旧愚だくさんブログ

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廃墟にも衣装

2006年05月10日 | カメ見聞録・廃墟・遺構編

・・・・って、我ながらしょーもないタイトル。

枝垂桜の季節に発見した廃土蔵が、今頃の季節には藤で埋もれるのだと上子カメから聞いていた(流石はカメの子、良く知ってる!)ので行ってみたら、崩れかけた屋根が本当に藤棚状態になっていた。驚き!

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生憎、今日は天候すぐれず写真の花の色が今ひとつだけど、実際には薄紫色の花の房が見事に下がっており、朽ち掛けた土蔵との対比が何とも趣深い。

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←ちなみにこちらは約ひと月前。ただの廃墟状態・・・って当たり前か。

この写真を撮ろうと廃土蔵に近づいたら、持ち主と思しき60歳くらいの男性が荒地の手入れをしていた。
「すいません。写真を撮らせて頂けますか?」と聞いたら、すかさず「何?藤を撮るの?藤の前に俺を撮りなよ。どーだい?美男子だんべ~。ワッハッハ!」と先制攻撃を喰らった。
かなり陽気な人・・・らしい。
美男子云々には反応しないでいたら、「何でぇ!俺を撮んねぇんけ?!」と容赦なき栃木弁にて食い下がって来るので、口角45度上げの微笑み(黒田清子スマイルとも言う)で誤魔化しつつ、撮影に勤しんでいた。藤しか目に入らぬ様子のカメに、余程藤の花が好きだと思ったらしいオジ、
「そんなに藤が好きけ?」
微笑(「藤じゃなくて廃土蔵を観てるんだよ」)
「そこの御堂(「北条家の薬師堂」で、この土蔵の直ぐ近くにある)の枝垂桜が有名だけど、桜よりも藤の方が好きなんだな」
微笑(「枝垂桜も観に来たよ~。でも、桜よりも薬師堂狙いでね」)
「宇都宮から来たんけ?」
「ええ、まぁ・・・」(「此処だって宇都宮じゃんかぁ!」)
「そっかぁ・・・遠くから来たんだなぁ。」
「?」(「遠い・・・のか?・・・・・・でも、実は鹿沼だけど」)
「崩れかけた土蔵と藤の取り合わせが良かんべ?」
「はいっ!本当にそう思います!」(「何だ、分かってるじゃ~ん」)
「こんな土蔵だけどよ、随分と写真を撮って行く人がいるんだぜ」
「へぇ~。そうですかぁ。(「こんな所まで廃墟マニアは来ていたか!恐るべし!」)ところで、この土蔵はどれくらい経つのですか?」
「100年以上は経ってんぜ。何せ明治に出来たからなぁ」
「随分と古いですね」
「古くたって味があんべ?俺みてーにさ!ワッハッハ!」
「・・・・・。」
撮影させて貰ったお礼を言って辞そうとしたら、「また来なよ!な!」だって。
底抜けに明るい人で、藤の花と同じで廃墟の対象位置にある人だった・・・。
「また来なよ」・・・・そうお気遣いなさらずとも、勝手に寄らせて頂きますので。へへへ