教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

武道必修化と建築費

2008-08-24 09:29:30 | 文化・芸術
☆<武道必修化>中学校に道場新設へ 来年度予算要求60億円(8月23日15時1分配信 毎日新聞)によると、

文部科学省は、中学校の新しい学習指導要領(12年度完全実施)で武道を必修化するのに伴い、09年度予算の概算要求に全国の中学の武道場整備費50億円を盛り込む方針を固めた。専用の武道場がある学校は半数程度しかなく、09年度は200校程度で施設整備を図り、その後も計画的に校数を増やす。関連で地域で指定校を定め、指導者を招くなどの事業に10億円を計上する方針だ。・・・・・・武道は、柔道、剣道、相撲から選択するが、地域や学校の実情に応じ、なぎなたや弓道なども認められる。

☆武道そのものは、「道」を究めるという意味で重要だ。茶道や華道も書道も、そういう意味では相通じる。

☆「道」は、ハワード・ガードナー教授も言う、「熟練」「統合」「創造」「尊重」「倫理」という5つのマインド(5M)の実現のプロセスであるからだ。

☆しかし、この5Mのうち、「倫理」が崩れると、内田樹氏の言うように、武道は「殺傷技術」に変容する

☆こうならないようにチェックするシステムがどこにあるのだろうか?現文科相は「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」を盛り込んだ改正教育基本法は、軍隊的精神に基づいた愛国心を育もうなんて思っていないと言っている。

☆実によろしい覚悟だ。だが、この覚悟を見える化して形式知として法律に盛り込まなければ、暗黙知に過ぎない。この暗黙知が習慣法になってほしいのだが、今のところ国と郷土を愛するとか伝統文化を尊重するとかという慣習法的文脈は、軍国主義が最も強いのが、日本の現状ではないだろうか。

☆いくらそうではないと言っても、言語の文脈上、そうなんだなぁ。実に困った困った・・・。

☆学習指導要領の改訂は、武道問題だけではなく、教員の免許更新問題、それから私立学校の≪官学の系譜≫回収問題が横たわっている。いきなり改正教育基本法という新しい伝家の宝刀の試し切りをしているのだろうか。

☆それとも不動産不況を脱却するための突破口を開けようという土建国家復権の動きなのだろうか。

☆教育と経済の問題や教育の市場化を不問に付し続けてきた公立学校=≪官学の系譜≫の背景には、教育と経済の政治的つながりがあるのだろうか?合法的拠出金などということにならなければよいが・・・。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。