夏から秋へ

2012-10-24 19:42:20 | その他・雑記

 旧遺愛女学校宣教師館 М41 北海道函館市  素敵な時間を夢見る。


 遺愛学院講堂 S10 同上  メレルさん物件。


 T家住宅 S7 同上  都会の森の谷間に咲く。


 旧深谷米穀店 T6 同上


 歴史的建造物が続く街並み 同上  迷っていないのに道を教えて下さったご婦人に感謝。


 小林写真館 М40 同上


 旧野口梅吉商店 T2 同上  綺麗にペイントされました。


 元町カトリック教会聖堂 М42頃・T13再建 同上


 海神社横の洋館 詳細不明 同上  


 梅津商店 T10以後 同上  早朝函館散歩。


 旧新栄医院 T5頃 同上  窓の表情がちょいと残念。


 旧堤商会(T5頃)と今井家住宅(М40) 同上


 旧函館区公会堂 М43 同上  人気スポット独り占め。


 ヱビス商会 T11頃 同上


 旧今井百貨店函館支店 T12 同上  いつも撮ってるから好きなんだと思う。


 旧イギリス領事館 T2 同上  小っちゃいオジサンがいた。


 旧金森洋物店 М13 同上  向かいには旧第一銀行函館支店(T10)が見えています。


 大火遭難記念慰霊堂 S13 同上  函館の歴史は大火の歴史。


 旧函館図書館 S2 同上  裏に建つ書庫は辰野葛西建築事務所の設計。


 旧函館市青年会館 S8 同上  市電一日乗車券を二日分買って函館の街を探索しました。


 H家住宅 S8 東京都杉並区


 旧荻窪郵便局電話事務室 S7 同上  ある意味、死んでる姿。


 大田黒公園記念館 S8 同上


 M家住宅 S前期 同上  好物件。晴れた日にもう一度見に行きます。


 立教女学院高等部校舎 S5 同上  たぶん長姉の母校。


 聖マーガレット礼拝堂 S7 同上  バーガミニの設計。


 旧東奥義塾外人教師館 М34 青森県弘前市  家具など展示物が雰囲気づくりに一役買っています。


 旧弘前偕行社 М40 同上  修復工事が始まるようで近付けませんでした。


 旧制官立弘前高校外国人教師館 T末 同上


 カトリック弘前教会 М43 同上  


 弘前の夜空。


 日本基督教団 藤崎教会 T14 青森県藤崎町  桜庭駒五郎の手になる教会。


 円覚寺の建物 M44 青森県黒石市  台座に築年や棟梁の名前が刻まれています。


 黒石の建物 同上  正体不明ですがステップゲーブルがカッコいい。


 旧板柳尋常高等小学校 M32 青森県板柳町  玄関ポーチのみ保存。


 マルユークドウ 詳細不明 同上


 旧浪岡小学校 S3 青森県青森市  1階部分が公開されています。


 旧聖園マリア園「天使館」 S7 秋田県小坂町  何この癒され感。


 旧小坂鉱山事務所 M38 同上  日本人の設計とは。


 康楽館 М43 同上


 旧種市村漁連共同販売所 S8 岩手県洋野町  レイニー・デイ。


 タマシン・アレン宣教師館 S16(S元~2?) 岩手県久慈市  今回も遠くから眺めただけ。  


 JR久慈駅前。  


 旧箱石小学校 S12 岩手県宮古市  現在は昭和の学校という展示施設。


 JR宮古駅 S9 同上  駅前風景は以前と変わらないのに…。


 旧工藤勝四郎家所有レンガ建物 М45(М44?) 岩手県盛岡市  元は東京の銀行の支店。


 T事務所 S初 同上  長福院の近くにある洋風民家。


 旧井弥商店 М44頃 同上


 旧岩手医学専門学校附属医院 S7 同上  地元盛岡の出身、葛西萬司の設計。


 ライト写真館 S初(S4?) 同上  深く探りたいけど資料が見つからない。


 岩手高校柔道場(?) 詳細不明 同上 


 旧宣教師館 T9 同上  こう見えてもレンガ造だそうです。


 旧宇津野発電所 М38 同上


 桜城小学校旧玄関 М41 同上


 旧南部家別邸 М41 同上  庭園からの眺め。


 日本聖公会 盛岡聖教会 S4 同上  色は違うけど郡山のやつに良く似ている。 アメリカ人の設計って誰でしょう?


