような巻き方。
まるで神輿の様です☆


左側の立てに飛び出た気の部分に高く積んで結ぶ方法。
これは、その気に部分に負荷がかかり過ぎるのでお勧めしないとデュークさんに教わりました。


こちらはお手軽なガッチャベルトで留めるタイプ。
お手軽ですが、やはり沖でウネリで船体(ハル)と浮き部分(アマ)がねじれる時に綱でやったものよりも、
遊びが少なく、損傷を招く方法と教わりました。


■滞在のほとんどを過ごしたハワイ島の東海岸、ヒロにも沢山のカヌーが置かれていました♪


どれもバリバリの現役で、よく使われているのが分かりました。


木造のモノはフェンスと屋根で厳重に保管されていました。
しかし、バリバリに使われている感はありました!

こういう伝統的なものを守る人達も残っているのを感じれたのが嬉しかったです♡

ヒロで朝早くに出かけて男3人でカヌーについて語る朝は、
最高の朝日でした♪



■最初に泊まったキングカメハメハホテルには、なんと伝統のハワイコア材を利用して作った木製のカヌーが保管されていました!!


1番シートの前にある波がシートに入るのを防ぐ部分です。

今まさに漕いでいる母島のOC6・ベルーガと同じ形しているのが、震えるほど感動しました♪


アマ(浮き)部分。
この存在が洋上での素晴らしい安定感を生み出します。
現代のと違ってヤク(船本体と浮き部分を繋ぐ木)がまっすぐに近いですね。


波を割って進む船首部分です。
こちらもきちんと現代のモノと変わっていないことに感動を覚えます。


リグ(結び)部分も同様です。
何か古代と現代の繋がりをカヌーで感じているのが当たり前になってきました♡


みんなでグルグルと観察します。
カヌー好きの僕と一海は細かい所までつぶさに観察しました(笑)。

展示されていた絵です。

古い時代の木造の船ばかり。
その頃にもダブルハルのカヌーはあったようです。(ホクレア号もダブルハルです)

う~む、ダブルハル、セーリングのカヌーも含め、気になります。


これはキラウェア火山の事務所に飾られていたパドルです。
比較的丸い感じですね!


■最後に本場ハワイでカヌーを見て、やはり小笠原に伝わってきたルーツを再確認する事が出来ました。
そして、こんなにも日常的にカヌーが当たり前にある風景に感動しました。

それをみんなで目の当たりにして、色々な事に想いを馳せました。

小笠原の先史時代を今に伝えるのはカヌーを掘った石器です。
これらは伊豆諸島とマリアナ諸島のものが混ざって類似しているそうです。

そして一度、小笠原の人の暮らしは途絶えてしまいますが、
ポリネシアではきちんと続いていってます。

そして現代。
日本で最初にアウトリガーカヌーがハワイから伝わった小笠原に住んでいる私達。

今夜あるフラの祭典フラオハナが象徴するように、
ハワイ文化が現代の小笠原にも根付いています。

今そこに住んでいるという現実。


小笠原に住んで17年。
ルーツはサバニを漕ぐ文化の沖縄です。
出身は仙台。

長女は様々なご縁があり今はカナダの島で留学しています。
カナダにも別のタイプのカヌーがあります。

何故にこんなにも海に縁のあるものばかりなのでしょう?
不思議だけど必然を感じます。

そんなハワイと小笠原どころか太平洋の島々を感じるハワイのカヌー報告でした(*^_^*)


ハワイの伝統料理 ~タロイモ(カロ)に魅せられて(ハワイ旅行記④)

2019年05月13日 | ハワイ研修(SHIP)
■今回のSHIPで参加したハワイのプログラムはどこから報告すればいいか悩むほど、
濃密な日々でした。

今回はタロイモ(ハワイ語でカロ)の伝統料理を2つ習ったので、シェアしたいと思います。


タロ(Talo =Kalo)を潰すための器、papa kuiai(パパクイアイ)、と打つ器具 pohaku kuiai(ポハククイアイ)。
ポハクは石という意味だそうです!

