合併号の東洋経済は半導体特集、
勿論のこと東洋経済が何度も派手な特集を組んで
株式投資の観点で紹介してきたのに株価が軟調である点に触れていない。
ただ慎重になっていることは隠し切れず、可もなく不可もなくという印象。
「半導体異変と言いつつ「日本株 トランプ関税に負けない半導体銘柄」と懲りずに載せてしまう」
と書いた通りの内容であろう。
エントリーのサブタイトルは80頁より、
九大院の浦川教授の寄稿である。
「出身大学と収入の関係 男女で異なる高所得の経路」と題して
出身大学のランクと賃金プレミアムの相関を分析しているが
男性は高ランク大学出身であることで賃金プレミアムが大きくなり
文科省のグローバル30に基づいて世界トップ100に入り得る大学は
一般の大学より34%、偏差値上位18大学は16%のプレミアムとのこと。
驚くのは女性の場合、出身大学は自身の賃金プレミアムより
配偶者の就労所得との相関が強い(!)という衝撃の研究結果である。
(高ランク大学は一般大学より22%ものプレミアムだから、同類婚・上方婚への選好要因だろう)
しかも、高ランク大学出身の女性の賃金プレミアムの相対的な低さは
結婚・出産・育児が主因ではないとか。執筆者は時間的コミットメントや
キャリアトラックのせいと推測しているが、より本質的には
学部や専攻の選択にジェンダー差が大きく、職業・職種選択でも
ジェンダーバイアスが大きいからとするのが妥当であろう。
佐藤優氏の連載は、ソ連ではKGBが全て監視していたという話。
氏としては次の展開に繋げるための逸話なのだろうが、
今もジャーナリストや政府批判者を次々と暗殺するロシア政治の体質は
旧ソ連と何ら変わらないと確信させる内容と言えるだろう。
ところで氏は、AERAでは朝日新聞を強く批判して
プーチンに批判的な記事の文言をプロパガンダ(政治宣伝)と決めつけている。
(氏自身が連載で記しているKGBの論理とよく似ている。。)
氏はその論拠としてミンスク合意とNATOへの不信を挙げているが
それはキーウ侵攻やウクライナ民間人への攻撃を何ら正当化しない。
つまり氏は露骨なロシアの代弁を行っただけの話である。
朝日新聞をプロパガンダとする氏の批判そのものがプロパガンダであり
プーチンの侵略戦争とロシアの戦争犯罪を擁護する悪質なすり替えである。
もしプーチンが東部二州のロシア系住民の保護だけを唱えて
限定的な軍事介入を行っていたら、支持率の低下したゼレンスキー政権を
自壊させる方針を採っていたら、欧米ともこれほど敵対的にならなかったし
プーチンが愚かな長期戦の泥沼に陥ることもなかったのだ。
いずれ氏もプーチン同様、失態を隠し切れなくなることであろう。
◇ ◇ ◇ ◇
そうそう、先週取り上げたエコノミストだが
サブ特集でいま大問題のコメ価格高騰の件もあったので
それについても触れておきたい。
エコノミストにしては鋭さに欠ける特集という印象で、
特にフードロスへの拘りの強い井手氏は人選ミスだろう。
外食におけるフードロスが問題なのではなくて、
外食業界が高値でも必死にコメを確保しようとするのが
コメの品薄と価格上昇の一因になっているのが問題なのだ。
氏だけでなく冷静なマクロの市況分析が特集に入ってなかったな。。
今回のコメ価格高騰は明らかな「人災」であり
ロシアのウクライナ侵攻で小麦食から国産米へのシフトが生じ、
しかし生産者側は生産コスト上昇の直撃を受けて高齢の稲作農家が
次々とコメ生産から撤退することで需給が崩れていたのだ。
それに猛暑による不作とインバウンド消費が重なった。
輸入物価インフレに完全に無策の政府・農水省・JAが「戦犯」であり
23年の段階で所得補償か生産コストの補填を何も行わなかったから
コメ品薄と価格高騰は必然の結果だったと言える。
政府や農水省がまだ緊急の増産促進策を出していないのも愚かしいことだが
低所得層や高齢層には海外からの大量輸入で店頭価格を下げるしかなくなった。
自民党政権のコロナ対策と同じ後手後手であり、典型的な失政と言えるだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週は東洋経済に注目、いずれもトランプ関税特集だが東洋経済の方が企業・セクター別になっている。
▽ とはいえ既にトランプ関税ショック前に日米が回復した今、かなり間の悪い特集だ
▽ ダイヤモンドは「融資企業を『倒産』させた金融機関ランキング」というのが興味深い
▽ エコノミスト合併号は中国企業特集、BYDの対日戦略は興味あるがトランプ関税の影響を見るには時期尚早では
レポート「EUの自動車廃棄規則 急浮上した炭素繊維の規制案」はタイムリーで流石だ!