 旧覆練兵場 М42 同上  ピカピカになりましたが代わりに他の建物は全て消えたみたい。


 原敬記念館の倉 T3 同上  昭和55年に移築されてきました。


 小岩井農場旧陳列館・育牛部事務所 М39 岩手県雫石町  ケモノ臭が苦手な人は気を付けて。


 小岩井農場一号サイロ・二号サイロ М40・41 同上 


 小岩井農場の子牛さん。 キュートな視線にメロメロ。。


 藤三旅館 S16 岩手県花巻市


 奉安殿 詳細不明 岩手県西和賀町  不安だったけど日が暮れるまでに辿り着けて一安心。


 JR釜石線・宮守川橋梁 S18 岩手県遠野市  古いと知らなかったので1枚しか撮っていない。


 ※U家住宅 T期 同上  宮守川橋梁のすぐ近くで発見。  ※訂正。


 旧上閉伊郡宝物館 T14 同上  図書館としても使われました。


 旧郵便局? 詳細不明 同上  附馬牛郵便局の向かい。


 陸前高田駅跡  岩手県陸前高田市


 旧千厩署奥玉駐在所・旧消防団屯所 T末~S初 岩手県一関市  


 旧横屋酒造呑切り場 T末 同上  右に傾いている。


 佐藤家住宅母屋 М34・S2 同上  イタリア製のモザイクタイル。


 旧横屋酒造事務所(西洋館) T13  同上


 旧東山煙草耕作組合連合会事務所 М30 同上  解説のおねいさんは良く勉強している。


 旧東北砕石工場 T13 同上  宮沢賢治ゆかりの場所。


 世嬉の一酒蔵の建物 詳細不明 同上  被災して修復中のようでした。


 Y邸 S元 同上  近くにあった数件の戦前病院建築は全滅したっぽい。


 旧亥年小学校 S2 同上


 金流川沿岸涌津土地改良区事務所 詳細不明 同上  被災して(?)中はからっぽ。保存は期待出来無さそう。 


 金流川沿岸涌津土地改良区事務所の近くの建物 詳細不明 同上  ソックリ。


 旧高橋家写真館 詳細不明 岩手県金ケ崎町  早朝に訪ねたら向かいのバス停のベンチで女子が行き倒れていた。。


 旧観慶丸陶器店 S5 宮城県石巻市  見事に復旧。


 旧笑門館写真館 S6 同上


 石巻の建物 詳細不明 同上  今回の探訪で見つけました。艶やかなカフェー建築にも見える。


 旧郵便局 詳細不明 福島県桑折町  旧伊達崎郵便局か?


