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the days turn into months and years

引分け

2004-10-17 | reds
サッカーというのはなかなか得点が入らないスポーツです。それだけにゴールの瞬間の爆発的な歓喜は、もう何とも言えないものがあります。中盤の攻防が云々、組織的守備が云々、といった通好みの理屈もあるのでしょうが、せっかくチケットを買って遥々スタジアムまでやって来たのに1点も入らない、なんて試合はやはり楽しさが半減というのが正直なところです。まあ、相手チームのゴールは見たくないですけどね。

開幕当初からJリーグでは延長Vゴールという方式で試合が行われていました。「そこまでして決着を付けなくてもいいだろう」と思っていたら、ようやくJリーグでも「引分け」が導入されました。リーグ戦で何試合も延長戦を戦うというのは、選手とってかなりの負担になることくらいは誰にでも分かるでしょう。おそらく先に書いたとおり「せっかく見に来たのだから」という観客の気持ちを考えてのことだったのだろうと思いますが。

しかし「引分け」の試合がどれも面白くないのかといえば、それは間違いです。「引分け」によって得られる勝点1がリーグ戦でどれほどの重みをもっているかは、みなさんもうご存知でしょう。昨シーズン川崎フロンターレは勝点1差でJ1昇格を逃しました。1年間44試合を戦ってたったの1点差です。「もし負けた試合の1試合でも引分けに持ち込んでいたら」そう考えるとますます「引分け」の大切さと面白さがわかります。

作シーズンの浦和レッズ最終戦は鹿島アントラーズとの因縁対決でした。鹿島が勝てばセカンドステージ優勝が決まるという状況でしたが、なんと浦和が後半ロスタイムに同点に追いついて鹿島の優勝を阻止したのでした。右サイドに張っていた永井がワンタッチで大岩をかわした瞬間、エメルソンがダイビングヘッドでゴールを決めた瞬間の埼玉スタジアムの歓声はすさまじいものでした。「引分け」の試合だってこんなに盛上るのです。

「1試合の観戦」から「リーグ戦全体」へと視点を移した時に、「引分け」を巡るその意味の重要性が大きく変貌します。来シーズンからJ1も1シーズン制となります。今まで以上に「引分け」を楽しむ機会が増えることでしょう。ここ日本でもようやくリーグ戦を楽しむ習慣が定着してきたと言えるのではないでしょうか。

先日行なわれた浦和レッズvs横浜Fマリノスの「スコアレスドロー」が一体どんな意味を持っているのか?その答えはリーグ戦が終わった時に始めてわかるのです。
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