小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

オガサワラノスリという存在

2018年12月28日 | 母島 鳥
■最近、やたらノスリと縁があるようです。
そう、小笠原に住む天然記念物、そして固有亜種でもあるオガサワラノスリさんです。

小笠原固有の唯一の猛禽類・オガサワラノスリ。

島の生態系の頂点に君臨しています。

硫黄島などの火山列島以外の小笠原群島に分布しています。

体長は雄で50~52cm、メスで53~60cmで、翼長は122~137cmほどです。

立派な足の爪で獲物を捕らえます。

母島では他にサシバやミサゴ、オオタカやチョウゲンボウ、チュウヒ、トビ、ハヤブサなども時々見かけます。
コミミズクなどのフクロウ系も飛来しているのを確認されています。

■オガサワラノスリは内地で見られる"トンビ"よりもやや小型で、
主にネズミ、オガサワラトカゲやグリーンアノール、オオヒキガエル
そして中型以下の鳥などを餌としています。


こんな美しい景色の場所もノスリの絶好の捕食エリアです。


母島小中学校のグラウンドも立派な縄張りです。

■先日、畑に大きな物体が急降下していくのを見かけました。

そっと覗いてみると、それはそれは怖い顔したノスリが。

よ~く見ると、足元にネズミを仕留めてありました。

さすがですね~!

顔を見るとなかなかカッコよく、可愛い顔をしています。

僕からは5m位の距離です。
この距離では普通、なかなかゆっくりはお目にかかれません。

5分くらいして、気の毒になって僕は立ち去りました(笑)。

■あののんびり屋さんで、人にはまったく警戒心を見せない天然記念物のアカガシラカラスバトも、
ノスリにだけは異常な警戒心を見せます。

以前、森の中でハトを調査していた時の事、
ハトは地面の餌をほじくって、のんびり過ごしていました。

すると上空で「ピ~ヒョロロ~」というノスリの鳴き声が。

見ると、3羽くらいいたハトはみんなフリーズ状態。
ノスリの気配に集中しています。

すると、ノスリがなんと林内に入って来ました!!
地面にいたハトは一目散に散って、弾丸のようにどこかに飛び去って行ってしまいました!!
恐るべしノスリの存在感!!!!


島に人間が住みつく遥か昔から、ノスリとハトは敵対関係だったのでしょう。

仲間が横でネコに喰われていてものほほんとしている島のハトたち。
人にも全然警戒しません。

でもノスリだけは別格です。

以前、某有名な鳥類学者のK先生が言っていました。
「ハトは何万年もかけてノスリ以外の外敵がおらず、ボケてきたから、せいぜい数百年で現れた外敵(ヒトやネコ)にはきっとまだ対応できないんですよ~)

そう、内地や沖縄のカラスバトはとても警戒心が強いのです。

■積み重ねた時間の流れとは不思議なものだな~と思いながら
巣に戻るノスリが横切る夕陽を眺めて、ふと思いました。

人は信じるものと当たり前に島の子供たちは生活しています。
でも、島の外の世界はそんなに安全ではありません。
国外に出たら尚更です。

島の子供達はほんと天然記念物のように平和に生きています。
来春、母島を巣立つ長女。

彼女は無事に生き抜いていけるのだろうか!?
親父は勝手にハラハラドキドキしているぞ(笑)!!

「カッコいい大人」と「カッコいい子供」

2018年12月21日 | 大切にしていること
■先日、とても良いことがありました♪

母島の子供たちの通学路の真上、大きなモモタマナの木があります。
そこに大きな枯れ枝がぶら下がっているのを、住民が発見し僕に教えてくれました。

高さは10mちょいの位置。

これが落ちてきたら本当に危ない。

でも僕には取れる気がしない。

誰に相談しようかな~役場かな~と考えて車を運転していたら、
高所作業者に乗り込もうとするNTTの人を発見!!