 旧逓信省芦屋別館 S4 兵庫県芦屋市


 旧山邑家住宅 T13 同上  内部撮影可能となりましたが写真で一場面を切り取るのは難しい建物です。


 旧安部邸 T期 同上  中から見たら綺麗だろうね。


 旧尼崎共立銀行本店 T12(?) 兵庫県尼崎市  1916って大正5年じゃん。


 神戸篠原郵便局 詳細不明 神戸市


 関西学院大学・中央講堂 S4 兵庫県西宮市  解体(建替え)予定。


 同・商学部 S4 同上  のっぺりしてる。


 同・旧図書館 S4 同上  いつまでも見ていたい。


 同・宣教師館 S4 同上  何棟かあります。


 聖和大学旧本館 S7 同上  現在は関西学院大学と合併。宣教師館は隣の敷地にあるみたいで発見出来ず。


 神戸女学院大学音楽学部1号館 S8 同上


 同・講堂 S8 同上


 同・総務館 S8 同上


 同・図書館本館 S8 同上  この建物が一番見たかった。


 同・ケンウッド館 S8 同上


 旧日光社七条営業所 T12頃 京都市  何度か利用しています。


 加藤ビル S初 同上  ステンドグラスもあり。


 旧京都電燈本社 S13 同上  五一物件。


 旧西本願寺大教校講堂 M12 同上  文化財特別公開中でした。


 旧浄土真宗信徒生命保険 М45 同上  初めて見たけどこれ凄い。


 中野公会堂 S3 福島県相馬市  震災の影響でしょう。


 旧相馬中学校講堂 S8 同上


 旧移郵便局 S13 福島県田村市


 ぬる湯旅館 S2 福島県三春町  レンガだよ。




 旧久米正雄邸 S5 福島県郡山市  小説家・俳人の久米正雄が鎌倉に建てた家を移築。


 旧大峰発電所 T10 同上  煉瓦の上にペンキか何か塗ってあります。


 岩瀬牧場旧事務所 S8 福島県鏡石町


 同・ツリーハウス 同上


 旧福井警察署 М32 福井県越前市  菊水。


 旧武生公会堂 S4 同上  求ム電線地中化。


 セーレン本館 S12 福井市


 福井銀行本店 S11 同上  近代化遺産調査報告書から古い建物と推察。


 旧足羽揚水ポンプ場 T13 同上


 旧鶉小学校奉安庫 S4 同上  大嫌いなクモの巣がいっぱい。


 旧鷹巣郵便局(戦前?)? 同上  現局の裏。たぶんこれでしょう。


 旧鶉郵便局 T14 同上  鶉と書いて「うずら」と読む。


 T邸 S戦前期 同上  


 旧松岡村役場 S3 福井県永平寺町


 旧東古市駅 T3 同上 


 旧岩治医院 М45 福井県大野市  木材をレンガ風に仕立てています。


 旧大野織物協同組合事務所 S12 同上  無理目な縦撮りに挑戦。


 旧竹下医院 詳細不明 福井県勝山市  新発見かと思いましたが二番乗りでした。街歩きの人は凄すぎるよ。


 金花堂八百支店 詳細不明 同上  旧銀行という情報もありますが、はて?


 旧木下機業場 М37以降 同上  ゆめおーれ。


 旧森田銀行本店 T9 福井県坂井市 


 旧萩野小学校笈松分校 S16 福井県越前町  ロケに使えそう。


 丹生郡森林組合 詳細不明 同上  織田森林組合事務所(旧織田村役場・S3)の事か?