これを使って蒸した(焼いた)タロイモを叩き潰して、
お持ちのようなペースト状にしたのを「パイアイ」と呼び、
水で薄めて行ったのを「ポイ」と呼びます。
ハワイの伝統的な主食を作る道具なのです。

丁度、小笠原にも「つぶし石」というそっくりな伝統道具があります。
こちらもきっと伝わってきているんでしょうね~


もう一つはラウラウという、タロイモとティの葉で包まれた蒸し焼き料理。

そしてこの2つの組み合わせが信じられないほどマッチする、
言葉にならないほどの感動を得る事が出来ました♡


教えてくれたのはハワイアンの血をひく日系のたけちゃん、日本人の奥さんの由美さんです。

たけちゃんはほとんど日本語は話せませんが、
ハワイの伝統的な料理の方法、
サバイバル技術、
ハワイアンの心の在り方など、沢山の事を私達に教えてくれました♪

私達が訪れた時は臨月だった奥さんの由美さん(その後、無事に赤ちゃん誕生♡)は、
日本出身でこのSHIPの現地コーディネーターです。

英語も日本語も堪能で、
とても頭がクリアで、子供たちの素晴らしい相談役にもなっていました♪

私達は、この夫婦が営む先祖代々の森と
バビリオンという素晴らしいワークスペースでハワイの伝統料理を学びました。
本当にありがとうございましたm(__)m

これから作り方を紹介していきますね。


【ポイ(パイアイ)作り】
■まずはタロイモを中が柔らかくなるまで蒸します。

ハワイの伝統的な方法では、地面に穴を掘りそこで数時間焚火をして、
バナナの葉を敷いて芋を包み、また土を被せ1晩置くアースオーブンで調理します。

今回は時間の都合で圧力釜の力をお借りしました。

温かいうちに手やカサガイを使って皮をむいていきます。
カサガイはちなみに小笠原に沢山いますが天然記念物です(笑)。

皮を剥くと紫色の若干ドロッとしたような甘い糖質部分が見えます。

その部分をナイフを使ってそぎ取っていきます。

この紫の糖質部分は水分も豊富で甘い部分なので、別の料理などに使えるそうです。

八丈と小笠原の高校生たちもワイワイとハワイの伝統料理作りを楽しんでいます♪

講師のたけちゃんは実に丁寧に教えてくれます♡

そして、さっきより白くなった中心部分だけとなったタロイモを、
ナイフで程良い大きさに切ったら、今度はpohaku kuiai(ポハククイアイ)という打つ道具を使ってすり潰していきます。

今回はガラスの美しいポハククイアイもありました♪

みんなでペッタンペッタン、リズミカルに潰していきます。


これが慣れてくるまでなかなか難しい☆



ポハククイアイにベタっと付くうちはまだまだ。
水につけたヘラでそぎ落としながら、何度も潰していきます。
いつの間にかくっつかなくなるくらいが完成です♪

このお持ちのような状態をパイアイと呼ぶそうです。

ティーの葉っぱに包んでおいておきます。

このパイアイは常温で(冷暗所)とても日持ちがするらしく、
長い航海の時の大事な食糧になるそうです。

発酵が進むとほんのり甘い味から、酸味が増してくるそうです☆

このもっちり状のパイアイを水で薄めたものがハワイの主食、ポイになるとのことです。

ハワイでもこのような伝統的な作り方で作る場面は減ってきているそうです。



【ラウラウ作り】
ラウラウはタロイモとティの葉で包まれた蒸し焼き料理です。

まずは素材を包む葉っぱの準備から始まります。

これはタロイモの葉っぱです。
ハワイでは市場でも普通に売られています。

そしてティーリーフを綺麗に洗い、水気をふき取り、
芯の部分に少しだけナイフで切れ目を入れてから、
机の角を利用して固い芯部分を取り除きます。


そうしたら準備はOK。
今回はタロイモと豚の塩漬け、サーモンの塩漬けをタロイモの葉っぱにのせます。


そのあとは丁寧に包みます。
このタロイモの葉っぱ部分ごと食べるので、結構ボリュームがあります(*^_^*)


そのあとは先ほど芯を取ったティーリーフ2枚を使って包んでいきます。


これをみんなでいっぱい作りました!!


