超久々に電車に乗っての建築散策(笑)。
池袋に降り立ちライトの自由学園(明日館)へと足を向ける。 独特なデザインに目を奪われ時も忘れての見学。 最後にホールで飲んだ冷たいアイスコーヒーが涼を運んでくれる。 これで600円(見学料込)なら安いもの。
今日は珍しく昼からの散策で他に予定が無い。
暑い中(訪問日は8月下旬)、自由学園を後にして適当に歩き出す。
記憶の中の地図を頼りに運良く 徳川黎明会、目白聖公会 といった建物に辿り着けた。
やんわりと外観だけの見学を終え、再び歩き出したところで地区の案内板に目がとまる。
佐伯祐三の旧居。
どこかで聞いたことがある名前。
どうやら近くにあるらしい。
地図を頭に入れ早速向かってみる。
聖母病院(これって古い建物?)の脇を抜け、ここと思われる場所に着いたがなかなか見つからない。 気持ちばかりが逸(はや)る。
目指す建物は入り組んだ路地の袋小路のような場所にあった。
木々が欝蒼と生い茂り、緑が日の光を遮る。 ここはセミたちの楽園。 けたたましい鳴き声が鼓膜に響く。
そんな中、ただ主を待ち続けるように佇む小さなアトリエ。
※大正9(1920)年築。 洋画家・佐伯祐三が仲間たちの手を借りて自ら建てたと伝わる。 当初は和風の住居部分が付属していたらしいが、老朽化の為に昭和61(1986)年に解体。 現在はアトリエと洋間のみが現存している。
佐伯祐三(1898~1928)は大阪に生まれ、東京美術学校(現・東京芸術大学)卒業後、渡仏しヴラマンクに師事。 はげしい筆触でパリの風景を描く。 一旦帰国後、再渡仏するも心身に不調をきたし翌年客死。 享年わずか30でした。 祐三の死後、夫人が昭和47(1972)年に没するまでここに住み、翌年には新宿区が建物を買収する。 現在は新宿区立 佐伯公園として敷地は開放されています(建物内には入れません)。 東京都新宿区中落合2-4-22 07年08月下旬