 日本聖公会 京都聖三一教会 S5 京都市  人大杉で苦手な京都を少しずつ攻める。


 永原診療会 浄福寺診療所 S初 同上


 聖ヨゼフ修道院 門の家 T9 同上  レンタサイクルで京都市内を右往左往。


 旧木島櫻谷家住宅 T2頃 同上  99年目の初公開、らしい。


 正親小学校 S12 同上


 聚楽会館 詳細不明 同上  昭和20年代? 石碑を読んでも良く分かりません。


 京都下立売堀川郵便局の隣りの建物 詳細不明 同上


 日本正教会京都ハリストス正教会 М34 同上  飾り立てる言葉はいらない。


 夷川発電所 T3 同上


 鴨沂高校 S9 同上  和を感じる。


 旧京都織物本社本館倉庫 М22・S12 同上  正面が見えない。


 楽友会館 T14 同上  これ欲しい。


 京都大学 吉田寮 М45 同上  まさにカオス。


 左京区役所 S5~6 同上  移転により空家。閉鎖されています。


 京都大学基督教青年会館 T2 同上  これもレンガ造なのか。


 京都復活教会礼拝堂 S11 同上


 旧藤森湯 S5 同上  現在はカフェ。


 旧美芳堂 S4 同上


 上七軒歌舞練場 S6・S12 同上  接収中はダンスホールとして使われ北野キャバレーと呼ばれた。


 京都駅 H9 同上  バブリーな空間。


 旧高山製陶所 М39 同上


 築地 S9(改修) 同上  見るからに素敵なカフェ。一度入ってみたい。


 旧八千代館 S3頃 同上  残っていると思わなかった。


 旧大阪毎日新聞社京都支局 S3 同上


 錦湯 S2 同上  風情があるなぁ。


 大丸京都店 T15(S3・S10増築) 同上  八芒星。


 白青舎 T後? 同上  辻医院を含めて気になる建物。


 旧西陣織物館 T3 同上  本野精吾の設計。


 同志社女子大学 栄光館 S7 同上  聞いてないけど男は入れないんでしょうね。


 京都の個人邸 詳細不明 同上  地下鉄丸太町駅近くで見つけました。


 旧新城尋常高等小学校雨天体操場 S10 愛知県新城市  南に隣接して新しい体操場を建設中。


 旧豊橋電気見代発電所 М41 同上


 門谷の廃洋館 詳細不明 同上  旧医院という情報も見つけました。


 旧大野銀行本店 T14 同上


 旧鳳来町消防団第7分団第2部屯所 T10代 同上


 旧浜松銀行集会所 S5 静岡県浜松市  現在は木下恵介記念館。内容も楽しめました。


 旧常光水源地ポンプ室 S6 同上  登録文化財。


 静岡ハリストス正教会 S34 静岡市  まだ綺麗なのに建替えられるのは残念。  


 旧静岡連隊兵舎 М末~S初の間 同上  ネコちゃんに気付かれたww


 講談社旧本館 S8 東京都文京区


 不忍通りの洋館付住宅 詳細不明 同上  まだ残っていてホッとした。


 旧東京女子師範学校 S7 同上  今回は女子大もいくつか攻めてみました。


 同・旧附属高等女学校 S7(?) 同上  附属小学校はとっくに建て替えられていた。


 東京大学工学部1号館 S10 同上 


 同・農学部2号館 S11 同上


 同・理学部化学館 T5 同上  毛色の違うレンガの外壁。構造はRC造です。


 同・旧理学部1号館 T15 同上  表現派風。


 同・医学部2号館 S12 同上  裏にある解剖台の記念碑に言葉を失う。


 求道会館 T5 同上


 旧近藤酒造 T12 埼玉県小鹿野町  ロマネスク。


 旧小櫃医院 詳細不明 埼玉県秩父市


 旧光岩小学校 S9 同上  現在は養護学校。


 旧上中尾小学校 S7 同上  関根要太郎の実弟・山中節治の設計という。



 大量投稿で放心状態。 急いで作ったので内容の正確さは眉唾です(汗)。 週末は京都に遠征するのでまた少しお休み致します。

翁座

2012-10-18 18:48:00 | 岡山・広島・山口







 広島県上下町は山陰(石見銀山)と山陽(瀬戸内海)を結んだ石州街道の宿場町。 江戸幕府の天領として代官所も置かれ、いち早く中央の文化も伝わるなど大変に栄えた町だったそうです。 大正14(1925)年に本格的な歌舞伎劇場(芝居小屋)として建てられた翁座は京都の南座を模した設計とされ、その杮落し(こけらおとし)には長谷川一夫が公演したともいわれる歴史ある建物。 戦後には映画館として改装され活況を呈した時期もありましたが、映画産業の斜陽化と共に閉館されキャバレーや工場として使用される事もあったそうです。 平成5(1993)年にタレント・萩本欽一氏の「映画を掛けよう」の呼び掛けによりボランティア約500人が掃除と改修作業を行い、翌年には花道や桟敷が復元され満場の客と共に欽ちゃんの映画が上映されました。 以後も翁座主催の芸術祭や公演、観光客向けの内部公開なども行われていましたが平成22(2010)年3月末を持って閉館に至っているよう。 所有者の高齢化と建物の老朽化による修理費用が莫大になった事が大きな理由なのだそうです。  広島県府中市上下町  08年05月上旬



