コタツで沈没し8時起床。
朝のテレビ、今期いちばんの冷え込みを伝える。朝のうちは自転車のサドルなどにうっすら積もっていた。
夫見送りみかんを食べて絵を描く。ミルクティーを入れ、きな粉餡餅を食べる。正月、母にもらった御座候の餡子。あの中身の餡子だけが売っているとは知らなかった。
午後大阪で仕事。
夕方京都に戻る京阪の向かいの席、黒髪をきちんとまとめ、黒い鞄に黒い靴、リクルートスーツの女の子。色白で大きな目、口紅で色を足していない血色のいい唇。
白地のバーバリーチェックのマフラーが良く似合う。黒い鞄から緑茶のペットボトルを取り出してひと口飲み、ペットボトルを戻すついでに鞄に入っているコンビニの袋から、袋入りのドーナツを取り出し少し隣のおじさんに遠慮しつつ封をきり、オールドファッションのドーナツをかじった。
面接を終えた帰路。何を見るでもなく前方に視線をやりつつドーナツを食べている。ほっとしているようでもあり、不安そうでもあり。どこか見覚えのあると思ったら、ハムスターに似ている。
好物だったのか、甘いものが食べたくてたまたま目に留まったドーナツだったのか、緊張が解かれてようやく口にしたドーナツだったのか。
就活。仕事につき給料を得て彼女はドーナツその他諸々を買って生きる。
幸福というものが個々によってかたちの異なる、あるいはかたちのないものだとして、生活とは幸福を具現化しようとその周りを覆ってゆくこと、輪郭を描いていくことのように思える。ドーナツの如く。
夜はコーポリアルマイムのクラスを受けに行く。
今まで会場を借りてクラスを開かれていたが、引っ越された先生宅に稽古場ができたので、これからはそこで稽古できることになった。
サムさんというコーポリアルマイムのアクターが日本に来ていて彼から教わる。今までコーポリアルマイムを教わった人を思い浮かべると、精密にバラされた体に柔和な人柄が入っているという感じで、皆人間らしくあり人間離れしているように見える。
帰るとカレーを平らげた夫がコタツで眠り、そのまま朝までどうやっても起きなかった。