急いで、
「あの子供たちの通学路の高い位置に危ない枯れ枝がぶら下がっているのです。
 僕では取れないので、この車を使って取ってもらえませんか?」

すると、NTTの方が
「今から案内して。危ないなら取らないと!」
と快く作業を受けてくれました。

丁度子供たちが下校している時間。
子供たちも遠くから見守る中、枝の撤去作業が始まりました。

僕は交通整理と周囲の安全確認位しかできません。


バケットのブームが延びるのが10m。
触れば折れてしまい、なかなか作業は困難を極めましたが、
素晴らしい技術で無事に枯れ枝を撤去することができました。

僕がお礼を伝えていたら、
遠くから見守っていた小学生が大きな声で、
「ありがとうございました!!!」
と自主的に言ってくれました。
僕は子供たちにお礼を促していません。

それに作業員さんも笑顔で応えていて、
なんだかとても、いいなと感激していました♪

子供たちの安全の為に快く作業をしてくれた大人と、
自分たちの道を安全にしてくれたことが分かり、自分から大きな声でお礼を伝える子供、
なんだか、どちらもとってもカッコいい♡

そんなほっこりしたお話でした♪

取ってもらった枝は枯れていたけど、大きく、とても重いものでした。
これが誰かの上に落ちなくて本当に良かったと思います。

作業してくれたNTTの方、
自分からお礼を言った子供達、
この枝を発見して教えてくれた島の大人、
みんなみんな有難うございました!!
 

第二十八共勝丸 最後の航海 ~アナザー・ストーリー

2018年12月19日 | 母島 船舶
■2018年12月19日、島の暮らしを支える貨物船「第二十八共勝丸」が最後の航海をするにあたり、母島でも引退セレモニーが行われました。

共勝丸は島の生活には欠かせない存在です。
主に車両や建築資材、ガソリンやガスの危険物など
客も乗せるおがさわら丸が運べないものを運んでくれます。

帰りは産業廃棄物などを運搬してくれています。

この度、1993年から25年間、島の暮らしを支え続けてくれていましたが、
老朽化が進み、この度新造船と代わることになりました。

ちなみに船名の「第二十八~ 」は、
1から順番に船が造られたわけではなく、その都度名づけられるそうです。
「第二十八~ 」は、末広がりの縁起をかついだ船名なのだそうです。

次の人生は旧ははじま丸と同じ、ソロモン諸島で活躍してくれるそうです。
小笠原で活躍した2つの船が遠く離れた同じ地で活躍するなんて、なんだか不思議ですね♪

母島の引退セレモニーは当初、予定されていませんでした。
出発の時間などが読めない理由からでしたが、積荷作業の関係では母島に最後1泊することになり、
朝の出発が確定したので、急遽セレモニーが決定しました。

多くの島民や学校関係者も
島のライフラインを支えてくれた共勝丸の引退を見送る為に集まりました。

島の事務所長、船長から挨拶を頂き、
父島~母島アクセスの会からは感謝状が贈られました。


普段、普通に暮らしていて関わる機会は少ない共勝丸ですが、
我が家にとってはとても大きな存在の共勝丸。

今回はそのもう一つの物語を記したいと思います。


最後にはは丸と交錯する第二十八共勝丸

■うちの奥さんは別名「共勝の女」と呼ばれたほど、共勝丸が大好きな人です(爆)。
僕と結婚するまでに2回小笠原に来ているのですが、その時のアクセス手段はもちろん共勝丸のみ。
独身時代、一度も定期船おがさわら丸&ははじま丸に乗ったことがなかったツワモノです(笑)。

今回、村内放送の予定すらなかった母島の引退セレモニーですが、
冒頭に書いたように開催が決まり、村民向けに流れた瞬間に、
嬉しくて思わず泣いてしまうほど共勝丸を愛している人です(*^_^*)

この最後の航海の日程が決まってから、
この日が近づくにつれてソワソワしていました(笑)。

結婚当時はまだ普通のお客さんも乗せてくれていた時代でした。
東京~父島まで18000円(食事付き)、2段ベットに湯船もある贅沢な船旅。

当時の船員さんたちは本社がある宮城県、石巻の人々がほとんど。
とても気さくで優しい船員さん達です。
訛りの強い東北弁を話すので、人によっては何を言っているか分からないこともしばしば(笑)。
その点、僕は東北出身なのでほとんど何を言っているか分かります♪

共勝丸の着く岸壁には沢山の資材とフォークリフト。

■そして、2006年に家族で日本1周旅行をした帰りに共勝丸で父島に帰りました。
その時は海が悪く、4泊5日の船旅でした(笑)。

写真は当時の月島で乗船するときのものです♪

一度、伊豆大島まで進みましたが、時化の為に館山沖に引き返したのです。
それは、積荷が破損しないための配慮でした。
島から本土に向かう場合はゴミなど産業廃棄物ばかりなので、そういうときは多少の時化でも行くそうです。

