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原発事故で失われる雇用 -『フラガール』のスパリゾートハワイアンズ、契約社員700名を雇い止め

2011-04-06 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
インターネット上で東電関係者の迂闊な発言が取り上げられますが
当該関係者が事態の深刻さを理解していないだけでなく、
関係者自身が自らの雇用安定の特権を認識していない点も気になる。
一つの「誤った発言」の陰に、その数十倍の「誤った認識」がある筈だ。

農家や漁師の被害は、納得はできないにせよ直接補償があるだろう。
問題は観光業である。
宮城はいずれ復興できるが福島は壮烈な風評被害を受ける。

東電関係者は、自分の雇用を守っている原発が
多くの人々の仕事に致命的な打撃を与え、
大量解雇すら招いている現実を直視して欲しい。
それを認識していれば、軽率な発言などできる筈がない。

特に、現場に出ていない間接部門の人員は尚更だ。
本人は「自分は無関係」と思っていても社会的に通用する筈がない。
原子力にはそれだけの重い社会的責任がある。

日本ではどの原発の近くにも人家があり大勢の人が生活している。
この事実は広大な国土を持つ原発大国の米露仏と比較すると致命的だ。


実際、今回の事故でスパリゾートハワイアンズが深刻な打撃を受けており、
700名を事実上解雇している。
これは、いつものように電力会社がカネを払えば済むという問題ではない。
何一つ落度のない人々の仕事を奪ったということだ。

▽ 映画で折角いわきがブームになったのですが。。



90キロ離れても「客はゼロ」=記念館、鍾乳洞、沈む観光地―福島(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c%3Fg%3Dsoc_30%26k%3D2011040400015

地震、津波、原発事故と「三重苦」の事態が続く福島県。例年なら春休みシーズン
 でにぎわうはずの観光地は大きな打撃を受けている。「原発はいつ落ち着くのか」。
 観光客を受け入れる地元関係者は、いら立ちと不安を募らせている。

 猪苗代町の野口英世記念館は、建物被害もなく1週間で営業を再開した。しかし、
 年間23万人を数える客足はピタリと止まり、来館者は「ゼロに等しい」(八子弥
 寿男館長)。原発から90キロ離れているものの、八子館長は「水も空気も大丈夫
 なので安心して来てほしいが、この状況はしばらく続くのではないか。できればゴ
 ールデンウイークまでには原発が落ち着いてほしい」と沈んだ声で語った。
 年間30万人が訪れる田村市のあぶくま洞。地震発生時、洞内に観光客はおらず、
 係員2人にけがはなく、鍾乳石1カ所の先端が折れるなどしただけで済んだ。しか
 し、道路が通行止めとなり営業休止に追い込まれ、ゴールデンウイークの再開も難
 しい状況だ。あぶくま洞は原発30キロ圏外にあるが、管理事務所の吉田典良所長
 は「市全体が屋内退避圏だと思われていないか心配だ」と話し、再開後の不安は払
 拭(ふっしょく)できない。
 映画「フラガール」の舞台となり、年間150万人が訪れるいわき市のスパリゾー
 トハワイアンズでも再開時期は未定。建物被害は少なかったが修繕費だけで数億円
 掛かる見通し。フラダンサー約30人の契約は何とか守ったが、契約社員約700
 人との雇用契約は3月末、更新しなかった。

 施設を運営する常磐興産の佐久間博巳・取締役営業本部長は、「原発が落ち着き、
 家族連れが安心して来られるような状況はいつ来るのか」と途方に暮れた様子で話
 した。 ”

福島は韓国人の観光招致でも努力して実績をあげていたが、
この事故で県内ゴルフ場や宿泊施設でも解雇・廃業が始まっているだろう。
この回復に少なくとも3年以上はかかる可能性が高い。

…繰り返すが、これは電力会社がカネをバラまいて済む話ではない。
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