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煩悩即菩提

2009年05月05日 | 仏教・仏像

今、真言宗の中心経典「理趣経」の研究本(栂尾祥雲・著)を読んでいる。
カメが座右の銘とするところの「煩悩即菩提」の経典でもある。

そこには、こぉんな記述がある・・・

二、理趣経の特質
凡て人には生きたいと云ふ生存欲があると共に、食いたいと云ふ欲、異性を愛したいと云ふ所謂性欲なるものがある。これ等の自然欲が元となつて種々の煩悩や悩みが出来、惹いては種々様々な罪悪を造ることにもなる。従って「雑阿含経」などでは、「欲は諸の煩悩を生じ、欲は苦を生ずる元となる」等と云ひ、これを離れなければ純真の生活は成立しない様に説かれて居る。さらばとて人の住む世界は所謂欲界である。この欲から成立する世界に住しながら、これを離れると云ふことは中々の難事である。この世の中の進化も発達もこれを離れては成立せぬのではあるまいか。煩悩や罪悪の根本となるのも勿論欲であると共に、この世の浄らかな佛の国土を現出せんとするのも所謂欲である。この欲は果たして如何なる本質を有するのであるかを徹底的に教ふると同時に、人が本当に意義ある生活をなるに当たり、この欲を如何に取り扱うべきかを如実に示したのがこの「理趣経」である。
(中略)
この「理趣経」に主張するところは積極主義であり、活動主義である。欲を治するに欲を以ってし、瞋(しん。怒ること)を治するに瞋を以ってし、痴を治するに痴を以ってせよと云ふのが標語である。従って「此の世の中に欲を捨つる程の大罪はない」と云ふのが此の経の教ふるところである。
(以下略)

な、なんて素敵なんだ・・・。
幾ら何でも素敵すぎる・・・。