旧愚だくさんブログ

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良いな、良いな~

2006年05月13日 | 仏教・仏像

定期購読している「東京国立博物館ニュース」(A4判16ページ)を見ていたら、京都、奈良、九州の博物館の特別展覧会の案内が載っていた。
京都国立博物館「大絵巻展<国宝「源氏物語絵巻」「鳥獣戯画」など一挙公開」、奈良国立博物館「大勧進 重源<東大寺の鎌倉復興と新たな美の創出>」・・・だって。
良いな、良いな~。
奈良博「大勧進 重源」の重源上人は、宋風美術の創出のキーマンで快慶のパトロン的存在でもあった。その生涯の殆どを平家の南都焼き討ちで焼失した東大寺の復興に捧げた重源は、苦難に苦難を重ねつつ再興の為に幾つもの大事業を成した。その時に造られた建造物は大陸伝来の大胆な手法が用いられ(代表的なのが東大寺仁王門)、仏像はそれまでよりも更に絵画的になり精緻を極める。
ひょっとして、奈良博館内は慶派の仏像で埋まっているやも知れぬなぁ。
良いな、良いな~。
そして京博の絵巻物展・・・源氏物語絵巻から鳥獣戯画までまとめて見られるとは何たる贅沢!もしかして信貴山絵巻まで出ていたら如何しよう。
良いな、良いな~。
・・・ところで、源氏物語絵巻と言うと、この平成の御世では不細工の部類に入る下膨れ・引き目鍵鼻の平安美人を思い浮かべる人が多いと思う。しかし、絵巻物を直で見ると意外や意外・・・キュッとしまった顔立ちに、切れ長の美しい目、しっかりとした眉、白い肌・・と、現代美人そのまんま。
絵巻物をスクリーン分解しドットの集合体で表す印刷物、若しくは横に走査線が走るTV画像を介して見るから、実物よりも膨張気味に見えてしまうのだと思う。
実際の絵巻物を見れば「平安美人も平成美人も同じなんだぁ」と・・・。
何れにせよ、贅沢なラインナップの特別展。
良いな、良いな~。