蔦の絡まるトンガリ屋根のこの建物は昭和11(1936)年に建てられた個人医院。 建築が趣味であった施主(初代院長)が留学先で見たドイツの城郭をモデルとして半年間をかけて自ら図面を引き、引き直す事30回の後に「京都あめりか屋」に発注し、その案を元に図面の修正が行われ完成したのだそうです。 平面は中庭のあるロの字型で円筒のある北側(写真向かって左側)は住居で南が病院部分、その病院部分の2階は入院患者用の病室になっているようです。 京都府京都市中京区麩屋町通六角下る坂井町470 13年05月中旬
※参考 『京都の洋館』 2004
『京都の近代化遺産』 2007
北西から見た外観。 木造2階建て(一部3階)で円筒部分の1階は応接室に充てられています。 右隣に新しい建物があるのでここはもう住居だけの使用かも。
玄関扉は新しそうですが菱形デザインのステンドグラスは建築当初の物でしょうね。
ブラケットも古そう。
診察室には初代院長がドイツから取り寄せた医療器具もあったという。 今もあるのでしょうか。
避雷針はアールデコ風。
三角の切妻を見せるこの部分は階段室になっています。
京都あめりか屋の設計担当は首藤重吉という人物。
蔦の葉が風にざわめく姿はまるで建物に生命が宿っているかのような錯覚を抱かせる。
随所にこだわりを感じます
古い建物と蔦のコラボレーション大好きなんですが、
確実に建物が傷むなと思ったんですが、
しっかりネットを張ってそこを這ってるんですね。
珍しい…。しっかり手入れがされてそうです。
きっと建物を大事にされてるんですな。
ちょっと嬉しい。
とかいいつつ、個人的には、
建物と蔦が一体化していくさまも
廃な感じで好きなんですが…ごにょごにょ(笑)
家主の建築に対する拘りは一筋縄ではないのでしょう。
もし医院としてもう使用していないのなら、記念館として一般に公開してほしいくらいですね(笑)。
蔦を建物に這わすと夏は青々と繁り、秋冬は葉っぱが赤く紅葉して季節を強く感じさせますね。
ただ確実に建物は傷めますから、ここのようにネットを設置してそこに這わすのは賢いやり方だと思います。
築80年近い建物なのにしっかりと手入れが行き届き、見ていて気分良くなる建物でした。
廃っぽい建物と生い茂る植物の対比には私も惹かれるものがあります。
このブログへのアクセスワードの上位20件を見ると、毎回3~4件は廃っぽい建物がランクインしています。
行方の赤別荘とか旧茨城県畜産試験場庁舎とか古河(茨城)のH邸とか。
どうやら趣味嗜好の似ている人達に支えられているブログみたいですね(汗)。