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今日はロシアの巨匠ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーが当時のソビエトの若手優秀なプレヤーたちを中心に選考し創設された(1982年)「ソビエト国立文化省交響楽団」と録音したユニークな「ブルックナー交響曲全集CD」(写真)を紹介してみたい。この全集プロジェクトはそもそもブルックナー交響曲の複数存在する異稿を全て録音することだったらしい。1983年の交響曲0番ニ短調、所謂、習作的作品と言われた番号なしのヘ短調交響曲から録音が開始され1988年のまで続けられた。この中には現在では他に録音が見当たらない第4番「ロマンティック」の1878年版の「フィナーレ」やマーラーによる改訂版をパート譜から復元して録音している。しかし残念なことに第8番ハ短調の初稿1877年版は録音されなかった。因みにこの録音ではハース版1890年の第2稿を使用した録音である。
いずれにしても同一指揮者・同一オーケストラによるブルックナー交響曲の異種版が一度に聴けるレコード、CDは他にはない。しかもロシアの指揮者でブルックナー交響曲全集を録音した人は未だに彼を除いて存在しない。まさに彼はロシア指揮者界の鬼才である。
またありがたいことにこのCD全集(全集と言っても日本では各2CDセットでBMGから当時分売りされた)はINDEXがついているため各楽章の提示部・各主題部・展開部等聴きたい箇所がすぐ引き出せるところも便利である。
余談ながらこのオケーストラは現在では「ロシア国立シンフォニック・カペレ」と改称され首席指揮者はヴァレリー・ポリャンスキーが務めているようである。
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