京都大学は明治30(1897)年に第三高等学校の敷地であった現在の本部構内に、京都帝国大学理工科大学(後の理学部・工学部)として設置されたのが一般的な始まりとされます。 その後、法科大学・医学大学、文科大学が順次設置され、分科大学制が学部制に変わった後は経済学部の設置と続けられました。 工学部に建築学科が開設されるのは大正9(1920)年の事、創設委員で学科主任教授であった武田五一(1872~1938)は自ら建築設計顧問に就任し、セセッションに代表される新しい建築意匠の建物をキャンパス内に設計していく事になります。 写真の建築学教室本館は大正11(1922)年に竣工したもので、京都大学における最初のRC造建築であり初めて瓦屋根を持たない建築の出現でもありました。 京都府京都市左京区吉田本町36-1 12年12月上旬
※参考『京都大学建築八十年のあゆみ 京都大学歴史的建造物調査報告』 1977
玄関上部の湾曲した壁面とバルコニー。
小豆色のタイルとチョコレート色のタイルで模様を描いています。
玄関を縁取る卍。
バルコニーは両端にもありました。
貼り紙を読むと通常は閉鎖されているようです。
中を覗くと緩やかにカーブした階段が。
上がってみたい衝動に駆られます。
裏に回ってみました。
この半円にさっき表から見た階段が収まっています。
窓にはクローバーをデザインしたようなステンドグラスも嵌まっていますね。
こちらも同じく。
東側に渡り廊下で繋がった建物があります。
建築学教室東別館(昭和12年築・1937 設計・大倉三郎)になるのでしょうか。
昭和7(1932)年、還暦を機に武田五一は京大教授を退官。 以後は愛弟子であった大倉三郎などが跡を引き継いでキャンパスの拡充が図られていく事になります。
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