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「ハイティンク/ショスタコーヴィチ交響曲全集」から第4番ハ短調作品43

2009-11-05 03:11:16 | 交響曲
 ベルナルト・ハイティンク(Bernard Haitink/1929~ )が1977年から84年の足掛け7年に渡りロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の2つオーケストラにより完結した「ショスタコーヴィチ交響曲全集」は1987年初リリース当時、西側で制作された初の全集盤という位置づけにとどまらずその演奏水準の高さにおいても大変注目を浴びた。
 その全集盤から今日は作曲完成当時問題作となった第4番ハ短調作品43を取り上げてみたい。この作品はショスタコーヴィチ30歳、1936年に完成され同年の「革命記念日」初演を目標に演奏計画が進められていたが「ソヴィエト共産党」からの批判を恐れ演奏を中止、その後25年に渡り封印された曰く付きの交響曲であった。結局初演は1961年暮れのキリル・コンドラシン指揮によるモスクワ・フィルの演奏まで待たねばならなかった。
 この第4番はショスタコーヴィチの交響曲全15曲の中でも管弦楽編成も最大規模を持つ。作品は3楽章構成をとり(他に3楽章構成をとるのは第6番のみ)両端楽章は長大な規模を持ち全曲演奏時間はハイティンクの演奏で65分を超える大作である。また「カッコウ」の動機などもみられマーラー的傾向がうかがえる作品と言われている。さらに全3楽章が弱音で終わることも印象的である。
 ハイティンク/ロンドン・フィルの演奏は実にじっくりと鮮明に各楽器のバランスを考えその辺りをうまく表現している。録音は1979年で第10番(1977年)についで録音されているが私個人的にはこの全集盤の中でも特筆すべき名演ではないかと思っている。



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1 コメント

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Unknown (atman)
2009-11-06 23:59:25
先生こんにちは。
私はこの曲の日本初演に行きました(芥川也寸志指揮新交響楽団、1986年)。私の記憶では当時はコンドラシンとこの盤しか国内盤は出ておらず、プレヴィンのEMI輸入盤をオーダーしたものの、半年たっても入荷せず、結局諦めた思い出があります。それがいまやあまたの名演奏があふれるメジャー曲に…
ところで先生はハイティンク=シカゴ響のCD(2007or08録音)はお聴きになられましたか?
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