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北海道稚内で日本最大級の風力発電所建設、国内に風力適地はまだある - 地熱発電より開発速度は遥かに上

2016-07-28 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
福島での風力発電の大規模開発計画に続き、
北海道でも日本最大級の風力発電所の建設が決まった。

カネが欲しい原子力利権勢力は喧しく電力不足と喚いてきたが、
当ウェブログはその虚妄と有権者を欺く薄汚い動機を暴き、
一貫して「東日本は電力不足になどなる筈がない」と主張してきた。

どちらが正しかったか、どうやら事実が立証しつつあるようだ。
東日本ではまだ強風で知られる北東北での潜在風力が未開発のまま眠っている。
西日本では淡路島などの潜在風力資源が出番を待っている。

最近では、矢張り予想通り地熱発電の開発遅滞も明白になっており、
当ウェブログがそのコスト優位性を取り上げている
地中熱とコージェネの優秀さとポテンシャルが益々はっきりしてきた。

風力発電・コージェネ・地中熱が日本経済の癌細胞である原子力を撃滅し、
投資が増えるだけでなくエネルギーコストも低下し燃料輸入が激減する。
自家消費の太陽光発電のコスト低下で震災対策も強化される。
原子力利権勢力にとっては自業自得だが、日本経済には微かな希望が見える。

各地の自治体も一刻も早く目覚めるべきである。
投資を抑圧し地域経済の独自技術を育てない原子力を排し、
エネルギーシフトで中長期的に経済を支える政策に転換しなければならない。

▽ 原子力利権勢力は、カネ儲けの障害になる風力発電を口汚く罵って妨害してきた

『総力取材! エネルギーを選ぶ時代は来るのか』(NHK出版)


当ウェブログが厳しく批判してきた利権勢力は、現実の前に後退を余儀なくされつつある。

「日本では世耕弘成・官房副長官への原子力マネーの「上納」が発覚して
 衆目の一致する通り自民党の金権体質と利権癒着が益々明白になっており、
 安倍政権も日本財界もエネルギー政策の後進性を国際社会に証明することになった」

「個人献金を装って国民の目を欺く原子力業界の事実上の「買収」行為は、
 電力大手役員の横並び献金と同質の醜い「お家芸」である」

「電力の「ベストミックス」などという欺瞞的な文言をまた持ち出したのは、
 「利権癒着政党と業界にとってのベストミックス」で国民を騙し儲けるためだ。
 再稼働で誰にカネが流れるかを調べれば明白である」

「せこい小細工と情報操作に長けた彼らによる、国民を欺く「戦略」は
 再生可能エネルギーを普及させるなら同等には原子力シェアを維持し、
 たっぷりと原子力利権勢力が稼げるような態勢に持っていきたい、というものだ」

「国民を欺くには「再生可能エネは高価」「不安定」と洗脳し、
 馬鹿で騙されやすい連中から操って切り崩してゆく意図であろう」

「「国土強靭化」と称するバラ撒きの一部でも使えば送電網整備と風力開発が飛躍的に進む。
 発電部門でのエネルギー効率が悪い日本では省エネの拡大余地が膨大にあり、
 太陽光発電は自家消費を優先して他を大幅に引き下げれば済む話であるが
 利権勢力やその第五列どもがそのような「正論」を語る訳がない。
 (そんなことをしたら自分達にカネが入ってこなくなる)」

「日本では原発の近くの強風地帯で容易に送電網に接続できる場所が複数あり、
 5~10%の程度のシェアであれば電力供給が不安定になどなる筈がない」

「原子力が市場で淘汰されつつあるアメリカでは、
 風力発電強化という合理的な政策に踏み出しつつある」

「稼働率とコスト面を考慮するなら、投機的な原子力を徹底排除し、
 沿岸・陸上風力と効率の良いコージェネを普及させるのが理の当然である」

「風力大国スペインと同じ緯度で偏西風に恵まれたこの国で
 風力が普及していないのは、原子力利権勢力の稼ぎが減るため
 国益を無視してカネを狙う連中が全力で妨害してきたからだ」

