ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

硫黄尾根 2022

2022-04-27 | 山登り

22・4・22 Tue 

22年前の2000年GWに僕がV山の会のU師匠に付き添って貰いながら
辿った硫黄尾根の山行へ、今回は相棒のⅠ垣さんと共にもう一度その
ルートを辿ってみました。

 

 

 

 

前夜のうちに七倉登山口に入って、7:00にタクシーで高瀬ダムへ。
硫黄尾根の取り付きになる湯俣川出合から水俣川沿いの山径を辿
って途中の枝尾根から主尾根上へと延びる激登りの小径を経て尾
根筋に立ちました。

 

 

 

 

尾根上(12:00)に立つと傾斜が緩んでホッとします。ただ積雪が無
いので藪漕ぎを強いられながらの前進です。途中から残雪がポツポツ
と現れ始めて、やがてそのポツポツの繋がりが広くなってきた頃にな
ってようやく硫黄尾根を辿る愉しみに向き合う気分になってきました。

 

 

 

 

初日の核心部は硫黄岳のP1からP6まである前衛峰群です。目の前の
岩峰が何番目のピークかは判りかねますが、だからといって一つま
た一つと目の前に立ちはだかるピークを越えてゆくことに変わりは
ありません。

 

 

陽も傾いてきた頃、良い感じの平地(P6手前のコル)があったので
そこで幕営(17:30)。一日目の夕飯は生卵を使った親子丼です。
ルート内容からすればかなり豪華な食事を摂って、就寝…

 

 

 

22・4・23 Sat 

四時に起床して朝食の雑煮餅を食べて出発(6:00)。今朝は硫黄岳の前に
あるP6を越えて本峰へ高度差400mを登り返します。

 

 

 

 

残雪を繋ぎながら硫黄岳山頂を目指します。所々で藪に阻まれながら
硫黄岳山頂(9:45)に到着。前回の時は雪原だった硫黄台地に積雪は
なく、藪が広がるばかりの景色です。

 

 

 

硫黄台地の端から雷鳥ルンゼを下って赤岳南峰・2459mへと登り返して
ゆきます。雷鳥ルンゼは予想以上にガレており、怪しげな残置を頼りに
懸垂やバックステップで下降。その後もルート上で起きる落石にヒヤヒ
ヤしながら進んでゆきました。

 

 

 

気疲れと昨日からの行動による体の疲れをひきずりつつ南峰に到着(12:31)。
予報では昼から雨が降りそうなので寝転んで休息をとる相棒とこの場で停滞
するか否かを相談します。時間的に早すぎるので、もう少し頑張って赤岳前
衛峰群へと踏み込んでゆくことにしました。

 

 

 

 

この赤岳前衛峰群も古くて落っこちた支点ばかりが目立ちます💦
かろうじて残っていた使えそうな残置を使い、概ね湯俣側に巻い
て懸垂を繰りながら前進。

 

 

 

視界が良いので、できたら今日中に赤岳主峰の次のコルまで行きたいと
話していましたが、なかなか遠い…、岩の処理一つ一つに時間がかかり
集中力も途切れそう。次善策に切り替えてよさげな幕場になりそうなロ
ケーションを求めつつ岩峰を一つまた一つと越えてゆきます。

 

 

 

 

崩壊跡が生々しいP4と思われるピークから懸垂をして狭いコル(17:00)
の千丈沢側の斜面を覆う残雪に平地を切り出してテントを張りました。
夕食は二日目の夕飯としては豪華な豚肉の鍋です。北鎌尾根を月が照ら
す、そんな美しい二日目の夜でした。

 

 

 

22・4・24 Sun 

今日は抜けるぞ〜!と意気込んで出発(6:00)。岩がボロすぎて懸垂
できるか微妙だったので万全を期して赤岳を千丈沢側に大きく巻いて
ルンゼからコルに上がりました…💦

このコルが中山沢のコルかと思っていたけど地形図を見るとなんだか
違うような…、でもそこは中山沢のコルです。

 

 

 

 

とはいえ、僕の記憶の中の景色にある赤岳と同じ。赤岳を背に目の前に
聳えるピークへと登り返してゆきます。岩がボロいのは変わらずですが
赤岳前衛峰群に比べたら少しは歩きやすいようです。

 

 

 

岩峰が終わって残る西鎌尾根までのルートも意外に長いですが、硫黄尾根
が終わる…どこか安堵と寂しい気持ちを抱えつつようやく西鎌尾根のJPの
手前で休憩。ここでやっと電波が入るようになり、天気を確認すると翌日
の予報が素晴らしいらしい。

 

 

 

西鎌から槍ヶ岳へと進むつもりでしたが、西鎌の縦走路に立った所でガス
にまかれて小雨が降ってきました。とりあえず硫黄尾根を抜けたことだし、
早めではありますが今日の行動はここで終了(14:00)しようと思います。

