旧永井歯科医院

2011-09-30 19:11:22 | 岡山・広島・山口


 大正5(1916)年完成の洋館医院。 岡山県東備地区では2番目に古く開設された歯科診療所でしたが平成10(1998)年に閉院し、現在は住宅としてのみ使用されているようです。  岡山県和気町和気  10年04月下旬



 外壁はドイツ下見板張り、ライトブルーのペンキ仕上げ。 昔の写真を見ると淡い黄色のような色で塗られていました。








 塔屋部分には円形の(?)ドーマー窓が3面にありましたが雨漏り等の為に取り除かれ、約5メートルもあったという装飾付きの立派な避雷針も戦時中の金属供出で失われてしまったという。


 持ち送りもしっかり。




 前面道路のかさ上げで基礎の部分も何段か埋まってしまっています。


 1階部分が和室の住居で2階が診療室。 階段部分の写真を見ると螺旋状で急傾斜になっているので診察を受ける患者さんも2階に上がるのはちょっと大変だったかも知れません。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旧加古川町公会堂

2011-09-28 19:21:49 | 京都・兵庫


 現在は加古川市立図書館として活用されているこの建物は、かつては加古川町公会堂だった建物。 昭和2(1927)年に火災で焼失した旧公会堂に代わって昭和10(1935)年に建てられたものだそうです。  兵庫県加古川市加古川町木村226-1  11年09月下旬



 建物の設計は置塩章。 関西の公共建築では良く聞く名前で、関東では旧茨城県庁舎(昭和5年)が知られています。








 塔屋には加古川の市章が飾られる。 ( )カッコの間に「川」でかっこがわ→かこがわという事でしょうか。


 半円の大きなステンドグラス。 幾何学模様のデザインがファサードに鏤(ちりば)められています。




 建設当時の流行であるスクラッチタイル。




 この“くるりん”は建築用語的には何と呼ぶのでしょうね。


 10時開館に合わせて中へ。


 大勢の人の体が触れる部分だけに柔らかい曲線が用いられています。 外観の厳めしいゴシック様式とは対照的。
 



 光のシェルに包まれて。 至福の空間。


 ステンドグラスは綺麗な状態を保っていますが、割れたり欠けたりしていた十数枚を近くでお店を構える神田陶器商店さんが無償で修理を申し出て直されたものだそうです。 地域の人達に愛され密接な関係にある建物だという事が窺えますね。


 上記の神田さん所有の神田家住宅洋館(登録文化財)。 貴重なお話を聞かせて頂きました。  


 旧公会堂に戻ります。






 建物の南面。


 公園に面した後ろ側のデザインはかなりシンプル。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旧若松労働会館

2011-09-14 19:13:24 | 福岡・長崎・佐賀


 大正15(1926)年築のこの建物は昭和24(1949)年までは若松連歌町病院だった建物。 昭和32(1957)年からは若松地区の労働者の福利厚生や権利活動の拠点である労働会館として使用されてきました。 2年前に訪問した時には玄関に「若松地区労組協議会」という看板がかかっていましたが、今年の3月に地区労は解散・退去、現在この建物は空き家になっているのかも知れません。  福岡県北九州市若松区浜町2-6-7  09年04月下旬







 タイルがアクセント。








 鉱滓レンガでしょうか。


 向かいの建物が取り壊されていなかったら「引き」が取れそうもない路地に建っています。


 さっき来た道を引き返す。 光の射す方へ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旧上野啓文堂

2011-09-02 07:18:02 |  石川県


 氷見の出身で金沢で万年筆・文房具商いの修行を終えた上野啓氏が、万年筆専門・文具店を開業するにあたって昭和7(1932)年頃に建設。 自らが外観をデザインし細部にわたるまで職人に指示を出したと伝わり、竣工当時は3階建てでバルコニーまであった建物といわれます。 万年筆を専門販売し高級文具類まで広く取り扱いましたが、近隣には小中学校や女学校、商業学校から船員学校まであった事から店は大繁盛し、戦中には出征する学徒達がここで万年筆を買い求め戦地へ赴いたという、ちょっと切ないエピソードも残る建物です。  石川県七尾市一本杉町32-1  06年08月中旬他

 ※参考『石川県の近代化遺産』 2008



 万年筆のペン先型の窓が二つ。 その下にはインク瓶と万年筆本体をモチーフとした装飾があります。


 柱頭飾り。


 ◯◯◯◯◯◯◯…。


 現在は雑貨店として上手に活用されているよう。 いつまでも大切にしてほしい建物であります。
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

旧宮宿郵便局

2011-09-01 19:00:28 | 南とうほく (宮城・山形・福島)


 大正13(1924)年に建てられた郵便局舎(大正15年という情報もあり)。 設計は東北地方初の建築事務所である秦・伊藤建築設計事務所によるもので、大正13年に設立された同事務所にとっては最初期の作品となるものです。  山形県朝日町宮宿1173-2  09年08月中旬


 


 レンガ色のドイツ壁に上げ下げ窓が残る。


 窓間に柱型のように白い縦線が入り、妻面の化粧材と共に壁面との陰影を強調しています。


 玄関の風除室は後年の増設。 当初は正面の破風と似たような形状の庇があったそうです。 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする