旧勝目郵便局

2012-01-29 17:53:18 | 大分・熊本・宮崎・鹿児島


 年が明けて新年最初に訪れたこの建物は、明治22(1889)年に中山田郵便取扱所として開設されたのを起源とするかつての郵便局。 勝目村中山田に居を構えていた椎原氏が当初は自分の茅葺き住宅の一部を郵便業務の為に充てていたものの、常務拡大に伴って大正15(1926)年に役場跡地に局舎を新築移転し、さらにその局舎も昭和12(1937)年に取り壊し同年中に新しく完成させたのがこの建物だったそうです。  鹿児島県南九州市河辺町中山田1134-3  12年1月上旬

 ※参考『鹿児島県の近代化遺産』 2004 
 ※登録文化財としては昭和16(1941)年の建築となっています。



 昭和54(1979)年に国道沿いに新局舎が出来てからは使用される事が無くなり、現在はこの地域の倉庫として祭り道具などを保管しているという。


 〒マークは半ば消えかかる。


 字を書くのがヘタな者としては物凄く共感出来る字体。。


 色を失った世界で見つけた赤い郵便マーク。 『シンドラーのリスト』の赤い服の女の子を思い出しました。


 バリアフリーなんて程遠い。 でもこういう所も好きなんです。


 正面側の3面だけが下見板張りみたい。

旧中村病院(医院)

2012-01-21 22:04:47 |  三重県


 三重県名張市は江戸川乱歩(1894~1965)生誕の地。 生後1年も経たずに転居してしまったので実際には晩年に訪れるまで「見知らぬ故郷」だったそうですが、彼の生家のあった場所には生誕地碑が建立されていて今は観光スポットになっています。 そこから程近い場所に建っているのがこの木造洋館であり、大正12(1923)年に個人医院として建てられたものだそう。 竣工年しか建築データを持っていませんでしたが、ネット情報によると院長が亡くなった昭和32(1957)年以降は使用されなくなって、平成9(1997)年に現在の持ち主(酒造業経営)が譲り受けたとありました。  三重県名張市  11年12月下旬



 道路に面して門柱(?)が建つ。


 木目を生かした下見板張り。 当初からペンキが塗られていなかったのか、途中で傷んだ部材を張り直したのかは分かりません。


 この様子だと現在は物置代わりの可能性が高そうです。




 柱頭飾りは面白い形。


 見た限りでは木製の窓枠も全て残っています。


 正面は東向き。
 

 前面に比べると背面は老朽化が進んでいるのが見えて不安です。


 江戸川乱歩生誕地の碑。 冬場は太陽が昇ってくるのが遅くてここのベンチで時間を潰して過ごしました。

旧西浦郵便局

2012-01-19 19:37:32 |  石川県


 鹿頭の集落で代々地主を務めた森田家により昭和7(1932)年に建てられた郵便局舎。 当初は茅葺き屋根の大きな母屋の一部を改修して郵便事業に用いていましたが、事業内容の多様化に対処するべくこの建物を新築し、昭和53(1978)年まで郵便局舎として使用していたそうです。  石川県志賀町鹿頭  10年07月中旬

 ※参考 『石川県の近代化遺産』 2008



 植栽の状態を見れば、今はこの扉から人の出入りが無いであろう事が分かります。


 金物の持ち送りも錆びつく。


 ヘタに扉を開けたら中の物が崩れてきそう。 良く見ると窓の桟は〒を象っていますね。


 屋根に一対の鯱(しゃちほこ)。 火除けのおまじない。


 1階北側の壁がぶち抜かれて内部はガレージと物置になっていました。




 100メートル余りも西に行けば日本海が開けています。

長野商業高校同窓会館

2012-01-18 20:05:11 |  長野県


 明治33(1900)年創設、今年で112年目を迎える伝統校の正門脇にあるこの建物は、大正9(1920)年に開校20周年の記念事業として建てられたもの。 ファサードは平滑で装飾類も簡略・省略化されており、ある意味大正建築らしい雰囲気が感じとれる建物となっています。 長野県長野市妻科243  11年5月下旬



 扉やサッシは現代的な物に取り換えられていて利便性が図られる。




 建物の印象を決定づけるペディメント付近の装飾。


 日当たりの良い建物南面。


 木造2階建てです。




 こちらは北面。 上から見ると平面はT字型ですね。


 この建物が文化財にも指定されていないのは少々驚き。 埋もれた建物にならない事を祈りたい。

2011~2012年、九州の旅

2012-01-05 20:16:01 | その他・雑記

 (今村教会・大刀洗町)

 新年あけましておめでとうございます。 暮れから九州の方にまで足を延ばし、熊本と鹿児島を中心に今まで見る事が出来ていなかった建物を巡る旅をしていました。 まだまだ写真の整理が終わっていないので公開出来る建物は少ないのですが、今回の建築旅で特に印象に残った建物を少数ですが公表したいと思います。 詳細は別ブログ(西日本 近代建築万華鏡)にて後日アップする予定ですのでどうぞそちらを御覧下さい。 最後になりますが本年もまた宜しくお願い致します。   




 久留米で出会ったレンガの旧ポンプ所。


 裏通りにあった比良松の旧郵便局(朝倉市)。


 玉名にはアールデコの時計塔が聳える。


 「い業」の組合は千丁の駅前です(八代市)。


 菊池の個人医院は手の込んだ力作。


 旧制五高の赤煉瓦が目に眩しい。


 リズミカル・アーチ(熊本市)。


 ふるさと館に転用された旧村役場(相良村)。


 牧園町には寂れた旧郵便局(霧島市)。


 雨の中、一時(ひととき)だけ太陽が顔を覗かせた川辺町の個人医院(南九州市)。

 
 金山にある旧郵便局といわれる建物(枕崎市)。


 ゾワゾワが止まらない大浦町のハイキョ系(南さつま市)。


 加世田のハイカラさん(南さつま市)。


 カフェになってる旧医院(南さつま市)。


 交差点の医院建築(いちき串木野市)。


 起き抜けの顔を見に来ました(出水市)。