ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

やさしい嘘と贈り物

2010-02-25 04:18:40 | や行
映画好きとして
いつも歯ぎしりするのは
前宣伝によるネタバレ。しかも無邪気な。

ミステリ作品じゃなくたって
せっかく監督の組み立てた仕掛けを
最初っからばらしちゃうのって重罪よ?


この映画もぜひ
予備知識ナシで見て欲しいんですが。


「やさしい嘘と贈り物」70点★★★


主人公はアメリカの小さな町で
一人暮らしをする老紳士ロバート。

ある日、家の向かいに
老婦人メアリーが引っ越してくる。

やがてロバートは
優しく美しいメアリーに恋をするのだけれど・・・というお話。


単なる「老人の恋バナ」ではなく
そこはちゃんと仕掛けがあります。

冒頭からすこーしミステリアスな空気があり
それを感じながらも

四角四面なロバートが
勤めているスーパーマーケットの若い店長に
マジメにデートの手ほどきを受けたりとか

たっぷりの笑えるシーンや
胸がキュンとするシーンを経て

でも最後の種明かしはちょっと切ない、という映画です。


監督はなんと24歳。
やや若さと青さはあるものの

老い、愛、そして哀しみを
とても丁寧に表現してる。


なんといっても敬意を持って
老人にしか出せない味と魅力を
フィルムに残そうとしているのがよくわかるし


それに答えようと
主演の70代のアカデミー賞俳優コンビ
「エド・ウッド」のマーティン・ランドー(78歳!)と
「アリスの恋」のエレン・バースティン(77歳!)が

やはり敬意と優しさを持って演じている。


だから映画全体がほんのりと
あったかいんです。
ご夫婦でカップルで、家族で見るのオススメですね。


でも、タイトルに「嘘」ってつけるのって
どうなのか・・・←まだ言ってる。


★3/27からシネスイッチ銀座ほか全国順次公開。

「やさしい嘘と贈り物」公式サイト

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4 コメント

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あぁ (三本毛)
2010-02-25 08:09:54
なるほど、それで番長は怒っている(ってほどでもないけど)のですか。
見ている途中で「タイトルにあった嘘って……」って気付いちゃうんだ。できればまだ気付きたくなかったのに。
そうなら罪だね。

ってここまで書いて、原題はどうなんだろうと思って公式サイト見たら、映画のコピーが思いっきりネタばらしてた……。
前宣伝ってこれのこと? ならたしかに、これは知りたくなかったかも! これって映画のキモじゃないの?

まあ、考えようによっちゃ、内容を知って映画に興味持つ人もいるだろうから、宣伝としてはアリなのかもね。
でも、「せっかく監督の組み立てた仕掛けを最初っからばらしちゃうのって重罪よ」という番長に、一票だな。
ワタクシも、知りたくなかった。
これ知ってるのと知らないのとでは、映画の前半の見方がだいぶ違うんじゃなかな。

あぁ、物語の仕掛けを純粋に楽しみたかった……無念。
返信する
ねたバレ (ぽつお番長)
2010-02-25 11:08:00

清き一票をありがとう!

原題は「LOVELY、STILL」。

番長は原題で見たので
あとから邦題を聞いて
「なんだよ~」と思ったんだけど

それより
三本毛さんが気づいちゃったとおり
コピーが全部ばらしてた・・・

コレ知らないで見たほうが
絶対いいんですよ。
うすうす・・・という感じはあるんだもん。

ただ宣伝会社の人も
悩みどころではあったみたい。
一般に日本って
説明しないと客がこないのかもね・・・


昨日見た「あの夏の子供たち」(5月公開)
というフランス映画も
すごくよかったんですが

たぶんこれも
「えー、言っちゃうんだ・・・」って
なるだろうな。

そこキモだよ、キモ!
返信する
難しい (じょうさま)
2010-02-26 15:13:48
どこまで、ネタをバラスのかって、相当難しそうだね
皆に見て欲しいから惹きつける内容を広告しないといけないんだろうしね



番長、3月のひな祭りやろう
クリスマスケーキのリベンジで又皆で作る?
返信する
やろうやろう (ぽつお番長)
2010-02-27 14:17:13

ひな祭り~

よーしレベルアップしたケーキ作るぞ~
返信する

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