丁度2月3日の節分の日だったので、
館山に接岸してもらい、コンビニで節分の豆を購入し、船内で豆まきを行いました♡
当時3歳の長女も、沢山デザートをもらったりして、本当に良くしてもらいました。

その時、奇遇にも一緒に船に乗っていたヤギが今飼っている「なつ」なのです。
運命の不思議ですね~

最後の積み込みを行う共勝丸

■また、2008年に僕の母がカナダで危篤状態に陥ったとき、その連絡は定期船おがさわら丸が出港した直後でした。
その時、運良く共勝丸が翌日に東京に向けて出港するタイミングでした。
すぐに乗せてもらうようにお願いをしに行きました。

役場でパスポートの緊急発行の手続きを行い、緊急で航空券も手配してもらいました。
人生初めての外国に行くのがまさかこんな理由とは。

当時の写真です。27歳なので若いですね(笑)。

飛行機に間に合うか、初めての海外はどうなのか?
不安な気持ちの僕に船員さんたちはとても優しく接してくれました。
「大丈夫だ。絶対に間に合うように届けてやるから、安心してけろ」
この言葉がどんなに頼もしかった事か!!

船内ではゲームやビデオなど沢山のおもてなしを受けました♡

その後、無事に予定通りカナダに渡れて、脳死状態の母と対面し、最後の務めを果たして来れました。


これは石次郎海岸から撮影しました

■そして、忘れられないのが3.11東日本大震災の時の事です。
当時のブログ記事がこちらです。

宮城県石巻に本社のある共勝丸。
その本社は大津波で壊滅的な被害を受けました。
その時、社長さんも行方不明となっていたのです。(後に死亡が確認されました。ご冥福を祈ります)

震災発生直後、共勝丸の船員は一度、石巻に向かいますが、
すぐに小笠原に向けて出港します。

自分たちのホームグラウンドが大変な事になっているのにも関わらず、
小笠原を目指してくれたのは、
小笠原の人々のライフラインとして重要な役目を担っているからだと聞きました。

そんな状態で島に向かってくる共勝丸の船員さんたちを、
どう迎えたらいいのか。
どう感謝の気持ちを伝えたらいいのか。

仙台出身の僕は、
共勝丸が大好きな妻は、
何か役目がある気がして、寄せ書きを集めて渡しました。

自分たちにできることはこれくらいしかありませんでした。

なのに後日、島の「子供たちへありがとうの気持ちを」と沢山のお菓子を届けてくれたのです!!

この時の事は本当に忘れられません。
本当にありがとうございます!


鮫が先展望台から共勝丸のいる沖港を望む

■他にも台風でおが丸が欠航している最中、
共勝丸が物資を届けてくれて、
それに感激した母島の皆さんが共勝丸の歌を作ったエピソードもあったそうです♪(←すごく聴いてみたい!)

また、1月の定期船おがさわら丸が船舶検査のために3週間のドック入りしている間、
島の生鮮食品と郵便を運搬する重要な役目も果たしてくれています。

島の暮らしに欠かせないガソリンもドラム缶に入って共勝丸が運んでくれています。

そして、沢山の産業廃棄物。

このいわゆるトン袋が港に沢山積まれると、
ああ共勝丸が来るんだなと分かります。

リユースするお酒のビンだって、運んでくれています!


知らない間に私達の生活を支えてくれているのです。

母島最期の夜の共勝丸

■いよいよ最後のお別れの時が来ました。

その場の全員で記念撮影をしました。

共勝を愛する妻はなんと乗船して、父島に向かって行ってしまいました(笑)。


長女はもう大粒の涙を流しています。

さびしいよね。
ありがとうだね。
いってらっしゃいだね。


よく見ると本当に活躍した爪痕だらけの船体です。

この2年は船艇に穴が開いてしまったり、エンジントラブルが続いたり、本当に大変だったと思います。
まずは、お疲れさまでしたと言いたいです。

長女はこの見送りの為に、
授業を少し抜けさせてもらって来ました。
彼女にとって大事に思う部分なのでしょう。
はは丸の交代式を思い出します。

灯台を過ぎて、堤防に隠れつつあるなかでも、最後まで彼女は見送っていました。
その姿をみて、20年以上前から共勝丸に関わってきた人が目に涙を浮かべていました。

こんなに我が家にとっても沢山のドラマを持っていた共勝丸。
関わった人の数だけのドラマがあるでしょう。
この船は第二の人生をソロモン諸島で旧はは丸と一緒に活躍するんだね。

次からは新しい共勝丸が島のライフラインを支えてくれます。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

どうもありがとうございました!!

