ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

素敵な相棒 ~フランクじいさんとロボットヘルパー~

2013-08-10 12:53:11 | さ行

想像とは違いましたが。


「素敵な相棒 ~フランクじいさんとロボットヘルパー~」61点★★★


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近い未来。

ガンコで偏屈なフランクじいさん(フランク・ランジェラ)は
70歳で一人暮らし。

最近、物忘れもひどくなってきた。

そんな彼を心配して
離れて暮らす息子(ジェームズ・マースデン)が
ヘルパーをする高性能ロボットを持ってくる。

しかしフランクじいさんは
まったくお気に召さず……?!

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サンダンス映画祭で
“科学的内容を持つ優れた作品”に贈られる賞を受賞した作品です。


ロボットと人の交流話って
悲しい結末が多いから、腰引けがちなんだけど

でも、これは
そういうタイプの映画ではなかった。

主人公のフランクじいさんは
なんと「元泥棒」という意外にファンキーな設定で(笑)

そんなじいさんに送り込まれたロボットは
じいさんを凹ますほどの頑固さというか
無理矢理「散歩しなさい」とか「野菜料理を食べなさい」とか命令する。

孤独なじいさんは、ロボットとのやりとりのなかで
だんだん元気になっていくという話。

ただね……
うーん、非常につまらない見方なのはわかってるんですが
ふたりが力を合わせて取り組むのが「泥棒」ってところにどうしてもひっかかり、
先に進めなかったんですよねえ。

モラルを脇においてものめり込める愉快さ、というほどでもなくて。

人間の「記憶」とロボットの「メモリー」を
かけているのはわかるんですが

映画のキモが「やさしい嘘と贈り物」そのままなんですよねえ。
偶然だと思うんだけど。


と、正直あまりピンとこなかったんです。

しか~し。
おなじみ『週刊朝日』ツウの一見で
ロボット工学博士の古田貴之さんに、お話を伺って
見方がグルンと一回転した。

古田さんはフランクじいさんと同じく
「介護ロボットなんぞいらん!」派だったそうなんですが
「こういう介護ロボットならありかも」と
認識がひっくり返ったそうなんです。

「ロボット関係者は全員観るべき」とおっしゃっていました。

これはぜひ、読んでいただきたい……。

発売はちょっと先で8/20になりそうですが
ぜひ、ぜひ!


★8/10(土)から角川シネマ有楽町ほかで公開。

「素敵な相棒 ~フランクじいさんとロボットヘルパー~」公式サイト
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