仕上がり具合がこんな感じです。


それらを圧力鍋に入れて、1時間蒸したら出来上がり!!


ホカホカのラウラウはティーリーフを空けるとこんな感じです。


ハッキリ言って、地味です(笑)。
しかし、食べてビックリ玉手箱でした!!


私達は差し入れてもらった他のハワイ料理の数々と一緒にワンプレートに盛り付けたのです。
右下のラウラウの存在感(笑)。

凄く気になるラウラウの味は、もう絶品でした♪

すぐさま日本酒を飲みたくなるほどでした!!

しかし、さらに凄いのはポイ(パイアイ)とよく合うのです!!
まさに主食とおかずの黄金のコンビネーション!

塩味の利いた絶妙な味のラウラウに、
あっさりとしたポイが超マッチング♡

僕はポイとラウラウがすっかり気に入ってしまいました♪


■八丈島のメンバーからは見事な島寿司がっ!!
ハワイの魚を使って、見事に高校生が作り上げておりました!!

美し~~~い!!

このハワイの伝統料理教室は滞在最後のクライマックスでした。

タケちゃん&由美ちゃん夫婦以外にも
ハワイ大学教授のハーマン・ファミリーも集まり、素晴らしい宴となりました☆(それについては後日アップ予定の記事参照)

もお、すべてが感激の嵐でした。

■一方、滞在先としてずっとお世話になったニックさんの家には素敵なパンノキが(笑)!

パンノキ(ハワイ語でウル)は里芋と並ぶ太平洋の島々の主食です。

こちらはニックさんがオーブンで焼いてくれて、美味しく頂きました♪

一番手前の白いものがパンノキ(ウル)です。

伝統的には焚火の中に放り込んで、
真っ黒に焼けたまわりを剥くと、中身が白くホクホクに仕上がっているそうです。

また、ニックさんはポイも作ってくれました。

ニックさんの作るポイはパパイヤも入って、甘い糖質部分も入ったタヒチ流のポイ。

これもデザートの様に食べれる美味しい代物でした(*^_^*)


■ハワイアンにとってタロイモ(カロ)が人々の祖先であると考えられ、
切り取った芽から、どんどん次の芋が育つことから、繋がる意味も持つ大事な作物、タロイモ。

講師のたけちゃんは
「いつもどんなときも、もっと学ぼうとする姿勢を大切に、
自分のルーツは何かを意識して暮らすこと、
言わなければ(表現しなければ)得られない」
と高校生たちに、私達に語りかけてくれました。

普通の観光や修学旅行じゃ得られないものを得られた気がします。

僕より遥かに若い島の高校生にとって、
小学4年生で来た次女にとってはどんな吸収をしたのでしょうか?


小笠原にはハワイから伝わったティーリーフもタロイモ、
パンノキも、魚も豊富にあります。
夢は膨らむばかりです!

島にあるもので、こんなにも美味しい主食とおかずを作れると思うとワクワクが止まりません(*^_^*) 

じつは本日、
母島の山マスターに母島北部の水芋の在り処を教えてもらう事が出来ました♪
しか~し、ここ2年の渇水で瀕死の状態で、もしかすると絶えているかもとのこと…
近いうちに探しに行きます!!

2年前の沖縄で乾燥に強い品種の里芋ココヤム(ちんぬく)を頂き、
今頑張って増やしています。

お米がなかなか生産するのが難しい小笠原。

ハワイで学んだタロイモはぜひとも、小笠原でも実践していきたいと思います。
自分たちが生き残るために必要な食物であると確信が得られました!!