出港の瞬間の動画も撮りました(Kくん、カメラをありがとう!)。


その後、父島でもセレモニーが行われたそうです☆
写真が送られてきました(*^_^*)

父島のセレモニーや最後の出港はオガツアーのおがちゃんがブログに書いてくれています♪

師走の畑 ~久々にヤギ登場(笑)

2018年12月12日 | ヤギ
■12月は師走と言われますね。
文字通り、師匠も走り回るほど忙しい1年を締めくくる月。

農園と名打っているブログですが、久々の畑ネタの投稿です(笑)。

久々に畑で飼っているヤギさんを撮ってみました。

一番の古株である「なつ♀」です♪
ちょっぴり恥ずかしがり屋さんで、控えめななつ。
今年でもう14歳になります。

時々食欲を落とし、心配させますが、取りあえず元気です♡
2014年に娘のこなつを病気で亡くしています。



PTAの陶芸教室で名札を作ってみました♪

ヤギという生き物はなかなかのポーカーフェイスで餌をねだる以外には何を考えているかさっぱり分かりません。
ある学者が動物の感情について本を書いていたのですが、
ヤギは「すべてを悟っているが、知らないフリをしてとぼけている」と書いていて、
なんか妙に納得したのを覚えています(笑)。



こちらは「ゆり♀」。
いつも元気で人懐っこい、寂しがり屋のゆり。
今年で12歳になります♪

普通のヤギは「メェ~」と鳴くのに、ゆりは「ベェ~」と鳴きます(笑)。

ゆりの名札は耳が折れてしまいました(ToT)/~~~

畑ではこの2匹のヤギを飼っていて、
実はいつも僕は彼女らに癒してもらっています♡

シャイな「なつ」に寂しがり屋の「ゆり」。
僕の苗字が「みやぎ」なので、3匹のヤギを飼わなければいけないのですが、
今は2匹なので「にやぎ」になります(笑)。

畜産指導所の閉鎖に伴い、冷凍精子が亡くなってしまったので、
いい感じのオスヤギを何とか工面しないとですね~。

ヤギの糞と尿、餌のカスを混ぜて自家製堆肥を作っています。
愛玩用としての価値はもちろんですが、畑にとって彼女らの堆肥も不可欠な大事なものです☆

写真には載せませんが、あの1つの大きなお尻の穴から、
細かい丸いうんちがポロポロ湧くように出てくるのは、
一体どうやって形成されているのか、本当に謎なのです(笑)!!!

誰か知っている人がいたら教えて下さい!!(←結構、本気です)


■そして、もう一つの家畜は烏骨鶏です。

現在15羽ほどを飼育しています。
最近は卵を1日に2~5個くらいを産んでくれます。


こちらは雄鶏のおっとりとした顔。


雌鶏はなんか怖いお顔(笑)。

烏骨鶏はその名の通り、骨や肉が黒っぽく、カラス(烏)の骨のニワトリ(鶏)です。
指は鳥では珍しい5本。
クルミの様なトサカに、絹糸のような毛が特徴です。

一日中、色んなドラマが繰り広げられているので、眺めていても飽きません(笑)♪


■先日も母島農協にうちなーローゼルを出荷しました!

そろそろうちなー品種も出荷終盤です。
開花はかなり減り、実もイケイケ期からまったり期と移行し、
ミズナギドリの巣立ち完了と共に終売になりそうです。

父島への販売は予約販売のみで、店頭分は残らなさそうです。
店頭を待っていた方、ごめんなさい!

クリスマスのお菓子にとっても使いやすいローゼル。
母島ローゼルに比べて、
うちなーローゼルはスレンダーでドライ向きな品種です☆

今年もどうもありがとうございました♡


■ここからは今作付けしている冬野菜の紹介です。

まずは大人気の島らっきょです。

今期はいくつか自家採取も成功したので、うまくペースにノレることを願うばかり☆
沖縄、東村で泊めてもらった農家民宿の品種です(*^_^*)

こちらは島にんにく。

小さいけど、匂いが強い南方系のニンニクです。
去年は失敗してしまい、ほとんど台所にも出せず、そのまま今期の種にしちゃいました。

こちらは伸び盛りのスナップエンドウ。

定植と雨のタイミングが重なると、マイマイの猛攻にやられてしまいます。
今期は1度全滅し、蒔き直して2度目のトライ。
今の所順調です。

ふとみると可愛い青虫が!

