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『エコノミスト』5月27日合併号 -「年収の壁」は経済的理由では説明できない、誤認か課税回避か

2025-05-23 | 『週刊エコノミスト』より
合併号のエコノミストは珍しく中国企業特集、
中国株が戻してきたことで、なのであろうが
「国進民退」の共産党一党独裁では未来はない。
何より少子化が絶望的で、中長期的には衰退以外にないのだ。


エントリーのサブタイトルは48頁より。
高い評価を受けている『就職氷河期世代』を執筆した
近藤絢子・東大准教授の寄稿である。
慶大の経済研究所のパネル調査を元に
「年収の壁」で就労調整した理由を分析した内容だ。

それによると就労抑制の理由として多い順に
①配偶者控除や配偶者特別控除のため
②社会保険(健保)に入らなければならない
③自分が所得税がかかるから

となっており、①②が6割前後に達し③も4割以上でこれらが「主因」と言って良い。
しかし執筆者によれば①は制度変更を知らないための誤解であり
②や③は「社会保険料の壁」や住民税の基礎控除がある以上、
依然として「年集の壁」が機能するので問題の根本は変わらない
これが執筆者の怜悧な見方であり誰しも異論のないところだろう。

個人的には、近藤准教授が認識してない、或いはし難い
日本独特のジェンダー意識が経済要因より強く働いていると見る。
つまり妻は仕事より家庭の優先順位が高く、主に家計を担うのは夫、
という強固な保守的価値観である。
(その証拠に仏や北欧と比べると家計を担うことへの意識が男女で全く異なる)

『週刊エコノミスト』2025年5月27日・6月3日合併号


市岡繁男氏の連載はトランプ関税の話だったが
中国経済の抱える根本的問題への言及がより重要。
氏は中国経済の「過剰な設備投資」とはっきり指摘しているが
日米中の家計消費と固定資本形成を比較すれば余りに明白であろう。
これで遠からず日本より深刻なの少子高齢化社会となるのだから
中国経済の斜陽は目前にありその未来にはもはや衰退しかない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

老化の著しいトランプによる迷惑な関税による影響は
東洋経済が明記している様に米国経済に最大の打撃を与える。
現代史においても稀に見る愚かなブーメラン効果であり
後世の経済誌においてポピュリズムの愚行として記されるであろうよ。
トランプ関税の悪影響については各セクターを詳細に分析しており
ダイヤモンドより一歩リードしているではないか。

『週刊東洋経済』2025年5/24号 (トランプ関税大予測)


佐藤優氏の連載はかつてのクーデターとKGBの動きの話。
何となく、メディアに対して興味を惹くような撒き餌を
しているような印象を受けた。

今週のAERAだとローマ教皇について分析しつつ、
トランプとは良好な関係になると疑わしいことを書いているし
(新教皇のこれ迄の言動から判断して、トランプを牽制してくる筈なのだが。。)
旧ソ連で宗教への締め付けを緩めたことがソ連崩壊につながった等と
リテラシーの低いメディアが食いついて取材してくるような小ネタを入れている。
読者不在の不透明な思惑が隠れているのだろうと考えざるを得ない。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ダイヤモンドのトランプ関税特集は
アメリカ経済に最大の打撃という点で東洋経済と一致する。
他、日本経済への影響も大という点では東洋経済より鋭い。
細かいところではダイヤモンドオンラインでも出ている
鈴木貴博氏によるBYDvs日産サクラの比較分析が秀逸なので
これは必ず目を通したいところである。

『DiamondWEEKLY』2025年5/24号 (トランプ関税地獄)


尚、池上氏は早くも支持率が低落しているトランプ政権について
イアンブレマー氏のコメントを引いて「4年間やりすごす」という
助言をしており全く以てその通りであると感じた。
運が良ければプーチンに続いてトランプも寿命が来て
世界中が二重の幸運を祝う喜ぶという局面もあるかもしれない。
(両者の老齢を考えても決してあり得ないことではない)

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目、早くも歴史的な低支持率に陥ったトランプの「誤算」についてみずほR&T安井氏の分析に注目。

▽ 高校無償化の暗愚なバラマキで、「通塾なしでは中学受験の合格は困難」「中学受験は“課金ゲーム”」という馬鹿馬鹿しい状況が拡大

『DiamondWEEKLY』2025年5/31・6/7合併号 (わが子に最強の中高一貫校&塾)


▽ 東洋経済特集はネタ切れ感が強い、サブのソフトバンク特集の方が重要であろう

『週刊東洋経済』2025年5/31号 (最強上司の会話力)

次週の東洋経済は四季報特集か、エコノミストやダイヤモンドと違い合併号でなく編集部は大変だ。。
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