三日目の夕食にしてはこれまた豪華な鶏肉たっぷりのスープスパです。食
いしん坊の僕達は毎日肉を食べてます。夕方になると晴れて先週登った笠
ヶ岳も見えてきました。明日を楽しみにして就寝 

 

 

 

22・4・26 Mon 

三時半に起床して五時に幕場を出発。予報通りの快晴の下、槍ヶ岳に
向かいます。景色はよいのですが意外と道程は長く、どうやら見た目
に思う程に槍ヶ岳は近くないようです。

 

 

 

最後は槍ヶ岳山荘の端を見上げながら小屋に到着(10:00)。

 

 

 

 

念のためロープだけ持って槍の穂先へ(10:22)。 遠目に硫黄尾根を
眺めながら今回の山行を振り返りました。

 

 

 

 

さて、帰りのバスがあるのであまりのんびりもできず、槍沢をせっせと下っ
て何とか最終バスに間に合いました。それにしても急いで歩くと上高地まで
も長く感じます。上高地からバスと電車とタクシーを乗り継いで七倉登山口
へと戻ったのは22時…もうフラフラです。本日はそのまま七倉で夜を過ごし
て、翌日に帰宅しました。

今回、硫黄尾根の核心は何ヶ所もあり気の張り詰めた時間が幾度と続きまし
たが、そんな日々を乗り越えられたのはⅠ垣さんのおかげでしょう。夕飯朝
食に顕れた創意と工夫に満ちた山飯のおかげで軽量しつつも相応の贅沢な食
事ができたことや、張り詰めた時間からきた心身の疲労を快復させてくれた
こと諸々に感謝です。

次の22年を経たとき、自分がどうなっているのかさえ分かりません。ただこ
の先も硫黄尾根が相変わらずそこに在りつづけることは、僕にとって少なか
らずの安らぎとなりそうです。


笠ヶ岳 2022

2022-04-19 | 山登り

22・4・16 Sat 

2016年に挑んだ笠ヶ岳からそれなりの年月を経て、今回ようやく笠ヶ岳
の山行を山岳会の仲間たちと実現することができました。
4:00に金沢を発ち、槍見の登山口からクリヤ谷を目指して出発(6:50)。

 

 

 

積雪のない登山道を辿って渡渉地点につきましたが、水量が多いので
靴を脱いで渡渉(8:00)しました。冷たくもあり、ぬるいような気も
する水温でしたが、渡渉後のしばらくは足が冷えました…💦

 

 

 

さて、前回の山行時とは異なって、今回はラッセルは無く雪も締まって
いるのでワカンを途中に置いてゆきます。クリヤ谷沿いからクリヤの頭
南側にでる稜線を目指して雪原を遡ってゆきます。
ついつい稜線に近い方、快適そうなラインへと向かってしまい、気が付
くと広サコ尾根を登っていることに気が付いて、ガックリです…。

 

 

 

 

そのまま広サコ尾根を詰め上がってクリヤの頭(13:45)へ。先程まで
視界が良かったのに、ここにきてガスにまかれて殆ど視界を塞がれて
しまいました。

 

 

 

クリヤの頭から一旦下って、本日の幕場である雷鳥岩のピークを目指し
ます。手前の小ピークの通過時にルートミスをしながら靄の中に浮かぶ
ピークに到着(15:05)。ガスの効果と相まっておどおどろしく感じる
景色の中を行動をしていただけに、十数年前に泊まった僕の記憶の中の
広い雪原の頂が、今こうして目の前に現れたことに安堵しました…、

 

 

 

テントを張って泊まる準備をしているうちに視界が開けてこの上ない
眺望がえられるまでに天候が快復して、先ほどの心境もガスと共に消
え去りました。

 

 

そんな素敵な夕照の光景を望みながら暫し過ごしてテントの中で
夕飯にかかります。食当のⅠ垣さんがポトフ風の鍋を作ってくれ
ました。〆は餅です。お腹も心も美味しさで満たされました。
夜も更けたような、そんな気分になったころに就寝。

 

 

 

22・4・17 Sun 

4:30に起床して、各自で朝食のラーメンを食べてから
幕場を出発(6:50)。

 

 

今日の天候は良い予報なのですが、なんだか今一つな天候の中を
笠ヶ岳山頂を目指して登ってゆきます。

 

 

 

尾根を登り詰めて主稜線上に立つと風が吹きつけてきました。とはいえ、
どこか春を思わせる、そんな柔らかさのある風です。快適な岩稜を辿って
ゆくと笠ヶ岳山頂に到着(8:40)しました。

 

 

ガスにまかれて眺望が得られなかった生憎の山頂でしたが、下山して
いる途中から晴れてきました…、なのであらためて笠ヶ岳山頂を背景
にして一枚

 

