新日本製鐵室蘭製鉄所 知利別会館

2013-03-14 19:36:54 | 北海道 その他のエリア


 新日本製鐵(新日鉄)の前身会社である日本製鐵の幹部クラス向け職員倶楽部として昭和15(1940)年に建設。 工事の発注額は当時の金額で100万円以上だったといわれます。 終戦直後の約1年半は進駐軍に接収され宿泊所にあてられ、その後は社内外の来賓の接待や従業員の婚礼の場として用いられているようです。  北海道室蘭市知利別町4-27-1  11年04月下旬


 ※参考『道南・道央の建築探訪』 2004



 道路からは少し高台になった丘陵地の途中に門を構える。


 新日鉄の他に日本製鋼所も抱える室蘭は「鉄の街」と称され発展してきた歴史があります。


 白壁が清楚な雰囲気。


 鉄鋼会社の建物でもこの建物は木造建築。 昭和15年という当時の社会情勢も関係しているのでしょうか。


 企業施設という事もあり勝手に敷地内に入る事も憚られたので少し高台から眺めてみました。


 時計塔とか教会建築の塔のようにも見えます。




 庭木の間から微かに見えた南面。 1階部分には応接室や談話室、撞球場など主に洋室があり、2階には大広間や和室があって内部は和洋折衷になっているみたいです。

滝の上発電所

2012-09-07 18:10:40 | 北海道 その他のエリア


 大正13(1924)年、北海道炭礦汽船(北炭)により夕張川沿いに建てられた水力発電所。 2年後に竣工した清水沢火力発電所と共に北炭の各炭鉱(ヤマ)に電力を供給してきました。 しかし昭和62(1987)年の真谷地炭鉱の閉山により北炭は夕張での採炭事業から撤退、この発電所も平成6(1994)年に北海動企業局に1億円余りで譲渡され、現在は4~5月の融雪期のみの発電に供されています。  北海道夕張市滝ノ上5  11年05月上旬

 ※参考『道南・道央の建築探訪』 2004
    『そらち炭鉱遺産散歩』 2003



 イギリス積みのレンガ。


 ☆印(五稜星)は北炭の社章。 この部分は色ガラスが嵌まっています。


 レンガも苔生しる。




 櫛形窓の上にアーチ窓。 反対側の側面にこのアーチ窓はありません。


 

 雨混じりの天候で煉瓦の色も冴えず。


 道内における私企業設置の発電所としては最初の物だそう。 小規模ですが発電コストが安かった為に有効に活用された施設だったといわれます。

旧岡田邸

2011-05-15 19:27:51 | 北海道 その他のエリア


 清酒「北の誉」の創設者・岡田重次郎の住宅として昭和8(1933)年に建設。 2度に渡って皇室にもお泊り頂いた事があるという旭川を代表する邸宅です。 現在は旧岡田邸の再生活用を目指す財団法人が建物を取得、動態保存により建物の活用を図っているようです。  北海道旭川市5条通16丁目  11年05月上旬



 建物の北面。 実は全く知らない建物でしたので見つけたのは本当にラッキーでした。 


 ちょっとスパニッシュ風、でしょうか。


 こちらが正面玄関と思われます。






 西面のこの部分は階段室。 内部写真を見ると上の窓と下の窓では入ってくる光の色が違っていてとても幻想的。


 階段室上部の窓。


 西側全景。 大きくて立派な邸宅です。


 左側の出入り口。 こちらは日常的に使用していたものでしょうか。


 ガラスが割れてしまっていますね。 維持管理には並々ならぬ努力がおありでしょう。


 昭和モダンなブラケット。






 庭を囲んでL字型の建物です。




 門扉に括り付けられていたお知らせ。 予定表を見ると毎月一回、日曜日に公開しているようです。


 文化の継承は滞りなく続いていきます。 未来にエールを。

旧西田直次郎家住宅

2010-07-11 15:47:07 | 北海道 その他のエリア






 北一合資会社名寄木工場を経営し、明治から昭和初期の木材景気に乗って財を成した西田直次郎の私邸として大正11(1922)年に建設(昔の資料では昭和3年 1928)。 片流れ屋根や屋根窓、赤い屋根に緑とグレーの外壁など多彩な表現方法を駆使した賑やかな建物という印象です。 訪問時は市の職員会館として使用されており痛みが目立つ状態でしたが、平成19(2007)年頃に改修工事が行われ現在は「雪あかり館」という名称でピカピカになっているようです。  北海道名寄市大通北1-15  06年05月上旬

