ガリ版伝承館

2008-08-31 17:14:27 |  滋賀県




 ガリ版の発明者・堀井新治郎父子(2代目襲名)の本家として建てられた洋館(明治42年築 1909)。 現在はガリ版器材や印刷物の展示館となって、ガリ版文化に触れられる施設に転用されています。
 70年代生まれの管理人は「ガリ版」と聞いても何の事だかピンとこなかったのですが、ガリ版とは明治27(1894)年に発明された「謄写板」の事であって、大量に同じ物を簡単に印刷できる印刷機の事。 明治期~昭和50年代初め頃までは簡易の印刷手段として盛んに用いられていたそうです。  滋賀県東近江市蒲生岡本町663  07年11月下旬



 堀井元紀翁の像。

弘前学院外人宣教師館

2008-08-30 14:20:52 | きた東北 (青森・秋田・岩手)







 メソジスト系ミッションスクールである弘前学院に赴任してくる婦人宣教師の為の宿舎として、明治39(1906)年に建設。 設計施工はクリスチャン棟梁であった桜庭駒五郎と伝えられます。 昭和55(1980)年に市内中瓦ヶ町から移築され、現在は国の重要文化財指定を受けています。

 8角形の塔屋が印象的な建物ですが、個人的には西面に張り出した階段部分と、その上の破風の織り成す造形が何とも言えず好み。 北面のガラス張りのベランダにまで続く屋根の持ち送りがリズミカルで、外壁の色との相乗効果で軽快な雰囲気が漂います。 クリーム色の下見板に現在は茶色で縁取りがされていますが、一時期この茶色の部分は緑色で塗られ、その時はグリーンハウスと呼ばれていたとか。 それはちょっと想像できませんね。  青森県弘前市稔町13-1 弘前学院内  07年04月下旬


 

日本クレーン協会長野支部博物館

2008-08-29 07:09:05 |  長野県



 旧池田警察署庁舎(明治26年築 1893)。 旧警察署にしては威圧感などもなく、軒下に付いたレース状のバージボードが、こぢんまりとした建物を可愛らしく演出しています。 2階の窓が1階の屋根部分から立ち上がっているのですが、床面と同じ高さに窓の開口部があるという事でしょうか・・・? 建物は警察署として使用された後は水利事務所、公民館と用途を変え、昭和63(1988)年に現在地に移築。 自動車学校の事務局に利用されていたそうです。  長野県長野市篠ノ井布施五明463-3  07年07月下旬

旧水海道小学校

2008-08-28 07:12:39 | 北関東3県 (茨城・栃木・群馬)




 帽子を被ったような八角形の鼓楼が印象的な明治の擬洋風建築(明治14年築 1881)。 名前の通り、当初は県内水海道(みつかいどう)市に町民有志の寄付金をもとに建設されたもので、地元の宮大工・羽田甚蔵が横浜まで洋風建築の技法を学びにいってこの建物に取り掛かったそうです。 大変頑丈な造りだったらしく、明治35(1902)年に関東を襲った大暴風雨により多くの小学校が倒壊するなかで、この建物だけはビクともしなかったという話も。 その後、移築・改造等もあったようですが、現在地である茨城県立歴史館に再移築、保存されるにあたり創建時の姿に復元されました。 但し外壁に関しては現在の建物は下見板張りになっていますが、当初は白漆喰塗りだったようです。

 現在は教育資料の展示が行われており、2階には立ち入りできませんが1階部分は無料で見学可能です。 外観は玄関部分の張り出しがかなり大きくて、以外に奥行きのある建物といった感じ。 特徴的な鼓楼部分をよく見てみれば、てすりには何かの木の模様が彫られていて面白いです。 こういった遊び心のある点が擬洋風建築の楽しみの一つだと思います。  茨城県水戸市緑町2-1-15  茨城県立歴史館内  07年04月中旬