STAY GOLD!!(ハワイ旅行記③)

2019年04月18日 | ハワイ研修(SHIP)
■今回、ハワイ島という舞台で9日間一緒に過ごした仲間たち。
八丈島の高校生4人に父島の高校生、
そして母島出身の高校生(うちの長女)、
うちの奥さんと次女に
八丈高校の先生にカメラマン、そして主催のたろちゃん。

僕自身を入れて11名のメンバーと最後にお別れをする頃に降りてきた言葉が、
「STAY GOLD」でした。
僕の意訳では「輝きを大切に」なのです。

事前にスカイプで自己紹介していたものの、
初めて羽田空港で会った時のみんなの何とも言えない緊張感は忘れられません♪

一緒にハワイに渡り、
一緒にホテルで過ごしたり、
一緒にハワイの高校で島じまんをしたり、
一緒に野良作業をしたり、
一緒に料理をしたり、
一緒に野ブタを捕獲する罠を仕掛けて見事捕まえたり(笑)、
一緒に語り合ったり…

濃厚なハワイでの日々の中、
仲間達が日に日にどんどん輝きを増していって、
どんどん愛おしくなって、
最後にはみんな大好きになってしまったのです☆


■僕は今38歳。
この年になって母島の子ども以外で、
こんなにも高校生達と濃密に過ごした時間はなかったでしょう。

本当に貴重な時間を頂きました。
このご縁に感謝です!

色んな事をしながらも他愛もない話を色々しながらも、
僕なんかでは知りえなかった、
それぞれ色んな経験をしているみんなのドラマを感じました。

みんなが島という狭い社会の中で懸命にもがき、
頑張っている姿が目に浮かびました。

そりゃそうだ。

こんなに輝いているんだもの、
狭い島社会じゃ苦しい時もあるよね。


日本は特に同調圧力というものが強いと思うのです。

いわゆる単一的に同じ、みんなと違うものに反発する力が強いと感じる場面が多いと思います。

僕はそれが一致団結するときはいいと思うけど、
基本的にはとてもナンセンスな事だと思っています。

以前、結構目から鱗の記事がありました。
「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」
読んでみて下さい。
日本において、同調圧力というのは「国そのもの」である、からこそ手強い。というのです。

島みたいな狭い社会では出る杭は打たれる場面が多い。

これは僕の持論になりますが(笑)、
出過ぎた杭は打ちにくいものです!!

他人の意見なんか気にしないで、思いっきり自分を貫いていいと僕は思います。
狭い社会で理解を得られない場合も多いでしょう。
でも、世界はそうでない事をこのハワイのSHIPに参加して知れたのではないでしょうか?


■みんながあまりに愛しくて仕方がないので、エピソードは満載なのですが、
少しだけ紹介してみますね。


とても嬉しい言葉がありました。
僕が車を運転していた時、
「最近ずっと輝いてなかったけど、ハワイに来て輝きを思い出せた!」
と語った事。
これはとっても嬉しかったのです。

色んな家庭背景や島の事情、様々な要因でくすんでいたものもあったでしょう。
でも、
言葉の通じないハワイでも、どんどんみんなを笑いに包みこむそのセンス。
最高の宝物だと思いました。
超カッコいい!!

ハワイで過ごすうちにどんどん輝きを増していっていました♪
それを傍らで見れて、本当に嬉しかったです!!