可愛いですが、作物をしっかりと食害しているので、この青虫君たちは烏骨鶏のおやつとなりました☆

こちらは加工用トマトのサンマルツァーノ。

ミートソースやケチャップなど料理の幅が広がります。

本数は少ないですが、去年同様にぷちぷよトマトも育てています。

ようやく最初の花が咲きましたね。

トマトの横にはコンパニオンプランツとしてのバジルが植えてあります。

このバジルはトマトの味を良くし、虫よけになり、さらにトマト料理にも合うという究極の組み合わせです♪
種は以前、オガサワラカワラヒワが食べに来ていました

さらには小松菜。


そして水菜。


サニーレタス。


大好きな春菊。


後での間引きは大変ですが、
こうして作物が元気に育ってくれるのが本当に有難いのです。

去年は妻が長期で不在で
さらにこの作付けの時期に雨も多く、
さあ種を蒔くぞ!!ってタイミングで次女が連続で熱を出し、
作付けすらうまくできなかったという苦い思い出がありました。

あれは本当に辛い経験でした。
冬の作付けを諦め、その影響は今年の夏の収穫にまで色濃く残りました。

今年は、
こうして順調に種を蒔く事が出来て、
こうしてすくすくと野菜が育って、
無事に畑に通えるだけで本当に有難いと感じています♪

大根も小さなカタツムリが乗っていても気にならないほど順調です(*^_^*)


こちらはゴボウさん。

固くなる赤土なので収穫は大変ですが、自家製ゴボウは本当に美味しいです♪

ど定番の人参さん。

今年はちょっと発芽が少なかったけど、すくすく育ってくれています。


去年、沖縄のむい自然農園の航さんに分けて頂いたサトイモの仲間、ココヤムどん(ちんぬく)。

このココヤムはとても乾燥に強く、母島の気候に合っています。
食味の方もがっつり美味です!
この夏収穫した種芋(球根)で作付けし、一気に数を増やせました♡
これは今後に期待かもです!!


その傍らではこぼれダネで発芽したローゼルがいました。

これは温度が低い冬ではあまり育ちません。
最近、冬とは思えないほど暖かい日が続いたので、勘違いしたのでしょうね。
モロヘイヤも同様でした。

こうして当たり前の畑通いに感謝して、日々を過ごしています。
今年は返還50周年で驚くほどイベントの多い1年でした。

来年はゆっくりできるかな~


コビレゴンドウの全身骨格 組立大作戦!!

2018年12月07日 | 小笠原 野生動物
■先日、実はずっと楽しみにしていたイベントがありました。
それが、コビレゴンドウクジラの骨格を組み立てるイベントです!!

このイベントには興味のある島民も多く、子供達も多く参加しとても楽しい時間となりました♪

だって組み立ててみたら思わず横になって寝てしまう人が出るくらい(笑)!

この個体は2013年に母島南京浜に座礁し、その後砂浜に埋めて、分解を待ちました。

当時の事は過去のブログ記事にしているので、そちらを参照してみて下さい♪

これはとてもセンセーショナルな出来事でした♪

そしてついに2017年に掘り起こしました。
我々の予想に反して、砂の中に骨だけだと思ったら、
ブルーシートに包んでいたせいか、
と~~~っても香ばしい匂い(笑)と、グッチャグチャの発酵した!?腐敗肉のおまけ付きでした♡

これもとっても楽しい作業でして(笑)、一応当時のブログ記事に書いてあります。

そしてついに今回、その骨格のすべてが日の目を見る事となりました!!やった~~~!!!


■まずは簡単にコビレゴンドウについてスライドでレクチャーを受けます。

ふむふむ。
オスの体長は5.2m、メスは3.8mまでに達するそうです。
出生体長は1.4m。
寿命は60年くらい。
性成熟は♂14~19歳、♀7~12歳。
妊娠期間は15か月。
マッコウクジラに劣らないほどの高度な母系社会を形成するそうです。

潜りも500m以上の深海に潜るんですね!すごい!!

