アルゼンチンの首都ブエノサイレス出身世界的ピアニスト、ブルーノ=レオナルド・ゲルバーの懐かしい「EMI」デビュー盤LP(写真/国内初出盤ー東芝音楽工業AA8175)ブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15」に久しぶりに針をおろした。今聴いてもスケールが大きいブラームスである。この録音は確か1966年だったと思うが当時25歳の若きゲルバーの才能がフルに発揮されたダイナミックで洗練された演奏と言っていいだろう。バックのフランツ=パウル・デッカー指揮ミュンヘン・フィルとの息も見事の一言につきる。
彼はこの録音の7年後(1973年)には「第2番」をルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィルと行っておりこちらも以前に紹介済みだが名盤に輝いている。しかし彼はその後現在に至るまでこれら二つの協奏曲の再録音はしていないのでいずれも唯一の録音ということになる。現在はこの「第1番」の国内盤は姿を消しているのがちょっと残念な気がする。近い将来の復活を望みたいところである。ところでゲルバーは現在も度々来日公演を行っている(今年も来日予定)がとりわけ筆者は1970年来日公演(東京文化会館)での「ベートーヴェン・プログラム」が一番印象に残っている。
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