バンブーカットの歌と踊りは永遠だ(笑)!!
↑意味は後日の野良作業編で明らかになります☆


■リーダーシップを発揮する存在。
うちの次女にもいつも面倒を見てくれて、優しく接してくれる大きな心。
料理もできて、本当に頼れる頼もしい存在です♪

いつも視野が広くて、落ち着きのある人を安心させる人柄。

そして芸能発表の舞台で魅せる八丈ショメ節の歌と舞いの美しさ、
密かに茶道まで学んでいる教養の深さ、
とっても輝く存在♡ 

最後に島寿司の超辛子味の大当たりを当てた時の素敵な顔は忘れられません(笑)。
本当にありがとう☆


■いつも表情がとても豊かで愛らしい。
その豊かな表情は多くの深い感受性を持っているんだろうな。
よく笑い、よく泣き、よく喋り、よく寝てる(笑)♪

先祖の事もとても大切にしていて、優しい人柄が滲み出ていました。
そして素直さという、素晴らしい武器を持ち合わせていました。

いっぱい悩みながらも、きっと持ち前の感受性の豊かさで人を幸せにできると確信しました(*^_^*)
僕自身も沢山幸せを頂きました!
ハワイで気付いた学びを胸に、自分の感性を信じて突き進んでほしい存在です☆


■出逢った時から只者ではないことは感じていましたが、
まさか超柔軟なストレッチしたまま寝てしまう凄腕だとは気付きませんでした(笑)。

何事も完璧にこなすセンスを持っている存在。
スポーツも料理も裁縫もしっかりと身に付けていて、そこも只者じゃありません。
視野の深さは高校生のそれではないほどです。

だからこそ、バッテリーが切れてしまったり、
ちょっとした時に見せる天然さがたまらなく愛おしく思えました。

物事はそんなに完璧を求めなくても大丈夫。
でも、そうしたいなら全然すればいいと思う。

ただ、楽しめない時は要注意。
もっともっと緩める強さがあってもいい気がしました☆

冷めて見えるのに一番熱い青き炎、そんな存在です☆
本気モードの大きなサングラスが忘れられませんっ!


■そして僕がこのSHIPに参加するときに、
直感的に「このSHIPに参加すべき人が島にいる!」と直感的に思って、連絡した存在。
締め切りを大幅に過ぎていたのに(笑)親もたろちゃんもハワイ行きを受け入れてもらえ、GOサインを出してもらいました。

いざハワイに来てみれば、見事という言葉では収まらないほどライフスキルの塊を発揮。
火おこしに伐採、料理にカヌーにフラ、郷土芸能、優しさに心遣い。

勝手に誘ってしまった僕としては、
同年代同士でとても楽しそうに過ごしている姿がとても輝いていて嬉しかった。

伐採した竹で笛すらも作ってしまう手先の器用さは感激しました。
学校の勉強なんかよりも、生きて行く強さを感じさせる、そんな存在。


■最後に、うちの娘たち。
まずは長女さん。
こればっかりは親なので色々斜めに見てしまいますが(笑)、あなたはハワイでもキラキラ輝いておりました(*^_^*)。
抜群の英語力はもちろんですが、やっぱりその素直さと優しさは大事な宝物だね。

学校の勉強よりも大事なものをちゃんと持っていると確信しました。

ハワイから小笠原に戻っても、親的にはツッコミどころ満載ですが、実はそんなに心配していません(*^_^*)
人として大事なものを君は持っているのだから☆

次女さん。
さすがにフィールド馴れしているせいか、あまり心配することなく、みんなと楽しく過ごせていたね。
高校生の中に一人だけ存在した小学生だけど、
みんなに可愛がってもらいながらも、いいエッセンスになっていたと思います。
一時は迷子にもなったけど(笑)、よく頑張ったよ!! 


■最後に一緒に関わった大人たち。
みんなもハワイで日々どんどん研ぎ澄まされて輝いていっていました!

やっぱり大人ですから、最初はネコを被っているものですね(笑)。
どんどん生々しく、魅力的になっていきました!

それだけ共に過ごす仲間が素晴らしく、
出逢えた人々が最高だったのでしょうね!


