新しい学力テストを読み解く―PISA/TIMSS/全国学力・学習状況調査/教育課程実施状況調査の分析とその課題田中 耕治日本標準このアイテムの詳細を見る |
☆PISA・TIMSS・全国学力テストなどここ数年話題になっている生徒の学力を測定するテストの実態概略がわかる本。
☆おもしろいのは、教科ごとには、習熟度レベルという思考のレベルの説明に関して無視されているが、PISAの問題解決能力では取り上げられている点だ。
☆問題解決能力は学習指導要領が直接関与するところではないから、この思考のレベルについて脇が甘いのだろう。チラッと世界標準のモノサシが見えてしまっている。
☆しかし、PISAと全国学力テストの大きな差異は、前者が思考のレベルを包括的に構築しているのに、日本のテストは思考のレベルをある段階までしかカバーしていない。つまり批判的思考と創造的思考は無視している。
☆まままさか・・・。と、思うだろうが、それは学習指導要領では取り扱われない。つまり国語とか算数とかいう教科の枠内では扱わないということ。アリバイ作り的にはあるが、そんなもので包括的な思考力は養われない。
☆一般的にはその重要性は問われるが、子どもの学習時間の半分以上を占めている学校での教育では、思考のレベルが制限されている。というよりも世界標準でないという重要な点が、本書でも隠ぺいされている。
☆そりゃあ総合学習が一般的には忌み嫌われるわけだ。とにかく、これでは世界と対等にコミュニケーションがとれないなぁ。