年明け初稽古、の予定だったが、インプット、言葉が足りない、ということで稽古場に行かず本を読む。クレジオ、ロブ=グリエ、聖なるものの場と媒体。
とっかかりになるものが、一片でも、手掛かりをさがす。
結局この日は稽古場には行かず、近くの赤山禅院に行き、弁財天に未だ茫洋とした作品の成功を拝んできたのだった。
夜、夫打合せで外出することになった。夕飯に鰈を焼こうと思っていたが、ひとりだと面倒になってやめた。
今週、帰りが遅い日が多いので数日食べられるカレーかハヤシか何か作っておこうとスーパーに向かった。
皮を剥かずに丸ごと食べられる小さいじゃがいも、鶏ももが安かった。家にトマト缶があったので、カレーでもハヤシでもなくトマト煮を作ることにする。他、人参、煎茶など買って戻る。
お腹がすいて、一先ず夕飯にする。昼に作った豚汁、昨日炊いた里芋、高菜と卵かけご飯。
食後にお茶を煎れた。
一人分3gの茶葉、湯呑みを温め、少し落ち着いた湯で30秒。
ひと口飲んで、おかしいと思った。
玉露入りと書いてあったが、あり得ないうま味があったのだ。前に一度、上等な玉露を低温で抽出したのをいただいたことがあったが、それはちょっと驚くほどうま味があった。なぜ葉っぱからこんな味が出るのかと恐れいったが、それとは何かが絶対に違う。
買ってきたのはかりがね入りでご家庭用の普通の茶葉だった。
なんだこの取って付けたようなうま味と思って袋の裏を見直すと、原材料名、茶葉 の次にアミノ酸と書いてあった。
要するに味の素が入っているという事。だしの素ならまだしも、お茶にこれは小馬鹿にされている気分だった。ちゃんと見ないで買った方も馬鹿だが。
残りでお茶を煎れる気にならないし、お茶風呂にしても私に味が付いたところで只々気持ち悪いし、いろいろ考えたが使い途がない。まだ袋いっぱいの茶葉を前に途方に暮れていると、暖房していない2階に上がっていた小梅が降りてきた。冷えた猫を抱く。こんな茶は猫も飲まぬ。耳の端がいちばん冷たい。
じゃがいもを洗い、玉ねぎ、人参を洗って切る、鶏肉を切断する。にんにくから目が出ている。水もないのに緑の芽が育とうとしている。芽を摘む。にんにくと鶏を焼く。その他とトマト缶と水を入れて煮る。
トマト煮の隠し味コチュジャン。
夫帰宅。鰈焼く。小梅落ち着かない。小梅鰈を少しもらい、納得したようにヒーターの前で丸まる。夫コタツに沈む。
私風呂に入らないと一日が終わらない。毎日一日を終えて眠るのだ。