■輝きに充ち溢れる魂。
きっと島などの狭い社会ではマイノリティ(少数派)であろうと思います。
ハワイで色んな本質や理解に目覚めたとしても、
現実に戻って、また同じ悪循環の渦に巻き込まれることもあるでしょう。

でも、これだけは確かにみんなの胸の中に残っている。
みんな“輝くものを確かに持っている”ということを。

そして忘れないでほしい、
この世界は信頼できる仲間がいて、とても素晴らしいってことを。


今回の記事はSHIPで出逢った素晴らしい仲間について書いていたら、
次第に手紙風になってしまいました(笑)。

せっかくなのでそのまま掲載します(*^_^*)

SHIPというプログラムに参加して (ハワイ旅行記②)

2019年04月16日 | ハワイ研修(SHIP)
■今回のハワイ旅行はSHIPというアイランド・コミュニケーションプログラムに参加する形で行ってきました。

SHIPとは、、、

S sharing
H heart
I Islander
P program
の略。

SHIPはSHIP実行委員会が主催する民間のプログラム。
前身が「Hawai'i - Hachijo Leadership program」

行政が主体でない所が大きなポイントです♪

アイランダーとしてハワイに行き、
様々な体験を通して、高校生を含む参加者達が、
自分の暮らす地域の事を本気で考え自らアクションを起こしていく、そんな意識を育てる意図があるそうです。

今回参加してみて、
島という独自の場所が持つ特性を背景に持つ若者たちが、
ハワイという一度は失いかけたアイデンティティを取り戻した島に行く事、
現地でアイランダー同士が交流し、
自分たちのアイデンティティをより深く考え、
自分の住む島、人生に還元していける機会になったと思います。


■この素晴らしいSHIPに参加するに当たり、主催のたろちゃんや八丈、父島の高校生たちと事前にスカイプなどを使って、
事前交流、事前学習を行ってきました。

よく島は「日本の縮図である」と言われます。
自給率やエネルギーゴミ問題、少子高齢化など、色んな場面でそう感じます。

日本では大き過ぎて見えない事も、
島を通して見えてくる事があるのです。

小笠原は日本の島の中でも数少ない少子高齢化が問題化していない貴重な地域なのですが、
他の東京の島は違います。

島の子ども達は進学後は外に行き、島に帰ってくるケースは少ないのです。(仕事がないように見える事も事実)
結果、過疎化が深刻な問題となっています。

島はその特殊性(交通の不便さや面積の狭さ)によって人口減少が顕著に表れているようです。
結果、島の独自な産業や、文化なども急速に失われていくという悪循環が起こっている現状があります。

SHIPはハワイの島の問題にも触れて、
小笠原と八丈島も交流し、
最終的には日本の抱える問題を考え、活動して行く狙いがあります。


■SHIPが訪問する先をハワイに選んでいるのも理由があります。

以下はSHIPのHPからの引用です。
【ハワイ王国であったハワイは、1820年に西洋諸国の進出によって文化や伝統を全て奪われるという歴史を経験しています。
ネイティヴ言語であるハワイ語の使用は禁止され、伝統文化であるフラなども踊ることを禁止されました。

しかし現在、1970年代にハワイ語の取り戻し教育が始まり、伝統文化は息を吹き返しています。
フラはハワイ本土だけでなく、日本でほとんどの人が知るほど浸透していますし、ハワイ語で教育する学校(ハワイ島ナーヴァヒー校のような)はハワイ全群に及んでいます。

世界に29語ある絶滅危惧語の中でハワイ語は確実に次世代へと繫がりを見せています。
このハワイの『ハワイの失ったものを自分たちの手で取り戻している最中』という、たくましい歴史と経験から私たちは多くの事を学べるのではないかと考えました。
そして同じ島同士連携し交流する事でさらなる発展が望めるのではないかと思っています。】


2018年まではハワイのオアフ島で4年間SHIPの活動を行ってきていたようですが、
よりディープに深く関わり、学ぶために今年度からは舞台をハワイ島に変えて、
色んなご縁から小笠原の両島から高校生が参加できる事になったのです(*^_^*)

僕はこの出逢いは必然だったと確信しています♪


■島に暮らしていると公務員の転勤に多大なロスを感じる事があります。
せっかく友好な人間関係、信頼関係を築くのですが、
公務員の転勤制度の影響で
約3年くらいでどんどん入れ替わっていってしまうのです。

