英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

気まぐれ初心者将棋講座③

2009-11-08 21:51:14 | 詰将棋
 前回の解答です。



 第10図は、「頭金」の応用問題です。
 まず、普通に▲3二金と迫ってみます。しかし、△5一玉で捕まりません。
 そこで、逆から▲7一飛と逃げ道を封鎖する手が考えられます。△5一に合駒を打たせて、▲3二金(A図)で詰むというわけです。



しかし、▲7一飛には△6一合駒(B図)と5一の地点を空けて受けられるとうまくいきません。


  (6一の合駒は他の駒でもよい)

 そこで、もう一工夫が必要になります。
 第10図で後手の玉が3一だったら、3二金の頭金で詰みます。というわけで、後手玉を3一に移動させられれば、問題は解決します。
 それにはどうしたらいいか?3一に餌を置いてみましょう。先手の持駒には、飛車がありますね。そう、この飛車を餌にするのです。



 ▲3一飛(C図)はタダ、しかも、大切な飛車なので、捨てるのに躊躇があるかもしれません。しかし、飛車を取られて(△3一同玉)も▲3二金(D図)と玉を詰ませることができるのです。



 第10図で持ち駒は飛車と金ですが、その他にいろいろ持ち駒があったとします。その場合でも、3一に捨てる駒は飛車でないとダメなのです。たとえば、角や銀は王手になりません(実戦なら、欲張って△3一同玉と指してくれるかもしれませんが)。
 また、▲3一金なら王手ですが、取らずに△5一玉(E図)と逃げられると、うまくいきません。



 つまり、「エサ」と表現しましたが、初手▲3一飛と捨てる手は、もちろん、価値の高い駒なのでエサとしても、申し分がないのですが、△5一玉を許さず、△3一玉を強要することが、より重要な意義があるのです。


 残りの詰将棋については、後日。
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MVP

2009-11-06 00:13:58 | 日記
妻「ねえ、松井選手、すごいね。MPV取ったんだって」
私「それは、車や!」
コメント (3)
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気まぐれ初心者将棋講座②『頭金 ~金と銀の違い~』

2009-11-03 12:57:44 | 詰将棋
 『気まぐれ初心者講座』ですが、いくら「気まぐれ」だからと言っても、初回を7月24日に初回『飛車と歩は同じ強さ?』をしたっきりで、まさに、ほったらかしでした。

 「超初心者」→「初心者」となっています。駒の動きやその他のルールは一応理解できているということで、進めさせてください。流石に、ルールから始めるのはつらいです。もし、分からないことがありましたら、ご質問ください。
 棋譜(表記)についても、理解されているということでお願いしますが、少しだけ、説明します。
 例えば、指し始め(初形)の局面で、第1手目が「▲5八金右」と表記されている場合、「先手が5八の地点に金を動かす」という意味です。▲は先手、△は後手を表します。5八は座標です。将棋は9×9マスですから、右上から数えて5番目の筋の八段目を示します。
 その次は、動かす駒を示します。もし、玉を5八に動かすなら、「▲5八玉」と表記します。
 そのあとの言葉は、補足説明です。初形からだと5八には右の金も左の金も動けます。それで、どちらの金を動かしたのかを明示するため、「右」という言葉をつけるのです。
 その他「直(直ぐ)」「引(引く)」「上がる」「行く」と、駒の動き方で区別することもあります。このあたりの表現はけっこう曖昧で、「右」でも「直」でもどちらでもいい場合もあります。
 それから、持ち駒を打つ場合、「打」と書き加える必要がありますが、盤上の駒がその場所に行くことができない場合は、「打」を省略することが多いです。(盤上の駒を動かしたか、持ち駒を打ったのか区別が必要な場合で、持ち駒を打った時は必ず「打」をつけます。
 あと、駒が成ることができる場合も、必ず、成った場合は「成」と、成らなかった場合は「不成」と表記しなければなりません。


 さて、今回は将棋のゴール地点の「詰ます」こと。しかも、詰ます時の最も基本の「頭金」を説明します。ついでに、金の特性(銀との違い)を考えてみます。
 まず、第1図をご覧ください。



 後手玉を詰ませてみましょう。




 答は「▲5二金打」(第2図)ですね。



当たり前ですが、後手玉に対して真正面から捕まえるのがよいのです。これを、気取って、▲4二金打や▲6二金打では捕まりません。この第2図のように、相手の玉の頭から押さえつける金を「頭金」と表現します。場合によっては、ずらして金を打った方がいい場合がありますが、「頭金」は基本、それも基本中の基本と思ってください。
 第1図で持ち駒が金ではなく、銀だったらどうでしょうか?






 実は銀でも詰みます(第3図、▲5二銀)。「なんだ、金も銀も差がないじゃん」と思われるかもしれませんね。


 では、第4図をご覧ください。



第1図と似ていますが、今度は▲5二銀(第5図)では詰みません。




△4二玉、または、△6二玉とするりと逃げられてしまいます。
 これが▲5二金打(第6図)だとそれができませんね。



これが、金の「王の動きを制するのに向いている」という特性です。実戦でも、金がないため詰まなかったという経験は多いのではないでしょうか?
 「頭金」の他にも「腹金」や「尻金」という詰ます形もありますが、その例はここでは省きます。






 第7図は玉が中段にいて、行動範囲が広いのですが、持ち駒に金が4枚あると、どのような逃げ方をしても、詰ますことができます。
 例えば、▲5五金△4三玉▲4四金打△3二玉▲3三金打△2一玉▲2二金打(第8図)で詰みです。



また、ジグザグに玉に逃げられても、▲5五金△6三玉▲6四金打△5二玉▲5三金打△4一玉▲4二金打(第9図)で大丈夫です。



 金の前面への圧力は強力ですね。第7図の持ち駒が金ではなく銀だとすると、………相当な枚数が必要になります。相当な枚数です、何枚かは聞かないでください。 

 では、ちょっとした応用問題です。




 ついでに1手詰と3手詰を数問、ご紹介します。ここで取り上げさせていただく詰将棋は、『将棋世界』やその付録、『週刊将棋』や詰将棋本からの引用が多いと思いますが、過去にメモしたものから取り上げるので、作者が誰か分かりません。非常に申し訳ないのですが、ご容赦ください。森信雄七段、浦野真彦七段作のものが多いと思います。
 個人的に好きな詰将棋作家は、上記のおふたりの他に、野村量氏です。

 まず、1手詰です。
 




 次は3手詰です。


 これは、2者択一の問題です。



 次も3手詰です。単純に頭金(▲2四金と打ってしまうと、うまくいきません。下準備が必要です。




 最後は、少し難しいです。でも、ノーヒントにします。



 答は、後日。(「頭金」に関係しているのは、第14図だけです)
コメント (4)
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