恒春園

2007-11-27 07:07:05 |  滋賀県



 昭和3(1928)年築。 昭和32(1957)年に軽井沢でクモ膜下出血の為に倒れ、近江八幡の自宅での7年間の無言の病床生活を終えたヴォーリズは、満喜子夫人や近江兄弟社の仲間達と共に今はここに眠っています(1880~1964 享年83)。 たとえ肉体は滅しても、彼がこの世に残したものは確かなものとしてこれからも引き継がれていくのでしょうね。  滋賀県近江八幡市北之庄町  07年11月下旬


 ごめんなさい。 多忙の為、ちょっとの間ブログをお休みさせて頂きます。 新規記事の投稿は控えさせて頂きますのでご了承下さいませ。 代わりにこの3連休で見てきた建物たちを、全部ではないですがいくつか載せておきますのでご勘弁願います。













家具の宮川本店

2007-11-26 07:14:38 | 北海道 その他のエリア


 旧宮川仏壇店(昭和12年築 1937)。 一目すれば仏壇店という事が納得できてしまう外観。 一応、帝冠様式に含まれるものでしょうか。 寺院のような屋根にレンガの煙突というのはインパクトが大きいです。  北海道旭川市2条10丁目左10  06年05月上旬

 ※写真が一部大きくなります。

旧札幌警察署 南一条巡査派出所

2007-11-22 07:13:39 | 北海道主要部 (札幌・小樽・函館)



 明治44(1911)年に現在の札幌市中央区に建てられた派出所。 とある篤志家の寄付によってレンガで建てられたもので、昭和45(1970)年まで現役を続けました。 カメラを向けるとお巡りさんが気取ったポーズをとってくれる洒落た派出所です☆  北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50-1  北海道開拓の村内  07年05月上旬

 ※写真が一部大きくなります。

旧吉田銀行

2007-11-21 07:08:05 | 山梨・新潟



 レンガの塀に囲われて交差点脇に建つ土蔵造りの建物(大正3年築 1914)。 『日本列島 西洋館の旅』に写真が掲載されていたので訪問してみましたが、ご覧のように正面玄関や軒下、窓の部分などは無粋な建材で塞がれてしまっています。 明治から大正にかけて活躍した銀行らしいのですが、その面影は非常に微かなものでした。  新潟県五泉市本町  07年06月中旬

 ※追記 吉田銀行は明治35(1902)年に吉田合資会社として設立され、大正12(1923)年に新潟銀行に併合されたようです。

 ※おまけ  吉田銀行から次の建物に向かっている時に見つけた「すがや商店」。 現在は個人邸のようですが元は何を売るお店だったのでしょう。 詳細は不明です。 

千田正記念館

2007-11-20 07:09:41 | きた東北 (青森・秋田・岩手)








 地元・金ケ崎町出身で参議院議員や岩手県知事を務めた千田正(ちだ ただし 1899~1983)の功績を顕彰する為に整備された記念館。 
 
 最初の下見板の建物は、昭和2(1927)年に建てられた旧岩手県知事公舎の応接室だったもので「正光館」と呼ばれるもの。 千田氏が知事在任中の公舎改築に伴って応接室部分のみを町が譲り受け、別の地に復元していたものを平成7(1995)年に現在地に再移築したものです。 こぢんまりとした建物ですが、そのぶん収まりがよくて落ち着けそうな雰囲気を持っています。
 
 2階建の建物は千田氏の生家で、裏にある木蔵と共に昭和5(1930)年頃に建てられたそうです。 彼が米・英留学後に建てられたものであり、和に洋が微妙に交り合ったようにも見えますね。 窓がとにかく大きくて、特に2階の窓は掃き出し窓みたいになっているので、気を付けなければ躓いて屋根から庭に落っこちてしまいそうなくらいです。 1階には千田氏に関する展示がされていたと思います(記憶が曖昧。。。)。
 私が訪ねた時は朝の掃除中で、2人のおばあさんが町のいろいろな噂話をしながら楽しそうに雑巾がけをしていた姿が微笑ましかったです。 その後、私の事を根掘り葉掘り聞かれたのは言うまでもありませんが・・・  岩手県金ケ崎町三ヶ尻谷地中98  05年10月上旬 
 

旧函館郵便局

2007-11-19 07:03:25 | 北海道主要部 (札幌・小樽・函館)