「原子力利権勢力の言う「送電線の容量に限度が」という次元の低い言い訳も、
 鉄道会社の場合は全く通用しない。人口集中値に鉄道網があるのだから、
 潜在的発電能力は高く送電ロスは低く、需要地も近い。
 (寧ろ、大都市圏から遠い原発の方が垂れ流すエネルギーロスが多い無駄の塊だ)」

「我が国の風力発電は、スペインと同じ偏西風に恵まれた地域特性にも関わらず、
 そして既に風の強い原発立地に立派な送電線が設置されているにも関わらず、
 エネルギー政策の「次元の低い」、しかも利権癒着政権がのさばっているために
 産業規模や発電量の伸びは遅々として進んでいない」

「産経報道では日本の大型風力発電設備が再び増加傾向にあるようだ。
 今まで散々FITに反対してきた立場上、FITが風力増の要因のひとつであると
 明言しないのは実に産経らしいところではある。
 (猶、増加まで時間がかかったのは環境アセスメントの影響)」

「当ウェブログが前々から指摘していた通り、
 日本における風力発電の拡大には送電網増強のコストを考慮し、
 消費地に近く初期コストの低い場所を選ぶべきだったのである。
 (具体的には東北や淡路島、敦賀半島、御前崎、玄界灘等である)」

「当然、洋上風力も浮体ではなく着床式で都市部に近い場所を優先しなければならない。
 環境省は送電網増強コストを試算し、ゾーニングを行うべきである」

「それでこそ健全で合理的な再生可能エネルギーの拡大が可能になり、
 日本経済が内需で成長できるようになるのだ。
 風力のシェアは最低でも電力供給全体の5%には達するポテンシャルがある」

「利権勢力が風力発電を妨害し中傷する理由は、
 高コストな太陽光と違って原子力の真の脅威となるからだ。
 (「劣等生」原子力のような突然の事故や稼働率急低下といった投機性は、風力にはない)」

「一部利権勢力とエネルギー多消費企業だけが儲かる原子力と違い、
 風力と省エネ(コージェネ等)は日本経済そのものを大きく成長させる」

「それなのに現実を認めない原子力擁護派は古臭い認識を改めず、
 風力は安定しないだの稼働率が低いだの「敗者の言い訳」を重ねている。
 利権勢力の安定収益に貢献するだけの悲しい言説でしかない」

「彼らは円安が進んでいた時期は「原発停止で国富流出」などと
 ふざけた主張をしていたが、輸入燃料費と日本のGDP成長率はもはや無関係だ。
 それが原油安で明白になってきて、次の口実を探すのに必死だ。
 何をやっても嘘の上塗りにしかならない惨めな連中である」

「経済効果や投資促進効果において、原子力は明白な「劣等生」だ。
 嘘だと思うなら日本の原発の総発電量の推移とGDP成長率を比較するがいい。
 寧ろ逆相関と言っても過言ではないのが事実である」

「真に日本経済に貢献する風力発電や省エネに力を入れない限り、
 一部利権勢力にカネをバラ撒くエネルギー政策を続ける限り、
 現下の低成長と投資抑制は変わらない」

「彼ら利権擁護者の主張は徹頭徹尾間違っている。
 原子力代替の主力はガス・コージェネレーションであり、
 最近素晴らしい進歩を遂げている地中熱のような省エネ技術である」

「それに風力発電と、夏期日中のスーパーサブである太陽光発電が加わり、
 あと10年以内にEV・PHVやその中古蓄電池の活用が確実に進むので、
 原子力は自動的に不要になる。原発立地自治体は確実に人口流出するので
 老朽原発だけが残されて若者がいないゴーストタウンになるだろう」

献金やパー券といったカネの力でも、厳然たる現実は変えられないのだ。

▽ 風力発電は真の「純国産資源」で原子力のような投機性がなく、地域経済への波及効果は大きい

『風力発電が世界を救う』(牛山泉,日本経済新聞出版社)


原子力利権勢力の見え透いた嘘とプロパガンダなど、
世界のエネルギー事情を見ればたちどころに打破できる。

「IRENA(国際再生可能エネルギー機関)によれば、
 2015年の再生可能エネルギーの設備容量は世界で8%超の成長、
 風力だけで17%、太陽光は26%もの増加だった」

