ルドルフ・ケンペがベルリン・フィルと1955年に録音したブラームス「ドイツ・レクイエム」は陰に隠れた名盤である。当時ケンペはバリトンに若きディートリヒ・フィッシャー=ディースカウを起用し並行してマーラーの歌曲「「なき子をしのぶ歌」を録音、これらは彼のベルリン・フィル録音の第1弾だった。 因みにその後ベルリン・フィルとのレコーディングは1960年まで続いた。
写真のCDは1993年に「EMI・REFERENCES」シリーズとして再リリースされたものである。モノラル録音で時代を感じさせる音質だが演奏の質は高い。バリトンのディースカウも然ることながらソプラノのエリザベート・グリュンマーの清楚な声にうっとりさせられる。また歴史ある「聖ヘドヴィヒ大聖堂合唱団」(ベルリン)の見事なアンサンブルにも注目したい1枚である。
写真ーEMI CLASSICS CDH 7647052 (1955年6月、イエス・キリスト教会、ベルリン モノラル録音)