旧宮北秀吉家事務所

2009-09-11 07:05:52 | 北海道 その他のエリア



 大正4(1915)年頃に建てられた木骨石造りの建物。 設計はドイツ人と云われ、木材業を営んでいた施主の自宅兼事務所として美瑛産の軟石を積み上げて仕上げた建物だそうです。 1階と2階では窓上の形、外壁の目地の処理を変え、正面と側面とではペディメントの形も変えるなど小技を効かせています。 現在は旭川市の教育委員会が倉庫等として使用しているようです。  北海道旭川市9条10丁目  06年05月上旬

 ※写真が一部大きくなります。

北見ハッカ記念館

2009-06-09 07:12:14 | 北海道 その他のエリア










 旧北聯(ホクレン)野付牛薄荷工場研究室兼事務所(昭和10年築 1935)。 昭和初期に世界の薄荷(ハッカ)市場のおよそ7割を占めるまでに隆盛を極めていた北見ハッカの歴史を後世に伝える記念館。 飾り立てない木の温もりが豊かな時代を想起させます。  北海道北見市南仲町1-7-28  06年05月上旬

苫前町郷土資料館

2009-03-01 17:38:09 | 北海道 その他のエリア




 昭和3(1928)年竣工の旧苫前町役場を郷土資料館として再生活用。 当初は左右対称の外観だったそうなので、正面向かって右側の部分は後年の増築っぽい感じ。 よく見れば屋根の部分が合っていないですね。 朝早くの訪問で内部未見ですが、クマ関係の事件を扱った展示が面白いようです。  北海道苫前町苫前393  06年05月上旬 

旧雨煙別小学校

2009-02-28 00:00:00 | 北海道 その他のエリア



 昭和11(1936)年完成の2階建ての大きな木造校舎。 児童数の減少により平成10(1998)年に閉校しその存続が危ぶまれましたが、「コカ・コーラ環境ハウス」として環境や自然をテーマとする体験型の宿泊施設として再生される事になりました。  北海道栗山町雨煙別1  06年04月下旬


 ※おまけ こちらは同じ栗山町にある旧夕張鉄道 新二岐駅(大正15年築 1926)。 夕張鉄道の廃止に伴い昭和50(1975)年に廃駅となったものです。

兜沼郷土資料室

2008-11-28 07:09:03 | 北海道 その他のエリア




 昭和9(1934)年築の旧兜沼郵便局。 ファサードの腰壁部分のツートン模様や赤い屋根、白く塗られた窓枠・玄関扉など、カラフルでとってもお洒落な建物です。 住宅(後ろの2階建て部分)を兼ねているとはいえ、町の規模と比しても非常に大きな建物なので少々驚かされます。  北海道豊富町兜沼(かぶとぬま)  06年05月上旬

恵林館

2008-11-27 07:11:50 | 北海道 その他のエリア



 旧下川営林署(昭和12年築 1937)。 3つ並んだ半円のドーマー窓が可愛らしい建物。 元営林署の建物だけに良い木材を使用しているのか(?)、時を経ても綺麗な状態を保っています。  北海道下川町緑町222-2  06年05月上旬

 ※写真が一部大きくなります。


 ※おまけ  こちらは旧営林署の近くにあった建物。 それほど古いものではないと思いますが、なんとなく載せておきます。




 お次は町役場の並びで見つけた個人邸。 通りに面した窓には板が打ち付けてあり、人が住んでる気配は感じられませんでした。




 最後に山田石材店。 正面破風には☆に「北」のマークが入っており、2階の窓下には消えかかった文字ですが、「下川北星○○女学校」という名称も読み取れます(○○は読み取れず)。 詳細不明ですが気になる建物です。


小林酒造

2008-11-16 19:26:20 | 北海道 その他のエリア
 銘酒「北の錦」の酒造元であり、創業明治11(1878)年の小林酒造の敷地内には、煉瓦や石造の蔵が数多く建ち並んでいました。 新潟県出雲崎出身のもと廻船問屋だったという同家は、当初札幌で酒造を開始しましたが、生産販路の拡張と共に明治34(1901)年に現在の栗山町に移転してきたそうです。  北海道栗山町錦3-109  06年04月下旬