これは地域との癒着を防ぐ意味合いがあるようですが、
様々な弊害も含んでいます。

SHIPが民間主体であるのは、この部分に重きを置いているからです。

官のシステム(転勤、配属)とは左右される事なく
継続的に子供達をサポートする事が出来るのです。


■今回のハワイへの旅の大きな目的は、自分のクレアナに目覚める事だったと思います。
クレアナとはハワイ語で責任、役割、権利を意味します。

ハワイアンは自身のクレアナを意識していて、
自分が今どの立ち位置において、何をすべきかを常にフォーカスしていると感じました。

僕自身にとってのクレアナは何か?
いつも朧げに感じていたものを今回の旅で痛烈に意識させられました。

僕にとってのこの旅のクレアナは何だったのでしょうか?

高校生に比べて少しは長く生きているので、
その経験を活かして助言したり、手伝ったり、時にはでしゃばったり…(笑)。

持続可能という視点で常に島で生活していることもあり、
少しはみんなの力にはなれたのではないか?と思います。

と同時に、参加した高校生はもちろん、関わる大人たちにも沢山の学びをギフトとして頂きました。


■ハワイにはアフプアアという考えがあるそうです。

それは単位土地区分の方法だけではなく、
住む人がお互いに分かち合い、支え合うライフスタイルとの事。

山から海へと広がる地形。
山の源流から続き、海に流れる川を中心とした大きな三角州のようなエリアを視野に入れて考えます。

そこに住む人はそこに自生するものは何でも利用することができるそうです。
しかし、他の地域のアフプアアの人は、
そこに住む人に頼まなければ何一つ取ることは許されなかったというのです。

世界の先住民同様ですが、ハワイアンにも本来、土地を所有する概念がないそうです。

あくまで土地は所有ではなく、管理するもの。
7世代先のことを考えて自分の住むアフプアアに深い絆を感じて暮らすということ。

そして土地は故郷、アイナと呼びぶそうです。

アイナとはお腹を満たすこと。
食べさせてくれる、栄養を与えてくれるのが故郷アイナ。

家族はそのアイナを大切にする責任があり、誰もが自分の役割の責任を理解し、
自分がグループの中でどんな役に立てるのかがはっきりしていたので物事はうまく行くとのこと。

人の責任、クレアナとはみんなのためにアフプアアの暮らしに貢献することに他なりません。
自分のクレアナが何であるかを理解し、お互いに協力し分かち合うシステムがアフプアアなのです。

今回のSHIPもお互いのルーツでもあるアイランダー同士を源流と見立て、
そこに関わる歴史、文化、生活をお互いに講習し、学び合い、
次世代という大きな大海原に繋げる、そんなアフプアアなプログラムがSHIPのような気がするのです。

僕にとっては今回の学びをこうして発信していくのも重要なクレアナのひとつと思っています。
毎度、長くなってしまいますが(笑)、どうぞお付き合いください☆

今回、こうして多くの学ぶきっかけを与えてくれたSHIP、そしてそれに関わる皆様に深く感謝しますm(__)m



アイランダーのルーツを感じる旅 (ハワイ旅行記①)

2019年04月10日 | ハワイ研修(SHIP)
■ご無沙汰しておりました。
長女の巣立ちと共になんと家族でハワイに行っていました(笑)。

詳しい経緯と背景は後日報告するとして(笑)、
とりあえず、10日間ハワイ島で沢山の学びを得る機会に恵まれました♪

今回はなんと学生以来の団体旅行、しかも八丈島、父島、母島のアイランダーのみの高校生メインのメンバーという面白すぎる組み合わせでした(*^_^*)

ハワイ王国の最初の統一国王でもあるカメハメハも、こんな未来が来ることを予想できたでしょうか?

