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流出雑記 

私はどちらかと言うとチェンジリングが観たかった

2009年03月05日 | Weblog
宇治の家にて3時就寝8時起床。
下の妹が遠征先から戻りついでに帰っている。

JR宇治駅の近くで10時から仕事。
身支度。化粧道具を忘れてきた。
真ん中の妹のを借りようとしたがポーチごと会社に持っていってしまったらしい。母のを借りる。
アイライナーがなく茶色い眉墨でアイラインをひく。
ファンデーションもチークの色も顔の上で妙に落ち着き払ったふうでなんだかぼやけた心持ちになる。

仕事場は初めて行くところ。地図を見ながら歩いていたのに道を間違え走って戻る。時間には間に合う。

2時間4ポーズ着衣固定

年配の方々の絵画教室。
先生は小柄で声の明るい60代くらいの女性。
先日、地下鉄を終電だったのに乗り過ごし、途方に暮れながらダーリンに電話しようと発信履歴から電話をかけたら間違って昼間に仕事の確認の為にかけたその先生の携帯をコールしてしまった。
12時過ぎているし、慌てて切ってドキドキしているとすぐにかけなおしてくださった。
間違いです申し訳ありませんというと、かまいませんよ、気をつけてお帰りなさいねと女神のようだった。
その後国際会館から40分、ひと気のない高架下の道を小走りに無事帰宅。

仕事を終えてから妹と遊ぶ約束。
ロフトで待ち合わせ。
エスカレーターの壁面の鏡にうつる自分の顔が落ち着かない。妹を待つ間、化粧品売り場のアイライナーで目の周りを囲んで落ち着く。たまたま持ったのがダークブラウンだったが黒より合う気がする。

妹が来てmumokutekiカフェでお昼。オーダーしてから30分ばかり待たされきりきりした。
おやつは錦の豆乳ドーナツ。ほうじ茶ソフトも、と思ったが夏季限定だった。

その後話題の『おくりびと』を観る。
平日だがかなり混んでいて、客席を見渡すと年齢層はやや高め。
会場はシーンによって笑いが起こったりすすり泣く音が聞こえたりする。
若い見習い納棺師とその妻が住んでいる古い喫茶店がいい。
妻の役は広末涼子。あんな笑顔の奥さんが毎日いてくれたらいいだろうが、妙に高い声が映画に馴染まず上滑りしている印象。

納棺師は無駄のない手つきで遺体を白装束に着替えさせる。極力肌が見えないよう、手品のようにするすると。
茶道のお点前を思い出した。

見終わったあと妹が、この映画を観て納棺師を志す人が増えたらしいと教えてくれた。

4年前、まだ私も妹も実家にいた頃に亡くなった祖母の時はどんなふうだったかと話したが納棺の支度を見ていた記憶がない。

祖母は気管切開をし喉に人工呼吸器を着けていた。
体の筋力がすべて落ちてしまう難病で亡くなる前は足の指がわずかに動く程度の筋力しかなく、足下にナースコールを設置し何かあるとそれを押してもらうようになっていた。
亡くなったのは春の夜。
祖母が起きている時は大体30分に一度くらいナースコールが鳴るがその夜はしばらく鳴っていなかった。
夕飯を済ませてテレビを見ている時間帯、母がおばあちゃん寝てるんかな、と居間の隣の祖母のベッドのある部屋を見に行って、手がつめたい心臓が動いてないと言った。
すぐに医者来た。おそらく2時間ほど前に亡くなられたと思われますと言う。
その間も人口呼吸器の音だけがいつもと同じリズムを刻み、肺に空気を送り続けていた。
在宅介護をしている間ずっと昼も夜も止む事のなかった音。
医者が呼吸器を停止した時刻が祖母の死亡時刻となった。

焼き場で棺は焼かれる前にベルトコンベヤーのようなもので釜の中に入れられる。そのときの機械的な音が忘れられない。
焼けるのを待っている間、火葬場の待ち合いにある喫茶店で母やいとことなぜかサンドイッチを食べてた。黒い服を着て白い皿の白い三角形、ハム、卵、キュウリの普通のサンドイッチを普通に。

祖母の骨は所々ピンクや水色がついていて珊瑚のように見えた。
あれは棺に入れた何かの色が付いたのだろうか。

夕方妹と別れ、その後も祖母の死の前後をいろいろ思い起こしていた。