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『週刊東洋経済』5月31日号 - 高校無償化は私学を潤すだけ、教育の質は改善しない逆進的な愚策

2025-05-29 | 『週刊 東洋経済』より
今週の東洋経済特集は小ネタ特集は、表紙で分かるように
楽々就職で弛緩した若年層に撹乱させられる職場の悲哀を窺わせる。

リーマンショックの頃には日本の企業人の中には
韓国人の方がやる気があるなどと思い上がった勘違い発言を
ほざく輩が少なからずいたことを思い出す。
(当時は韓国の一人当たりGDPは日本よりかなり低かった)
そういう意味では自業自得の側面もあろうが。。
アベノミクス以降、低迷を続けている日本の全要素生産性は
人材の質の劣化により延々と低空飛行が続くと確信させられる特集内容だった。


エントリーのサブタイトルは9頁、オックスフォードの名誉教授となられた
苅谷剛彦氏の寄稿より。著書は何冊も拝読したが今回も流石の内容である。

いわゆる所得制限なしの高校無償化の内容をみると酷いもので
教育に名を借りた人気取りのバラ撒き以外の何ものでもない。
しかも私学に子を通わせる豊かな世帯にも45万7000円の補助、
公立との差額は33万8200円にも及んでおり世紀の愚策である。
これだけの逆進性を社会で受け入れる理由はどこにあるのか
と苅谷氏は厳しく批判しているが当然であろう。

先行して高校無償化を導入した大阪で出生率が改善する兆しは全くない。
地位低下が指摘されて久しい大阪経済が再浮上する兆しも全くない。
いま年金制度問題で言われる「毒饅頭」は。寧ろこの
空虚で政策効果の著しく乏しい高校無償化にこそ相応しい名称だ。

『週刊東洋経済』2025年5/31号 (最強上司の会話力)


佐藤優氏の連載は旧ソ連のクーデターの話の続き。
どうも氏は鈴木宗男事件の際の自分の運命と重ね合わせたいようで、
次回からそうした弁明が始まると思われる。

今週のAERAでは、ウクライナが降伏に近い停戦を強いられるという
大胆だが精確さにはかなり乏しい氏の見通しと現実が乖離してきて
苦しい言い訳を強いられている。
大外れだった「北朝鮮はロシアに兵器を送らない」説の同様に
また黒歴史を重ねる窮地へと自らを追い込みつつあるようだ。。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドはほぼ確実に売れる中高一貫特集、
分厚い私学の広告宣伝とセットで商売上手な編集部である。
そうすると私学に厳しいことは書き難くなるのではと他所ながら心配だ。

57頁の詳細なデータから私立小学校と私立中学は明らかに階層的な存在である。
(高校は意外にも公立と私立の階層性の差はかなり小さい)
苅谷氏が逆進性を批判するのも道理であろう。

『DiamondWEEKLY』2025年5/31・6/7合併号 (わが子に最強の中高一貫校&塾)


今週号で最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
広島にロシアが招待されなかった件で外務省の圧力があったという
朝日新聞の調査報道を称賛し外務省を批判するという小粒の話だが
鬼の首を取ったような書きぶりである。
ロシア寄りの姿勢が露骨な氏にとって好都合な朝日報道を称賛しても
何ら国益にも公益にも資することはないと思われるのだが。

個人的には、広島市民も長崎市民も憤激していたプーチンの核の脅しに対して
一度は強い牽制のメッセージを送るのが筋であろうと思うが。
氏はプーチンの核の脅しに対しては何も言えないし言わないのであろう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はエコノミストに注目、「一枚岩ではない在日中国人」とはいえ安全保障面でも重大な問題である。

▽ 珍しいところでは、半導体商社の特集もある

『週刊エコノミスト』2025年6月10・17日合併号


▽ 東洋経済は老化した日本経済の象徴のような特集

『週刊東洋経済』2025年6/7号 (定年後の人生戦略)

サブの「揺れる洋上風力」の方が重要だが、余り良い話ではなさそう。
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