 ※写真が一部大きくなります。

 ※おまけ こちらは同じ敷地内にある 旧水戸農業高校本館(明治期)。 玄関部分以外は復元らしいです。  


丈生幼稚園

2008-08-27 07:07:53 | 富山・福井



 旧福井県警察部庁舎(明治32年頃築 1899)。 福井市から移築(大正13年 1924)された望楼付きの建物で、現在は幼稚園の園舎に転用されています。 武生(たけふ)にはかつて越前の国府が置かれていたというだけに、当時からの歴史を感じさせるようなお寺がこの辺りには多いです。  福井県越前市(旧武生市)京町3-3-5  08年07月下旬

 ※現在は幼稚園ですので、見学の際は十分ご注意下さい。 


 
 ※おまけ その1  こちらはすぐ近くにある 旧井上歯科医院(明治41年築 1908)。 夏場は緑が生い茂って建物が良く見えません・・・





 ※おまけ その2  旧井上歯科医院から丈生幼稚園に向かう途中にあった煉瓦の建物。 駐車場の奥にチラリと見えましたが、詳細は不明です。 


残された洋風事務所

2008-08-26 07:11:49 | きた東北 (青森・秋田・岩手)



 秋田再訪1日目。 米代(よねしろ)川沿いに歩を進める。 現存していないと思っていた鉄工所の建物は、かろうじてこの事務所だけが残されていました。 ハッキリとした建築年代は分からなかったのですが、鉄工所の他の建物が昭和10年代に建てられたみたいなので、この洋風事務所も恐らくその頃かと思います。 この建物が何故残されたのか、答えは私の考えの及ばぬ所にあるかも知れませんが、全てが一度に消え去る事は、ここで働いていた人達にとっては堪らない寂しさや不安を感じてしまうのでしょうね。  秋田県大館市  08年08月中旬

 ※危険ですので建物には近づかぬよう、お願い致します。 

菅澤眼科クリニック

2008-08-25 07:12:04 |  大阪府




 昭和3(1928)年築。 角地でもないのに正面玄関を角のR部分に持ってくるという不思議な造形。 全体的には古典的な雰囲気ですが、玄関両脇の柱の上部の装飾はモダン(アール・デコ?)な雰囲気で、よく見ればこの周辺のタイルだけ色や大きさが違うのですが、これは何か意図的なものでしょうか。 外壁とステンドグラスはドイツ製、2階病室は全室造りが異なっていて、古くからの患者さんはお気に入りの部屋を指定して入院していたとか。 時代のおおらかさを感じさせる良いエピソードですね。  大阪府大阪市西区土佐堀2-3-5  08年01月上旬

二俣公会堂

2008-08-24 13:39:36 |  静岡県



 ネットで見つけた下見板の公会堂。 山奥の辺鄙な場所、超マイナー建築という事で私が見に行くべき(?)建物と思い訪問してみました。 明治13(1880)年築の旧伊久美銀行の建物だそうですが、本当にそんなに古いの?  静岡県島田市伊久美1019  08年07月中旬

旧通信電設浜ビル

2008-08-23 00:00:00 | 北海道主要部 (札幌・小樽・函館)



 現・協和浜ビル(昭和8年築 1933)。 運河沿いに姿を見せるこの建物は、小樽初の貸しビルとして建てられたもの。 パッと見は4階部分のアーチ窓位しか印象に残りませんが、柱に埋め込まれた照明など玄関周りの装飾はなかなか手が込んでいます。 建築後間もなく、石原裕次郎の父親が勤務した山下汽船小樽支店が、この建物の3、4階に入居していたそうです。  北海道小樽市色内1-2-18  07年05月上旬 

桜櫓館

2008-08-22 00:00:00 | きた東北 (青森・秋田・岩手)