勿論のこと東洋経済が何度も派手な特集を組んで
株式投資の観点で紹介してきたのに株価が軟調である点に触れていない。
ただ慎重になっていることは隠し切れず、可もなく不可もなくという印象。
「半導体異変と言いつつ「日本株 トランプ関税に負けない半導体銘柄」と懲りずに載せてしまう」
と書いた通りの内容であろう。
エントリーのサブタイトルは80頁より、
九大院の浦川教授の寄稿である。
「出身大学と収入の関係 男女で異なる高所得の経路」と題して
出身大学のランクと賃金プレミアムの相関を分析しているが
男性は高ランク大学出身であることで賃金プレミアムが大きくなり
文科省のグローバル30に基づいて世界トップ100に入り得る大学は
一般の大学より34%、偏差値上位18大学は16%のプレミアムとのこと。
驚くのは女性の場合、出身大学は自身の賃金プレミアムより
配偶者の就労所得との相関が強い(!)という衝撃の研究結果である。
(高ランク大学は一般大学より22%ものプレミアムだから、同類婚・上方婚への選好要因だろう)
しかも、高ランク大学出身の女性の賃金プレミアムの相対的な低さは
結婚・出産・育児が主因ではないとか。執筆者は時間的コミットメントや
キャリアトラックのせいと推測しているが、より本質的には
学部や専攻の選択にジェンダー差が大きく、職業・職種選択でも
ジェンダーバイアスが大きいからとするのが妥当であろう。
![]() | 『週刊東洋経済』2025年5/10-17合併号 (半導体 異変) |
佐藤優氏の連載は、ソ連ではKGBが全て監視していたという話。
氏としては次の展開に繋げるための逸話なのだろうが、
今もジャーナリストや政府批判者を次々と暗殺するロシア政治の体質は
旧ソ連と何ら変わらないと確信させる内容と言えるだろう。
ところで氏は、AERAでは朝日新聞を強く批判して
プーチンに批判的な記事の文言をプロパガンダ(政治宣伝)と決めつけている。
(氏自身が連載で記しているKGBの論理とよく似ている。。)
氏はその論拠としてミンスク合意とNATOへの不信を挙げているが
それはキーウ侵攻やウクライナ民間人への攻撃を何ら正当化しない。
つまり氏は露骨なロシアの代弁を行っただけの話である。
朝日新聞をプロパガンダとする氏の批判そのものがプロパガンダであり
プーチンの侵略戦争とロシアの戦争犯罪を擁護する悪質なすり替えである。
もしプーチンが東部二州のロシア系住民の保護だけを唱えて
限定的な軍事介入を行っていたら、支持率の低下したゼレンスキー政権を
自壊させる方針を採っていたら、欧米ともこれほど敵対的にならなかったし
プーチンが愚かな長期戦の泥沼に陥ることもなかったのだ。
いずれ氏もプーチン同様、失態を隠し切れなくなることであろう。
◇ ◇ ◇ ◇
そうそう、先週取り上げたエコノミストだが
サブ特集でいま大問題のコメ価格高騰の件もあったので
それについても触れておきたい。
![]() | 『週刊エコノミスト』2025年5/13・20合併号 |
エコノミストにしては鋭さに欠ける特集という印象で、
特にフードロスへの拘りの強い井手氏は人選ミスだろう。
外食におけるフードロスが問題なのではなくて、
外食業界が高値でも必死にコメを確保しようとするのが
コメの品薄と価格上昇の一因になっているのが問題なのだ。
氏だけでなく冷静なマクロの市況分析が特集に入ってなかったな。。
今回のコメ価格高騰は明らかな「人災」であり
ロシアのウクライナ侵攻で小麦食から国産米へのシフトが生じ、
しかし生産者側は生産コスト上昇の直撃を受けて高齢の稲作農家が
次々とコメ生産から撤退することで需給が崩れていたのだ。
それに猛暑による不作とインバウンド消費が重なった。
輸入物価インフレに完全に無策の政府・農水省・JAが「戦犯」であり
23年の段階で所得補償か生産コストの補填を何も行わなかったから
コメ品薄と価格高騰は必然の結果だったと言える。
政府や農水省がまだ緊急の増産促進策を出していないのも愚かしいことだが
低所得層や高齢層には海外からの大量輸入で店頭価格を下げるしかなくなった。
自民党政権のコロナ対策と同じ後手後手であり、典型的な失政と言えるだろう。
◇ ◇ ◇ ◇
次週は東洋経済に注目、いずれもトランプ関税特集だが東洋経済の方が企業・セクター別になっている。
▽ とはいえ既にトランプ関税ショック前に日米が回復した今、かなり間の悪い特集だ
![]() | 『週刊東洋経済』2025年5/24号 (トランプ関税大予測) |
▽ ダイヤモンドは「融資企業を『倒産』させた金融機関ランキング」というのが興味深い
![]() | 『DiamondWEEKLY』2025年5/24号 (トランプ関税地獄) |
▽ エコノミスト合併号は中国企業特集、BYDの対日戦略は興味あるがトランプ関税の影響を見るには時期尚早では
![]() | 『週刊エコノミスト』2025年5月27日・6月3日合併号 |
レポート「EUの自動車廃棄規則 急浮上した炭素繊維の規制案」はタイムリーで流石だ!