この貴重な機会を与えてくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです(*^_^*)


■今日、2週間ぶりに母島に帰って来ました。
母島に向かう船の上ではザトウクジラが沢山集まって激しく交尾行動(メイティングポッド)を魅せたり、
クロアシアホウドリ、オナガミズナギドリ、カツオドリが優雅に舞っていました。
あらためて、小笠原の自然の雄大さに感激しました♡

しかし、その何よりも島の潮風と湿気、温度に
「ああ、帰ってきたな…」
という心地良い感触がありました(*^_^*)

やはり、僕のホームは大好きな母島なのです♪

長女はそのまま進学のために父島で降りて、父島の高校へ☆
しかし、ホームの母島で不思議なことが発生しました((+_+)) 
島に帰ってきたのに、島のみんなが「アロウハ!」と挨拶してくるのです。
それには次女と大笑い(笑)。
みんな最高♪
やっぱり島はいいもんです☆



■今回、家族全員初のハワイでした。
しかも有名なワイキキビーチのあるオアフ島ではなく、ハワイ島のみ。

日本人がハワイと聞いて思い描く南国の楽園でのバカンスのイメージ。
ワイキキビーチにトロピカルドリンク…
そんな観光は微塵もしていません(笑)。

遡って考えても、一般の観光とは程遠く、やったことは現地の高校生との交流、
明治時代からハワイの基礎を築いている日系ハワイ人との交流、
そして、ハワイの先住民との交流。
やった作業はタロイモなどの伝統料理に野良作業。

相変わらず普通ではない最高の学びの連続でした。
こんなに贅沢な旅はありません♪

しかも、今回は私達家族だけでなく、父島や八丈の高校生と一緒です。
子ども達の輝かしい感性やセンスに毎日圧倒される日々♪

なんとういう贅沢な時間だったのでしょう…

そして、それらは母島に戻って即座に実践できるエッセンスを多分に含んでいたのです♡
ほんと感謝の気持ちでいっぱいです。
これから頑張るぞ~!



■長女にとっても自分と同じ世代の島の高校生と関わるのはとても重要だったと思います。

みんなそれぞれ、本当に輝くものを持っているのです!
一緒に過ごしてみて、それがひしひしと伝わりました。

彼らが
狭い島の社会で、
狭い人間関係で、
悩み、もがきながらも、
確実に輝く素晴らしい原石を持っていることが確信できたのが今回の一番の収穫だった気がします。

思えばハワイから伝わったアウトリガーカヌーとフラが存在する小笠原と八丈。
そのルーツを辿ると、自然と太平洋の島々に目線が映ります。

それはアメリカを中心とした世界地図ではなく、太平洋のミクロネシア、ポリネシアを中心とした地図なのです。
日本の島々は、ただの極東の島ではなくヤポネシアとして太平洋の島の重要なファクターとして存在するのです。

そしてそのハワイアンのルーツにこのヤポネシアが関係してくるというのです。

僕は今回、ハワイの高校で南洋踊りを披露する機会に恵まれたのですが、
その時に意識したのが太平洋の島々に伝わる行進踊りでした。

いつも小笠原の島で踊るときに使うカカ。
今回は持って行くわけにもいかないので、現地のゴールデンバンブーを使って即席でカカを作りました☆

これが意外といい音で鳴ってくれました♪
お世話になったハワイ・ヒロに住むニック加藤さんは「完全にタヒチだなぁ~」と感激していました☆

妻がそのカカを叩き、父島の高校生と母島の高校生とうちの家族がハワイで南洋踊りをする。

その行為自体が、お互い同じルーツを持つ太平洋の島々のモンゴリアンとしてとてもセンセーショナルでした。
そして、とても盛り上がって嬉しかったです♪


■とにかく、帰って来てからは怒涛の様に溜まった仕事、
春の作付けに追われているのでまったく暇はないのですが(笑)、
普通の観光では得られないとても充実したハワイ滞在となりました。

なんとまだバリもカナダも連載は終わっていない状況ですが(笑)、
なるべく熱が冷めないうちに報告していければと思います。

お楽しみに♡