3代目庁舎(明治42年築・1909)の老朽化によって建て替えられた4代目の愛媛県庁舎(昭和4年築・1929)。 設計は木子七郎(1884~1955)によるもので構造は工学博士の内藤多仲が協力、施工を東京の安藤組が担当しました。 木子家は代々、禁裏・御所に出入りする大工職の家柄で、七郎の父・清敬は宮内省関係の和風建築を手掛けたり、帝国大学の講師として我が国で初めて日本建築学を講じるなどした人物。 七郎の10歳上の兄・幸三郎も東京帝国大学の建築学科を卒業し、住友の建築部に勤めた後に宮内省に入省し宮廷建築家として活躍しました(後に独立して建築事務所を開設)。 愛媛県松山市一番町4-1 12年05月上旬他
両翼を広げ中央には銅板葺きのドーム屋根を配す。 建設費は102万円で現在の金額に換算すると100~120億円くらいになるそう。
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車寄せの正面には右から左に「廰縣媛愛」の文字。
車寄せの装飾。
照明部分にも装飾があります。
内部へ。
手の込んだ天井装飾。
市松模様の床は大理石。 探せばアンモナイトの化石も見つかるそうです。
装飾がいっぱい。
電話ボックスも建築当初からのものでしょうね。
上階へと続く階段にも大理石が張られています。
ちなみにここのロビーは2階にあたります。 階数表示も昔のままですね。
階段の踊り場にはステンドグラス。
ステンドグラスをアップで。
3階は赤い絨毯が印象的な空間。
階数表示もこの通り。
階段を上がりきった所が貴賓室。 暖炉も大理石で出来ていますが、当初から薪ではなく電気式のものであったそうです。
天井のシャンデリアはガラス製で建築当初からのもの。
今度は4階へ。
この円筒状の張り出しは塔屋へと続く階段部分になります。
下部の装飾をじっくり見ていたら何か気持ち悪くなってきた(汗)。
ここにもステンドグラスが嵌まっていますね。
トップライトからは光が降り注ぐ。
お約束の階数表示。
装飾も単なる羅列ではなくデザインを微妙に変えて配しています。
4階の正庁。 各種式典が行われる場所。
首が痛くなるほど天井を見上げてしまいます。
これ以上は立ち入り禁止で見られませんでしたが、柱頭の上には鷲(ワシ)の装飾などもあるそうです。
さっき見た円筒部分の階段がこれ。
お花模様が可愛らしい。
ドームの下にあたる部屋は鍵がかかっていて入れなかったので戻ります。
螺旋な階段も美しい。
4階から見た階段室。
別の階段から屋上も見る事が出来ました。 さっき入れなかったドーム下の部屋は会議室になっているようです。
ここは両翼の前方に突き出した部分。
扉の上の装飾。
階段を一気に下って1階に到着。
1階は薄暗く、見上げた上階が恋しくなります。
そろそろお別れの時。
日の丸と愛媛県旗が翻る。 素晴らしい建物を堪能出来た事に感謝。