ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

一ノ俣谷コースから常念岳 ~1Q82~

2022-10-10 | 山登り

22・10・8 Sat 


今では山登りの月刊誌等に殆ど興味もない自分ですが1990年から2000年
くらいは毎号愉しみに過ごしていた頃もありました。そんな頃から更に
時代を遡った1982年の「山と渓谷7月号」の特集の中で紹介されていた
一ノ俣谷から常念岳の記事に僕の目は釘付けになりました。

 

 

 

 


ホテルニュージャパンの火災に始まってフォークランド紛争を引きずり
ながら過ぎた1982年から40年を経た今、ずっと気になっていた一ノ俣谷
コースを一泊二日の行程で辿ってみることにしました。すでに槍穂の稜
線に積雪をみる時期となってしまいましたが…

 

 

 

 

上高地(6:30)から徳沢(8:01)横尾(9:09)を経て一ノ俣谷出合(10:10)
へ。1982年当時はこの出合に一ノ俣小屋が建っていたらしい。しばらくは
登山靴のまま一ノ俣谷右岸を遡って適当な所で装備を整えてから入渓。

 

 

 

 

国土地理院の地図に記載されている一ノ俣谷沿いの破線と現在地とを見
比べながら当時の曖昧な痕跡を拾いながら進んで行きます。ホントにそ
れが曖昧な痕跡なのか、それともパレイドリアに陥っているだけなのか。
自分でもよくわからない…💦

 

 

 

 

左岸に渡って・1776の下流側から山肌を捲きあがって、二段の滝から始
まる連瀑帯を高捲いて付けられていた登山道跡を探しながら進みます。
藪や灌木が斜面を覆いかぶっている状況の中で当時の踏跡を探し当てな
がら進むのはなかなか骨が折れる作業です。

 

 

 

 

途中にある岩壁にはそれと分かる登山道があり、そこには苔むし色褪せ
てパサパサしたトラロープや針金や垂れた鎖が今も残っていました。こ
こだけ下ノ廊下っぽくていい感じです。

 

 

 

偶に見るナタメや部分的に確りした踏み跡を認めて安堵したり、少し先
へと進んでみると崖に阻まれて登山道が欠落している場面に出くわして
如何したものかと悩んで高捲いてみたり…、な感じで当時の登山道らし
きラインを思い描きながら進んでゆきます。

 

 

 

 

岩稜を越えると再び深く抉れたルンゼに阻まれて登山道が不明になりま
す。ルンゼの向こう側にはそれらしきラインを見いだすこともできます
が岩稜からルンゼの中へと下り立つには足場が悪くてなかなか怖かった
です…。

 

 

 

 

桟橋を越えて岩壁を回り込んでゆくと再び急でガレたルンゼとなり登山
道は消滅していました。ここもまた慎重にトラバースをして向こう側へ
と渡って再び灌木を掻き分けながら眼下に見える谷を目指してゆるやか
に下りながら進みます。
高捲きを終えて(14:10)降り立った場所は滝の落口です。ここは1982年
当時に朽ちかけた吊り橋が懸っていた所で両岸の片隅には吊り橋の残痕
であるワイヤーロープが埋もれていました。

 

 

 

 

さて、今日の核心部と思われる高捲きのラインを終えたあとは、右岸の
沢に沿って付けれれていた登山道を辿って遡ってゆきます。とはいって
も背の高いザックが藪や灌木に当たったり引っかかったりして煩わしく
気が滅入ります。
谷が左にカーブするあたりにある山田ノ滝(15:08)を眺めながら、遅々
として捗らない行程内容もあって疲労が出始めてきました…💦

 

 

 

 

 

常念の滝(16:15)まで来ましたが、本日の泊地に予定していた2200mの
出合まで辿り着けそうもないようです。疲労と日没時刻も気になるので
適地が見つかったらそこで泊まることにして先へと進みました。

本日の行動は2000m付近の小さな河原にて終了(16:45)。整地をしてテ
ントを張って夕飯を食べて就寝(20:00)…

 

 

22・10・9 Sun 

今日は6時前にテンバを出発する予定なので、3:40に起床して朝食を摂り、
日の出までの時間をCoffeeをのみながらお互いに渋顔で過ごしました…。
というのも、昨夜の夕食の時、現在地から上高地までの行程をコースタイ
ムに換算してみると、どうも上高地発の最終バスの発車時刻に間に合わな
いという憂い事が浮かびあがったのでした。それが現実なら今日はそれな
りにガンバって歩かないといけないなと朝から思いあぐねていたから。

 

 

 

テンバ(5:50)を発って2200mの出合(7:16)に到着。ここから小屋に
繋がる支流へと入れば薄い踏み跡があるので一安心です。本流の踏み跡
と比べれたら歩くのもずい分と楽に感じます。

 

 

 

支流の途中にある小屋の水源タンク(7:44)から先は小径が通っている
ので適当な場所で登山靴に履き替えて常念乗越(8:37)へと登り詰めて
ゆきました。

 

 

 

 

登山道の通う常念乗越に着くと安曇野方面に雲海が広がっていました。
ここからは常念岳を越えて蝶槍へと登り返して、途中から降りだした雨
の中を傘をさしながらせっせと横尾へ下り続けて、ようやく上高地に到
着(16:30)。バスに間に合いホッとひと心地ついて、あとはのんびりと
帰宅しました。

今回は僕の中で気になっていた旧一ノ俣谷コースをこうして無事に辿る
ことができてよかったです。Ⅰ垣さんお疲れさまでした 
※1982年
 BERTIE HIGGINS のヒット曲


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