「あくまでも設備容量なので発電量はこの10分の1程度であろうが、
 計画ばかりで一向に進まない原発より優れているのは明白である」

「勿論、風力と太陽光発電のコストも着々と低下していて、
 安全コストが重くなる一方の「劣等生」原子力とは大違いである」

「コストに気を遣って制度設計し、賢く普及を図れば、
 これほど強力な成長分野はなかなかない。
 コスト競争力の高い省エネと併用して原発利権を撃滅し、
 経済を力強く成長させるまたとない切り札である」

「こうした明々白々な数字を見れば、IRENAの設立時に
 経産省が後ろ向きだった理由がよく分かるというものだ」

「日本のエネルギー政策が何年もガラパゴス化しており、
 利権擁護の保守退嬰型であることが誰の目にも明らかになるからだ」

「折しも原発事故で甚大な打撃を受けた福島で、
 風力発電の新設計画が進んでいる。
 投機的な原子力と違い、安全で経済効果の高いエネルギーが
 中長期的に福島の復興に貢献するであろう」

「風力発電が有望な地域は福島以外にも数多い。
 北海道、北東北、遠州灘、敦賀、淡路、佐多岬、玄界灘。
 地域経済ばかりでなく日本経済の成長とエネルギー安全保障のために、
 風力発電を拡大させなければならない」

と当ウェブログが指摘してきた通りになろう。

 ↓ 参考

世界の再生可能エネの成長が過去最高、風力タービンの価格大幅低下 - 日本でも東京ガスが風力発電に参入
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a2db7f0f30e7ea7ea81d26c2aff09c43

日本の風力発電能力は今の約3倍、原発10基分に急成長する - 原子力擁護派は旧套墨守の言い訳ばかり
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/6935d93b30d1c04dce1a1b3bda6cc6fa

米政府が全電源の35%に風力を拡大させる計画、IBMやGEも協力 - 安倍政権と財界は「周回遅れ」に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8d4aace5e6a01b83d535811d8ee5f88a

世界の風力発電は2030年迄に5倍増か、IEAの保守的な見通しでも3倍増 -「コストが下落している」
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/b861851c2b4460d0c70dfe318c82024a‎

▽ 日本よりも成長率の高い欧州国では、風力発電とコージェネが普及している

『欧州のエネルギーシフト』(脇坂紀行,岩波書店)


天北エナジー、9月着工 稚内市に風力発電所 総事業費100億円(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO04902520V10C16A7L41000/
”風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングス(東京・港)が出資する特定目的会社、天北エナジー(稚内市)は稚内市内で総出力3万キロワットの風力発電所を9月に着工する。総事業費は約100億円。2018年2月の稼働予定で、発電した全量を北海道電力に売電する。同市での風力発電は総出力が10万キロワットに達し、市は道内トップの集積地として地域活性化を目指すが、今後は送電網の整備が課題となる。
 新設する「天北ウインドファーム」は市中心街から南東の恵北・増幌地区に10基の風車を縦列に配置する。出力は各3千キロワットで、合計3万キロワットは一般家庭で約1万9千世帯分の電力供給に相当。温暖化ガスの二酸化炭素(CO2)排出量を年間で約5万2千トン削減できる効果があるという。
 風力発電機は米ゼネラル・エレクトリック(GE)製を導入する。風車は国内の地上風力発電では規模が最大級。
〔中略〕
 設計・施工は大林組の札幌支店が担当する。資材を運ぶ道路整備などは今春から始めており、9月から立地点の基礎工事や送電線の敷設に取り掛かる。北電の変電所に系統連系し、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき、1キロワット時当たり22円(税別)で20年間売電する。
 稚内市によると、年間の平均風速は地上20メートルの高さで秒速7メートル。市内では現在5つの風力発電施設が稼働中で、計74基の合計出力は約7万6千キロワット。6番目の天北が加われば10万キロワットを超す。15日に開かれた安全祈願祭に駆け付けた工藤広市長は「風力発電の聖地としてこの地の発展につながる」と期待を示した。
 発電所設置の契機を作ったのが、ユーラスとともに天北エナジーに出資する稚内グリーンファクトリー(稚内市)。けい藻土販売や農業コントラクターを営み、12年に北電から系統連系の権利を取得した。渡辺義範社長は祈願祭で「風を測る風況ポールを独自に設置したのは16年前。強い風を利用した再生エネルギーで地域おこしができないかと模索してきた。感無量だ」と語った。”