 

旧長濱検疫所 1号停留棟

2012-10-16 19:06:31 |  神奈川県


 明治12(1879)年、コレラ蔓延防止の為に三浦郡長浦(現在の横須賀市長浦)に設置された長浦消毒所は、明治28(1895)年に久良岐郡金沢村(現・横浜市金沢区長浜)に移転し長濱検疫所と呼ばれるようになりました。 およそ8ヘクタールにも及ぶ敷地には50棟もの木造建築群が配され、海外から来航する船舶の乗客や乗員から恐ろしい伝染病が国内に入らぬよう水際で阻止する役目を担っていたそうです。 この建物は伝染病の感染の疑いのある一等船客と上級船員を留め置く為のいわばホテル的施設として建てられたもので、関東大震災(大正12年・1923)で施設の大半は壊滅的な被害を受けましたが翌年に再建されたもののようです。  神奈川県横浜市金沢区長浜107-8  11年10月下旬

 ※参考『ヨコハマ建築慕情』 1991



 現在は横浜検疫所の資料館へと転用。 大正13(1924)年の再建か。


 全景写真を上手く撮れませんでしたが建物は間延びしたコの字型の平面プランをしています。




 コの字型の突き出した部分、建物に入ってすぐの部屋。 かつての食堂?


 

 昭和43(1968)年に海面が1・5キロほど埋め立てられましたが、かつては三方を山に囲われ海に開けた景勝の地でした。 芝地があり渓流があり、そして清風もある最高の環境だったのでしょう。 






 サンルームを兼ねるような幅の広い廊下。


 各部屋には展示物が雑多に置かれています。




 1号とは一等の事で、もちろん2号停留棟もありましたが居心地の良さは天と地ほどの開きがあったそうです。


 昭和22(1947)年に横浜検疫所に名称変更。




 明治32(1899)年の5月から9月という短い期間でしたが野口英世もこの検疫所に勤務していました。




 古い壁型電話機が人の顔に見えます。
 



 ネズミは疫病を媒介する厄介な存在。




 言われなくても触りません。 ましてや覗きこむなんて。。






 昔の潜水服のような防護服です。


 カヤが吊るされたベッド。




 展示物をずっと見ていたら少し息苦しくなってきた。


 リアルなの苦手。


 流れでブツブツに見える。。




 談話室。


 伝染病の潜伏期間が終わり無事外に出られるまでレコードでも聴きながらゆったり過ごしていたのでしょうか。


 突端がベイウインドウになっているので光も入り小さな部屋でも広く感じます。




 裏側に回ってみました。


 







 裏を見ると「長浜措置場」の文字。 昭和27(1952)年に横浜検疫所が中区海岸通に移転してからのここの呼び名ですね。


 長浜庁舎の施設公開は1年に一度の貴重なチャンス。 今月27日の土曜日が施設公開日です。

碌山美術館

2012-10-10 19:46:24 |  長野県


 日本近代彫刻の先駆者であり、東穂高村(現・安曇野市)出身の荻原碌山(1879~1910)の作品と資料を保存・公開する為に建設された個人美術館(昭和33年築・1958)。 まるで教会のような佇まいの建物は早稲田大学理工学部建築学科の主任教授だった今井兼次の設計によるもの。 キリスト教に傾倒し洗礼を受けた碌山にちなんだ建物は、①碌山の精神に通じる教会風の建物、②明治近代化のシンボルであるレンガを用いる、③北欧の風土に似た安曇野の自然と融合する構造、という事を意図して設計されたといわれています。  長野県安曇野市穂高5095-1  11年03月中旬