 大館市がまだ大館町であった時の最後の町長・桜場文蔵氏の邸宅として建てられた望楼・洋館付の住宅(昭和8年築 1933)。 1枚板のケヤキの床板をはじめ各部には天然秋田杉などの良材が惜しみなく使用され、障子には干網や富士山の図柄、階段の親柱には菊の紋所などが意匠されています。 そしてわざと狭く作られている(何故?)という階段を上がって展望台に辿り着けば、そこには付近一帯を一望できる眺め。 この建物を建設中に町長に初当選した桜場氏は、ここから眼下に広がる街並みを見つつこれからの町政に思いを巡らせていたのだとか。 重責を担う氏の瞳に写る町の景色は、他の人とはまた違ったものだったのでしょうか。  秋田県大館市中城13-3  05年11月中旬他

旧西村写真館

2008-08-21 19:37:46 | 南とうほく (宮城・山形・福島)



 山形市内はレトロ建築の意外な(でもない?)宝庫。 大正10(1921)年築のハイカラ写真館に足を止める。 写真術が日本に入ってきたのは幕末の頃からで、明治や大正の頃の写真師といえばモダンであり前衛的、時代の先端を行く職業だったとか。 その写真館の建物を建築用語で上手に表現できない自分にモドカシサを感じつつ、写真でじっくり見てください、ってのもアリかと思う今日この頃です。  山形県山形市本町2丁目  08年08月中旬

 ※現在は個人邸ですので、見学の際はご配慮願います。
  写真が一部大きくなります。

 ※記事内容に加筆修正を加えました。
  この建物はそれまでの旅館を廃業し、写真館を開業するにあたって建設されたそうです。 その写真館も平成7(1995)年に廃業。

水沢市緯度観測所旧本館

2008-08-19 18:07:54 | きた東北 (青森・秋田・岩手)





 世界に6か所設置された緯度観測所の一つ。 この建物は大正10(1921)年に建設され、昭和41(1966)年まで観測所本館として利用された後は会議や資料の展示の場となっていましたが、老朽化を理由にして平成17(2005)年に解体が決定。 宮沢賢治(1896~1933)もしばしば通い、『銀河鉄道の夜』に見られる彼独特の宇宙観を育んだとも云われる建物は取り壊しの運命にありましたが、この決定に接した市民達の間に保存を求める運動が広まり、結果として新生・奥州市(水沢・江刺等が合併し2006年誕生)が無償で譲り受け、保存・活用することになりました。

 およそ3年ぶりの訪問でしたが、奥州宇宙遊学館と名前を変えた建物は活用に向けて南側(背面側)に曳き家され、建物前面に駐車スペースが割り当てられたので、シンメトリー(左右対称)の美しい全体像を真正面から見る事が出来るようになっていました。 耐震工事など大規模な改修を受けているので内部はかなり新しく感じましたが、両翼にある階段室などは当時の面影が残っているような雰囲気。 賢治と観測所にまつわる展示も良かったのですが、個人的に一番のお勧めは四次元デジタル宇宙シアター。 1日に2度(月・木は1度)しか上映していませんが、3Dメガネをかけての星間旅行は見応え十分。 天空がぐわんぐわん回るので、乗り物酔いしやすい人は注意が必要ですが、宇宙の広さが分かり易く体感できるので一見の価値ありだと思います。  岩手県奥州市水沢区星ガ丘町2-12  08年08月中旬他  

夏休み

2008-08-08 07:06:38 | その他・雑記
 来週からお盆休みで外出しますので、ブログもしばらくお休みにします。 留守の間は↓の写真でお楽しみください。 写真の載せすぎで10000字の字数制限に引っ掛かっているので、これ以上本文が書けません・・・それでは。























































 東北方面にお出掛けしてきます(たぶん)。

旧名栗郵便局

2008-08-06 07:10:33 | 埼玉・千葉




 青梅から秩父に抜ける道すがら、昭和4(1929)年に建てられた旧郵便局舎に立ち寄り。 昭和55(1980)年まで、50年以上もの間に渡って郵便業務に携わった建物は、現在は倉庫として第二の人生(?)を送っている様子。 きれいに手入れされた建物は、これからも山深い小さな町のメインストリートで静かに職務を続けます。 孔雀のような鳥さんの姿がカワイイ。。。  埼玉県飯能市下名栗  08年07月中旬