 

幕場まで戻り(10:34)何かをすることもなく、何とない時間が
過ぎてゆき、そして小一時間程で撤収が終わって下山です。

 

 

帰りはさすが速いです。谷はデブリも少なくて雪解けはまだまだ
これからのよう。あっという間に渡渉ポイントへ辿り着きました。
水量が減って靴を脱がずに渡渉をして登山口に到着(15:25)。

 

春山らしい山を満喫できた山行になりました。目の前の山行を
一つずつ積み重ね、無理なく迎えられた今回だったからですね。
M山岳会の皆さん、今回もありがとうございました

 


雄島の大湊神社にて

2022-04-14 | その他

22・4・14 Thu

先日、雄島に建つ大湊神社の鳥居越しに海を眺めると、そこに抽象化した
何かが顕現しているかのような光景に僕の心は踊りました。

その光景の正体は等深線にそってできた波のスープのようですが、ロマン
チックな解釈を採った方が僕の心は豊かになれそうです。そんな損得勘定
的な思考を経て、もう一度その光景を眺めながら悦にいりました


木ノ芽越え 2022

2022-04-12 | クロスバイク

22・4・12 Tue 

二年ぶりに木ノ芽峠にいってみました。自宅(9:00)を発って、
今庄宿を抜けて鹿蒜川に沿って二ッ屋の旧街道へ。スキー場の
急坂を登り終えた処で笠取峠(11:10)です。あとは水平な山道
を辿って場内を縦断すれば木ノ芽峠(11:26)に到着。

 

 

 

 

今回も峠から新保へと下る途中にある休み石(11:58)で休憩。
ここが官道の北陸道だった頃の風景を想像しながら、持参して
きたお弁当を食べました。

 

 

 

 

新保側へ下ってR476と合流(12:24)。あとは集落内を抜けて
旧北陸本線跡の道から帰りました(15:00)♪


夜叉ケ池から上谷山 2022

2022-04-08 | 山登り

22・4・8 Fri 


先週の笈ケ岳につづき今回もtaizoさん、wちゃん達と夜叉ケ池へ行っ
てみることにしました。
広野ダム(5:25)に車を止めて岩谷林道を歩いて周囲の山腹の残雪状況
を眺めながら夜叉が池の登山口(6:19)から登山道へ。しかし、水平に
延びる登山道の途中にはまだ多くの残雪があったので尾根ルートへ変更
して進んでゆきました。

 

 

 

 

夜叉ケ丸へと登る途中から池へとトラバースしてその様子を見に
行くことにします。それが今日の僕の楽しみの一つだったから。

 

 

 

 

へぇ、今の時期の夜叉ヶ池(8:50)はこんな感じになってるので
すね…、フムフム…、なんだかとてもキレイな解けた水の色や形…
長いマツ毛に薄目を開けている様に感じます。竜神さんは今、微
睡んでいるのかもしれません、そんなの見たことないけど…💦

 

 

 

 

さて、夜叉ケ池を見た僕はこれで満足したので、お次はtaizoさん達の
願いである三国岳山頂へと向かいます。
雲が次第に消えてなくなった後は、青空が広がるばかりです。そんな
空の下に延びている残雪に覆われた県境尾根を辿ってゆきます。

 

 

 

 

三国境の三国岳(10:03)に到着しました。こんなに天気が良い日に
ここに来られてよかったです。しばし、山頂でお茶でも飲みながら
休憩を♪

 

 

 

 

さて、山頂での休憩を満喫した僕達は三国岳山頂から臨む山容に心を
掴まれてしまった上谷山へと向かうことにしました。

 

 

 

 

遠くに見えた上谷山ですが、景色の良さ等で気持ちよく歩けました。
近づくにつれ少しづつ変化してゆく眺めは僕達の気持ちを高ぶらせる
のに十分な景色です。そんな上谷山へ到着(12:20)。今回も琵琶湖周
辺や日野山の眺めを満喫できました。

 

 

 

 

上谷山の登頂で満足した僕達は再び今歩いてきた県境尾根を戻って
途中のJ/Pから小広谷出合を過ぎた岩谷林道へ下ることにしました。

 

 

 

途中までは残雪を繋いで快適に下れたし、残雪が無くなってからも
藪漕ぎもない快適な尾根歩きで下ってゆくことができました。最後
に林道へ降り立つ末端の急斜面に群生していたイワウチワの光景に
僕の心が癒されました。あとはボチボチと林道を戻って広野ダムへ
と戻りました(15:03)。

標高の低い山域ながら、思いのほか残雪の春山歩きを皆で楽しむこ
とができました。また皆で何処か遊びに行ける日を待ちたいと思い
ます。今回もおつかれさまでした

 

 

今年も咲いていました、なんか嬉しい 😋