 赤レンガが目に眩しい明治期の旧郵便局舎(明治44年築 1911)。 写真は朝の7時くらいに撮ったものなのですが、陽光に照らされた建物は単純にもう「美しい」の一言。 函館には他にも美しい建物は数多いのですが、赤レンガに旧郵便局舎という私の好きな要素を兼ね備えた逸品であります(断定)。
 郵便局としては約50年間使用されその後は倉庫に転用されていましたが、現在は「はこだて明治館」というショッピングモールになっている・・・らしいのですが、一度も中に入ったことがないので良く分かりません(笑)。 建物中央部は屋根組みまで見える吹き抜けの空間になっていて、内部のレンガもむき出しのままに往時の雰囲気を残しているらしいです。 カーフェリーで函館港に着き、函館の駅を過ぎてこの赤レンガが目に入ってくると、北海道に来た!という胸の高まりを感じてしまう建物です。  北海道函館市豊川町11-17  06年04月下旬

 ※写真が一部大きくなります。

東邦銀行郡山中町支店

2007-11-18 10:28:45 | 南とうほく (宮城・山形・福島)



 旧郡山商業銀行(昭和13年築 1936)。 福島の商都として栄える郡山に建つ銀行建築。 正面入り口左右の角柱上部やコーニスにわずかに装飾的要素が見えますが、全体的にはシンプルでクリーンなイメージの建物です。 郡山の駅からも程近く、ちょっとした時間なら車も止めやすいのか次から次へと玄関前への違法駐車が多くて写真を撮るのに少々イラつきました(笑)。  福島県郡山市中町2-10  07年11月上旬

 
 ※おまけ  こちらは同じ通りを少し南に行ったところにある吉田薬局。 角部の丸窓や階段状の側面等なかなか手の込んだ意匠の建物です。 裏から見ると完全な看板建築で3階部分は板一枚。 詳細不明(昭和8年築?)。 


 もう一つは丹治医院。 昭和8(1933)年の建物?


 ※本文に加筆・修正、おまけ2を追加しました。 

奈良国立博物館本館

2007-11-17 09:25:55 | 奈良・和歌山






 竣工は明治27(1894)年の煉瓦・石造の旧帝室博物館。 宮廷建築家・片山東熊を中心に設計されたもので奈良公園の敷地内に建つ洋風博物館です。 現在は裏手のようになってしまっていますが本来の正面側と思われる西面は、櫛形のペディメントや左右の双柱、メダリオンなどが備わるかなり装飾豊かなファサードとなっていて見ているのが楽しいです。 ただ気になったのは、そのメダリオンや両脇のくぼみが「まっさら」というか「のっぺり」している点。 元々あった装飾を削ったか埋めたかのような感じがして気になって仕方ありません。 オリジナルからこのようなのですが何だか物足りなさが残りますね。  奈良県奈良市登大路町50  07年11月上旬他

 ※写真が一部大きくなります。

旧愛知郡役所

2007-11-16 07:06:52 |  滋賀県










 愛知川(えちがわ)に残る旧郡役所の建物(大正11年築 1922)。 郡役所としては僅か4年ほどしか使用されず、戦後は農協の所有となって、現在は町が建物を農協(JA)から借り受けて半ば倉庫のような形で使用しています(奉安庫?とかまで置いてありましたよ・・・)。 
 
 通常は非公開の建物ですが11日に行われた見学会に行ってきました。 左右に長い下見板の建物で、現存する郡役所の建物としては大きな部類に入るものだと思いますが、現状では有効な活用はされておらず、軒下などに見られる鉄板は赤茶けた錆色になり屋根も雨漏りをしているなど老朽化が進みつつあるようです。 
 町の担当者の方達や、建物を残そうと活動する町民有志の方からもお話を聞かせて頂きましたが、建物の希少性を充分認識しており絶対に残していきたいという熱意が伝わってくるものでした。 ただ現状では建物の認知度が絶対的に低いような気がしますし、ネットで検索しても的確にヒットする件数が多くない事がそれを端的に表していると思います。 まずは少しでも多くの人にこの建物を知ってもらう事が必要だと感じました。  滋賀県愛荘町(旧愛知川町)愛知川32-2  07年11月中旬

 ※旧郡役所のすぐ近くにある「愛知川びんてまりの館」では福山聖子(しょうこ)さんの絵画展で滋賀県内に残る近代化遺産が紹介されています。 私も拝見させて頂きましたが、とても暖かみのある作品が数多く並んでいますので宜しければこちらも御覧になってみて下さい。 

 詳細はこちら↓
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000000711100001  

近江鉄道 新八日市駅

2007-11-15 07:14:07 |  滋賀県




 激しい雨が過ぎ去った後のうぐいす色の駅舎はしっとりと濡れ静寂に包まれ、自分が今、家からは遠く離れた場所に来ているんだという旅情気分を静かに思い起こさせる。 開け放たれた入口からは冷たく刺すような風が吹き抜け、季節は秋から冬に確実に変わりつつあるのを感じずにはいられませんでした。