 ※参考『近代化遺産 ろまん紀行 東日本編』  2003



 29万9100余人から873万円もの寄付が集まって誕生した美術館。 建設工事には地元中学の生徒達も参加しレンガや玉石運びに協力したという。


 屋根に載る鐘楼。 本当に教会のような建物です。


 頂には不死鳥(フェニックス)。


 構造は鉄筋コンクリート造で外壁にレンガを使用しています。






 今井兼次(1895~1987)は昭和22(1947)年に妻・マリア静子を亡くした事をきっかけにカトリック受洗。 


 戦後においても戦前の表現主義的な建築を設計した今井ですが、この建物にはそうした要素は無いように思います。






 荻原碌山(本名・守衛)は農家の生まれ。


 当初は絵画を志し渡米するも、フランスで見たロダンの「考える人」に深く感動し次第に彫刻への志向が強くなっていく。


 取っ手に注目。 ドアノッカーもキツツキ型をしていて面白いですね。




 恋の三部作といわれる「文覚」「デスペア」「女」といった作品は、郷里の先輩でパトロンでもあった相馬愛蔵の妻・黒光(こっこう)への叶わぬ想いや絶望感、心でしか結ばれない苦悩などから生み出されたものという。


 LOVE IS ART、STRUGGLE IS BEAUTY.(愛は芸術なり、相剋は美なり) 守衛の求め続けた言葉が刻まれる。    


 3月の信州はまだ寒い。
 

 積み上げたレンガに温もりが灯る。




 ロマンチシズムな建物はひと際気高く美しい。

椎原医院

2012-10-05 07:43:33 | 大分・熊本・宮崎・鹿児島


 椎原医院は明治40(1907)年頃に初代院長がこの地に眼科医院を開業したのが始まりといわれ、この建物は昭和3(1928)年に建てられ同時に内科も診療科目に加わえられました。 昭和9(1934)年に御子息に代替わりした際に建物北側に病室と点滴室棟を増築、以後、平成8(1996)年6月に院長が亡くなるまで約60年間にも渡って医療活動が行われました。 現在は医療法人椎原会・椎原医院となって診療も再開されているようです。  鹿児島県南九州市川辺町中山田1888  12年01月上旬

 ※参考『鹿児島県の近代化遺産』  2004  



 左右対称の木造2階建て、半円のブロークン・ペディメントが目を引く。 門構えも立派ですね。


 軒下の装飾。


 ファンライトも半円型。


 玄関横のガラスブロックは後年の改造でしょうか。




 現在は引違い窓ですが当初は上げ下げ窓だったという。 内部は北へ向けて廊下が延びる中廊下型。




 雨雲の切れ間から新年最初の太陽が建物を照らし出す。 1月元旦の訪問でした。 

島会館

2012-10-04 17:43:30 | 富山・福井


 東京で「三秀社」という印刷会社を経営していた島連太郎の寄付によって建てられた図書館建築(昭和11年築・1936)。 世阿弥(ぜあみ)作の謡曲「花筐」(はながたみ)ゆかりの地として名付けられた花筐(かきょう)公園の南側に位置し、当初は粟田部町立・花筐文庫として建てられました。 昭和58(1983)年に今立町(昭和31年に粟田部町から名称変更)の新図書館が完成した後は地区の集会所や町役場の保管庫として利用されてきたそうです。  福井県越前市粟田部  12年09月中旬

 ※参考『福井県の近代化遺産』 1999



 左がRC造の書庫で右が木造平屋の閲覧室。 


 2つの建物は渡り廊下で繋がります。




  

 以前は玄関前に樹木が立っていましたが、それが無くなって随分スッキリとした印象になりました。


 玄関扉は鉄製の頑丈なもの。


 西面の2階部分に窓はありません。


 北西から見ると屋上がある事が分かります。


 カーテンウォールになってる階段室。 玄関上の庇は扇形にせり出す。


 錆色に染まるスチールサッシが美しい。


 昭和モダンという言葉がピッタリと当てはまる建物。 保存問題があるようなのがちょっと心配です。