大変良い話であり、確実に地域経済が潤されるであろう。
風力はメンテナンス需要があり中長期的な雇用にも繋がる。

但し、稚内は強風地帯であるものの需要地から遠い。
北海道のエネルギーの主力はコージェネである。
札幌や函館それ自体に巨大な熱需要があるから、原発など要る訳がない。


地熱発電:国が来年度から調査支援 開発リスク低減(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20160720/k00/00m/020/192000c.html
”経済産業省は地熱発電所の拡大に向け、立地地点絞り込みの調査を支援する。火山が多い日本は、地熱発電の地下資源量で世界3位だが、掘削調査に時間がかかる上、調査しても熱源を発見できないリスクがあることなどから、開発が停滞している。
〔中略〕
 地熱発電は一度開発されれば燃料が不要で、安定した電力供給源となる。政府は2030年度までに地熱発電量を3倍にする目標を掲げる。ただ、採算性の高い熱源を発見するには、約5年の掘削調査が必要。発見できなければ、投資が無駄になるリスクがあり、開発業者が二の足を踏むケースが多い。
 そこで経産省は、政府出資の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が立地有望な地点を深さ約500メートルまで掘削し、地下の温度データを収集して高温域を絞り込む事業に乗り出す方針を固めた。初期段階の調査を一定程度国が負担し、成果を民間事業者に利用してもらうことで、事業のリスクやコストを低減する狙いだ。来年度予算の概算要求に盛り込む。
 政府はこれまでも多様な地熱発電の開発促進策を実施しているが、効果が上がっていない。12年には固定価格買い取り制度導入のほか、国内の建設適地の大半が分布する国立・国定公園内での環境規制を緩和。JOGMECを通じ、開発業者向けに地質調査や試掘費用の助成や債務保証も行っている。だが、小規模の計画は増えたものの、出力7000キロワット以上の大型計画は停滞し、具体化したのは昨年着工した秋田県湯沢市の計画など3件で、合計出力は約6万キロワットに過ぎない。政府は昨年策定した電源構成目標で、地熱発電を現在の52万キロワットから約3倍に増加させる方針だが、達成にはほど遠い。
 開発のハードルは技術的な問題だけではない。地熱発電は都道府県の許可が必要だが、温泉源への影響を危惧する周辺の温泉業者から理解を得にくいのが実情だ

〔中略〕
 このため政府は今年6月、専門家23人で構成する「地熱資源開発アドバイザリー委員会」をJOGMEC内に設置し、自治体の求めに応じてデータ分析や情報提供を行うサービスを開始。8月には、地熱発電に関するデータやノウハウを、自治体同士で共有するネットワークも整備する。専門家からは「一歩前進だが、温泉業者の抵抗感は根強く、大きな変化までは期待できない」との声も出ており、利害関係者の調整を進めるためのもう一工夫が問われそうだ。【宮川裕章】
◇キーワード・地熱発電
 地下1500〜3000メートルの地熱貯留層にある高温の蒸気や熱水を利用し、タービンを回して発電する。少ない運転費用で安定供給でき、発電時の二酸化炭素(CO2)排出量がほぼゼロという利点がある。掘削調査期間が長く、初期投資が高いのが難点。また地熱資源の8割が環境規制の厳しい国立・国定公園内に集中している。日本では1970年代の石油危機で一時、開発機運が高まったが、原発重視政策もあって下火に。2011年3月の福島第1原発事故以降、環境規制の緩和など開発支援に力を入れ始めた。政府は総発電電力量に占める地熱発電の割合を、30年度までに現在の約0.3%から1〜1.1%に増やす目標を立てている。”

福島原発の後に、エネルギーに無知な論者が賞揚した地熱発電であるが
案の定、大して期待できないことが判明しつつある。
(最初から分かり切っていたことなのだが)

地熱発電に関しては、鹿児島や東北のように温泉業者との軋轢が比較的少ない地域は良かろうが、
成長性では風力発電に大きく劣り、開発のリードタイムや需要地への近さにおいては
コージェネや地中熱に遥かに劣る。促進策もよくよく検討して行うべきだろう。
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