 大正2(1913)年築。 湖南鉄道時代の終着駅で、八日市鉄道時代は本社駅。 堂々としたポーチや軒飾りが当時の威厳を今に残します。 窓口の張り紙を見る限り、朝の時間のみしか駅員が常駐しない準無人駅のようです。  滋賀県東近江市八日市清水  07年11月中旬

日本聖公会バチラー夫妻記念教会堂

2007-11-14 07:04:22 | 北海道 その他のエリア



 丘の上にチョコンと建つ小さな教会堂でロボットの顔みたいなユーモラスな外観。 建物は石造りの2階建、昭和12(1937)年に建設されたもので、アイヌ伝道に生涯を捧げアイヌ民族の父と呼ばれた宣教師・バチラー(1854~1944)の名前が付けられています。 彼は有珠のアイヌ豪族・向井富蔵の次女・八重子を養女として迎い入れ、その弟である向井山雄司祭が中心となってこの教会堂は建てられました。  北海道伊達市向有珠町119  06年04月下旬

 ※現役の教会です。 見学の際はご配慮願います。

旧渋沢栄一邸

2007-11-13 07:07:19 | きた東北 (青森・秋田・岩手)







 古牧温泉の渋沢公園内に移築されている実業家・渋沢栄一(1840~1931)のお屋敷。 元々は明治9(1876)年に東京は深川の福住町に最初の自邸として建てられた和風住宅でしたが、その一部を三田の綱町に移築し、昭和6(1931)年に洋館部が新築(設計・西村好時)され今の建物が出来上がりました。 この洋館部分には栄一の孫で日銀総裁であった敬三(1896~1963)が新婚生活を送っていたそうです。 和館の設計は清水喜助によるもので、現在はスーパーゼネコンに数えられる清水建設の創業者の二代目にあたります。
 
 建物は平成3(1991)年にこの地に移築。 内部の公開は行っていないみたいですが、広大な園内には東北の古民家なども移築され散策するにはもってこいの場所。 季節はずれの台風から逃げるべく北上しましたが、雨雲からは逃げられず雨がぱらつく空の下での見学。 晴れていれば青々とした緑が目に眩しいであろう中に建っていました。  青森県三沢市三沢駅南 古牧温泉内  07年07月中旬

 ※写真が一部大きくなります。

玉木病院旧館

2007-11-12 07:08:13 | 岡山・広島・山口


 大正6(1917)年築。  向かって左手の新館と繋がる様な形で残されていました。 現在はギャラリーとして活用? 日常的には使われていないようでした。  山口県萩市瓦町1  06年01月上旬

 ※追記  2007年に解体されたようです。

 ※おまけ  こちらはすぐ近くの萩商業高校の正門脇で見つけた建物。 詳細は不明です。


旧上高井郡役所

2007-11-09 07:08:01 |  長野県






 大正6(1917)年築。 この建物が出来た頃、大正時代の須坂は製糸業の全盛期でたいへん豊かな財力があったそうです。 建物はドイツ下見にバルコニー付きの車寄せ、正面2階にはペディメントを備えたバロック様式の格調高きもの。 郡役所として使用された後は郡連合事務所や地方事務所、教育事務所から保健所などに利用され、現在は市民の為の交流室や各種歴史資料の整理室、映画ポスターの展示などが行われる施設へ転用されています。  長野県須坂市須坂常盤町812-2  07年10月下旬他 

旧伊藤博文邸

2007-11-08 07:06:48 | 岡山・広島・山口



















 日本の初代総理大臣である伊藤博文(1841~1909)が、出生地である旧束荷(つかり)村に明治43(1910)年に建てた別邸。 遠祖・林淡路守通起の没後300年の法要を行う為に、また法要後は地元の公共施設に転用する目的で本人自ら基本設計を行いましたが、建物の完成を見ないまま彼は満州視察中にハルビン駅で安重根(アン・ジュングン 1879~1910)に撃たれて命を落としました。 
 古い写真と見比べていたら細部が微妙に異なっている(車寄せの屋根や円柱の形、2階中央の窓上の装飾など)のに気付きましたが、平成16(2004)年の大規模修理で創建当時の姿に戻されたようです。  山口県光市束荷2250-1  06年01月上旬他

 ※09年09月中旬再訪し内部見学。 写真の追加・変更を行いました。