今回の個体は歯の摩耗も激しく、何本も抜けていたので、
高齢のメスではないかとのことです(歯は生えたらそのままで、生え変わらないらしい)。


みんなで頭骨を眺めてその作りの不思議さに驚きます。


ハクジラは呼吸する鼻孔が中心から僅かに左にずれているのが特徴です。
そう、左右非対称なのです!(そう言えば、人間の心臓も左側…身体の左側に何か謎が!?)
これは今年カナダでシャチやマッコウの頭骨を見てもそうでした。
鼻孔は「テレスコーピング現象」というクジラ独自の進化の特徴を獲得したため頭頂部に移動して、
海面に出て呼吸をする事が安易になっています。

あと頭部の大きな丸い飛び出た部分は「メロン」という脂肪の組織で、
ハクジラはエコロケーションという超音波を使い、それを受け止める器官となっているそうです。
ちなみにヒゲクジラにはこの器官はありません!


手に持っているのは下あごの骨です。
中は空洞になっていて、脂肪が詰まっており、
この空洞で音を増幅し、骨を伝って、耳骨に送ると言われているそうです。
すごいですね~~!


これが耳骨です。
左右に2つずつあり、合わせるとぴったりと合います!

現生のクジラ類では耳骨が頭骨から遊離しているそうです。
ハクジラの耳骨は一部の種を除いて軟組織のみで頭骨に接していて、完全に骨による接続は断たれているとのこと。


その位置がここら辺だそうです。



そして、僕が掘り起こしの時に一番気になった部位、「舌骨」です!
このブーメランみたいな不思議な骨は顎の奥に付いています。
これはハクジラが餌となるイカなどを“強い吸い込みで飲み込むための筋肉”を付ける為に発達した骨だそうです。
面白い!!


■そして、首から下の部分になっていきます。

これは頸椎の部分で、7つの骨が癒着しています。
哺乳類尾であれば首の長いキリンでも頸椎の骨は7つだとか!


そして講師のOさんに「まずはみんなで考えて脊髄の骨を並べてみましょう~!」
ということで、みんなでああでもない、こうでもないと言いながら並べていきます。


そして修正してもらいながら、あ~こうだったのかと感心する参加者(笑)。

胸の部分の胸椎、腰の部分の腰椎、尾椎とそれぞれ並べていきます。
面白いようにテトラポットみたいな形の骨もあります。

このナイキのマークみたい(笑)なのは、骨盤の名残となる「骨盤痕跡」です。
哺乳類が陸上から海に戻る進化を裏付ける重要な部分ですね!
胎児期は実際に足もあるらしく、とても興味深い部分の骨です。


尾椎の方になると、強く縦に振る為に発達したV字骨というのが下に並びます。
これの順番がなかなか難しい!!


■そして胸ビレの部分の骨になります。

扇形の肩甲骨からその先、
ちゃんと1枚の胸ビレに5本の指の骨があるのです!!
しかし、この順番はかなり難易度が高いらしく、講師のOさんも難しいと言っていました(*^_^*)


この長いやつは肋骨です。

500mを超える深い深海に潜る為に中央に関節があり、
肺が水圧で潰れても、骨で守るシステムになっているようです。

何から何まで骨は語ってくれますね♪

■ようやくこれで完成です!!

ブラボー!!

体長3.6mのコビレゴンドウ♀の全身骨格標本の出来上がり~~!!

子どもが並んで寝るとちょうど3人分(笑)。

みんな頭も手も使ってのイベントですごく楽しめました♪

OWA(小笠原ホエールウォッチング協会)のOさんのレクチャーの元、
ああでもない、こうでもないとみんなで悩みながら骨を並べる作業はすんごく楽しかったです♪

僕個人的には、舌骨(海中で獲物を吸い込む筋肉の為の骨)、
骨盤の名残の骨が一番興味がある部分でした!!

本当にいい経験をさせて頂きました。
どうもありがとうございました!!

■埋めるのも、掘り出すのも面白かった思い出のコビレゴンドウ、ひとまずこれで完結♡

その後はどう展示するかは決まっていません。

個人的にそんなに巨大なインパクトのサイズのクジラではないので、
こうした組み立てるイベントや勉強の為の標本として保管して、使って行くのはどうかな~と思っています♪


こんな景色の中、海ではコビレゴンドウなどの鯨類が群れを成して泳いでいるのですね。
僕がこうしてブログ記事を書いている間にも、
内地で都会の雑踏で人が歩んでいるその時も。

なんだかその感覚が不思議でなりません。

僕はまだ生きたコビレゴンドウを見たことがありません。
ザトウやマッコウほど有名な種類ではないけど、
そのマッチョなスタイルと、可愛いまあるいおでこは、いつか海上で会ってみたい鯨類のひとつです♪