ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

コブ尾根 2023

2023-05-05 | 山登り

23・5・3 Wed 

あれは2006年頃ではないかと思います。岳沢小屋が甚大な雪崩被害によ
り営業を断念していた年にコブ尾根を末端から踏破しようと取り付いて
2700m付近で敢えなく敗退したのは。それから長い月日が経った今回、
カゴちゃんと再チャレンジすることにしました。上高地(6:15)を発っ
て岳沢小屋(8:06)へ。

 

 

 

 

岳沢小屋での小休止後、アイゼンを履いてコブ沢へ。1パーティが先行し
ているようです。コブ沢上部は雪壁のような急な傾斜と硬い雪質で緊張感
が続き足を休める所もなくて脹脛がツライ…、堪らず沢筋の雪斜面から支
尾根へと脱してそのまま主尾根へと合流。その先のマイナーピークで懸垂
の支度をしている先行パーティに追いつきました。継いでに懸垂(10m)
しますかと訊かれたので、ありがたくその厚意に甘えさせていただきまし
た。

 

 

 

 

懸垂で降り立った地点で僕達が先行する形になったのでそのまま岩尾根基
部の雪斜面をトラバース気味に登ってゆくとコブの頭の基部に辿り着きま
した(10:50)。最初は簡単に登れますがだんだんと岩稜が立ってきた辺り
からロープを出しました。

 

 

 

1P目カゴちゃん×35m、2P目僕×30mで岩場を抜けて、コブの頭からの懸垂
ポイントから15mの懸垂で雪稜へ降り立ちます(11:50)。

 

雪稜を辿り尾根の頭へ向かって登っているときに後ろを振り返ると先ほど
のパーティがコブの頭からの懸垂の準備をしていました。

 

 

 

 

あとは簡単な岩場を交えながら雪壁のような尾根筋を辿ってゆくのですが、
そこはそれなりに高度感があるのでステップを刻むのにも慎重になります。
岩場や這松に辿り着くたびに疲れた体と脚を休め、息を整え、前進の繰り
返しの僕…。

 

 

 

途中でもう1Pが先行していることに気が付き、その距離は随分と縮まっ
てきました。おかげで雪壁でのトレースが使えて僕は大いに助かったの
ですが。

 

 

 

 

意外にもコブ尾根の頭の直下で先頭パーティに追いついてしまった僕達
はそこで先行を促されましたが、ここにきてそれをするのは余りに気が
引ける心境なので差し控えさせ頂きました…。
コブ尾根の頭(13:20)で泊るには時間に余裕があるのでジャンダルムを
経由して奥穂へと向かうことにしました。先頭のパーティは天狗のコル
へと下って行きます。

 

 

 

 

ジャンを懸垂した後に現れるロバの耳の下降が一番怖かった…、それを
越えたあとは痩せた雪稜や馬の背を辿って奥穂高岳山頂(15:10)へ。
カゴちゃんと一緒に此処にきたのはかれこれ17年ぶりになるのかな…、
コブ尾根の敗退後、奥明神沢から前穂奥穂と抜けて涸沢で遊んだのは。

 

 

 

 

穂高岳山荘(15:40)へと降り立って、早速テントを設営してノンビリと
しながら過ごすことにしました。
テント場の使用は一人2000円とかなり高額なのであまり利用しようとは
思わないけど、水が貰えてコンクリ上に張れてロケーションが良くて心
地よいトイレがあるなら、ついでにGWだしそれもよいでしょう。乾いた
コンクリの上ではテントの設営諸々がとても快適です。

 

 

 

 

おツマミやCoffeeで小腹を満たしながらラジオを聴いてゴロゴロと過ごし
ているうちに夕飯のじこくになりました(18:00)。夕飯はカゴちゃんが作
ってくれた豚肉+マロニー鍋です。夕食後、再び寛ぎながら過ごして就寝
(21:00)しました。

 

 

 

 

23・5・4 Thu 

翌日は五時に起きて朝食を摂った後、カゴちゃんが涸沢岳を往復してい
る間、僕はテントの中でゴロゴロと寝転んで過ごしました。カゴちゃん
が戻ってきたので撤収して下山(7:00)に懸ります。

 

 

 

 

ザイテングラートを下って涸沢(7:35)へ。なんだかゴールデンな景色です。

 

 

 

 

そんなゴールデンな徳沢(10:10)のテントの多い景色に驚いて、だんだん
と行き交う人が増してゆくGWの上高地(11:26)へと戻りました。
今回は僕の苦手な車の運転やテントやロープ等を担ってくれてとても助か
りました。敗退したままになっていたコブ尾根のリベンジをこうして君と
果たすことができてよかったです。ありがとうございました。