旧岡崎銀行本店(大正6年築 1917)。 明治時代の始まりと共に紡績など地元産業が発展し、金融機関設立の必要性に迫られた地元財界人達により明治23(1890)年に設立されたのが岡崎銀行であり、この建物は大正6年に銀行本店を現在地に移転した時に建てられたものです。 昭和20(1945)年7月の岡崎空襲により煉瓦の外壁を残して建物は焼失しましたが、同様に空襲でビルを焼失していた岡崎商工会議所により終戦後に買い取られ内部を修復される形で使用されました。 その後は老朽化の問題等により取り壊しの話も出ましたが、岡崎信用金庫が建物を買い取って内部を鉄筋コンクリートで補強するなどして復元改装、現在は資料館として公開するに至っています。 愛知県岡崎市伝馬通1-58 07年09月下旬他
※参考 『東海の近代建築』 1981
旧東海道に面する南側が正面ですが資料館の入り口はこの西側。
赤レンガと御影石(花崗岩)のコンビネーション。
こちらが本来の正面玄関。 南側は御影石が多く使われていますが、石灯籠を作る職人の多かった岡崎でもこれだけの石の化工は難工事だったそう。
半円球を連ねた装飾が各所にワンポイントで使われています。
東側の尖塔屋根。
建物の設計者は鈴木禎次(1870~1941)。 名古屋高等工業学校建築課創設直後から教授を務め、後に独立し愛知県内に数多くの建物を手掛けました。
装飾を簡略化して古典的な建築意匠からは脱却。 セセッションの影響があるともいわれます。
無料の資料館でしたが撮影は禁止でしたので内部写真はありません。
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