 北の錦記念館
 旧小林酒造事務所(昭和19年築 1944)。 小樽の銀行をモデルに設計されたという建物。 酒器のコレクションなどが展示されており、お酒の購入や試飲も出来ます。 2階には終戦後にGHQが駐留し簡易裁判を行ったという応接間もありました。




 隣接する煉瓦の建物は酒蔵への入口になっています。 個々の建物については良く分かりませんが、明治33(1900)年から大正11(1922)年頃までに建てられた倉庫などです。 旧石灰式ボイラー(潜水艦みたい。。)やトロッコのレールも見えますね。






 こちらの和風の建物は小林家の本宅(明治33年築 1900)。 ひとりで酒蔵をプラプラ見学していたら、ちょうど庭掃除をしている品の良さそうな老婦人に声を掛けられました。 どうやら小林家の奥様だったようで、私が東京から来たと告げると中に入ってお茶を飲んでいくように勧められましたが、時間もあまり無かったので(本当に)丁重にお断りする事に。 後日、『日本タイル博物誌』を見て知ったのですが、こちらのお宅のトイレの床及び腰壁には6種類のマジョリカ・タイルが貼られ、窓には赤と緑の板ガラスが使われているという物凄いものでした。 まさかこの建物に・・・といった感じで千載一遇の見学チャンスを逃してしまったですが、後の祭りですね。 一期一会という言葉の重みを知りました。。。 

 ※立ち入り不可なのでご注意!
  



 元役員住宅
 昭和元(1926)年もしくは昭和3(1928)年築。 内部は和風のようです。




 さらに奥にはこんな煉瓦の建物も。 多目的ホールやレストランのようでした。






 最後に昭和37(1962)年築の旧社宅。 見学者のトイレ及び杜氏(とうじ)の簡易な資料室に転用されています。


北海道大学 苫小牧研究林 森林記念館

2008-10-31 07:08:38 | 北海道 その他のエリア




 試験材料及標本貯蔵室として昭和10(1935)年に建設。 建物の右と左で全く印象の異なる建物なのは、内部の用途によって2つの部屋に仕切られているからでしょうか。 『道南・道央の建築探訪』によると、内部は吹き抜けの平屋建てになっていて、鉄製のらせん階段によって2階の廻廊に上がれるようになっているそうです。 ヒグマ注意の看板があちこち立っているような場所にありました。  北海道苫小牧市(とまこまいし)高丘無番地  06年04月下旬

 ※おまけ  同じ苫小牧市内にある王子製紙倶楽部(昭和11年築 1936)。 門越しに正面から眺めただけなので奥行きが分からないのですが、倶楽部建築だけに内部は贅を凝らしたものになっていると思います。  王子町3-7  


我路郵便局

2008-04-04 07:17:44 | 北海道 その他のエリア


 昭和5(1930)年に建てられたレンガ造りの郵便局。 三井や三菱といった大規模炭鉱によって、美唄(びばい)が石炭の町として賑わっていたのも遥か遠い昔の出来事のよう。 我路(がろ)の町には、人が住まなくなって荒れ放題の家々がそこかしこに見られます。 ホームシックにも似た感情を抑えきれず、直ぐにその場を立ち去る事しか自分には出来きませんでした。 そうは遠くない未来に、この町は栄光の歴史や様々な思い出といったものと共に、人々の記憶の中にだけ存在する町になっているのかも知れません。  北海道美唄市我路町3条  06年05月上旬

酪農学園大学旧精農寮

2008-03-04 18:28:07 | 北海道 その他のエリア





 昭和20(1945)年築の煉瓦造りの建物で、見る角度によって表情がガラリと変わる楽しさを持っています。 レンガ積みの実習を兼ねて教員と学生が一緒になって建設に参加したと云われるだけに、表面の凸凹もかえって人の手の暖かみが感じられる仕上がり。 1階部分の「焼き過ぎレンガ」と緑色の屋根(当初はワラぶき屋根だったとか)が表情の変化に華を添え、白樺越しの風景に彩りを与えていました。  北海道江別市文京台緑町582-1  06年05月上旬