英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

羽生の法則 その2

2024-01-19 17:39:05 | 将棋
「その2」となっていますが、「その1」の単独記事はありません。
法則「その1」としては、《夕食中継付近の長考は、ロクなことがない》です。
該当記事としては……
「2020 A級順位戦 羽生九段-糸谷八段 その1」
「2020 A級順位戦 羽生九段-糸谷八段 その5」
「順位戦(B級1組)……羽生九段敗れ、2勝3敗に」
「2022年度 順位戦B級1組 千田七段-羽生九段  ~やっぱり、夕食休憩を挟んでの長考はロクなことがない…~」
「やはり、夕食休憩前の長考は……」

 で、今回は《候補手がいくつかある局面での“ノータイム指し”は悪手が多い》

 問題の局面は

 千田七段が7八の金を8七に上がったところ。角取りで、これに角が逃げれば端を攻められていた先手は手順に補強したことになる。
 これに対して、△8七同角成や△7五歩や△2二玉が考えられる。
 △8七同角成がおそらく最善手で、以下▲同銀△8五歩と攻めてどうか?(形勢不明)

 しかし、羽生九段は、▲8七金(第1図)に、ほぼノータイムで△2四香!

 この手は、▲3三桂成と銀を取る手に△同桂とせず、△2九香成と自玉に構わず飛車を取ろうという手。
 飛車を取れば自玉の脅威は減り、手駒に飛車を加えることで攻撃力はアップとなるが、▲3二成桂と銀に加えて金まで取られてしまう。

 このやり取りでの駒割は、金銀対飛桂でほぼ互角だが2九の成香は働きが弱く、香を使った分だけ後手が損なのかも。その上、後手玉は非常に弱体化し、手番も先手。……後手は形勢を大きく損じてしまった。

 こういった形勢互角の候補手がいくつかある局面で、ノータイムで着手し、その手が悪手……そういうケースを何度も観ているような気がする。
 もちろん、その数手前の△9八歩から香車を取りに行った辺りから、△2四香の筋は視野に入れていたのだろうが、先に述べたようにリスクを伴う手だったので、着手に当たっては再考してほしかった。

 第3図で千田七段は▲1一角成と馬を作りつつ、香を手駒に加え、後手玉への脅威を大きくした。
 これに対し、羽生九段は△8六飛と大技を放つ!

 「飛車がタダですよと」▲8六同金とすると、△7八飛▲9七玉△8五桂以下の頓死を食らってしまう。
 が、千田七段は▲7七玉。
 これで、後手の攻めを余している……

 これで順位戦は6勝6敗となった。ここ5戦は1勝4敗と大失速。A級復帰の目は消滅した。
 この11回戦は、成績上位者が軒並み敗れたので、羽生九段が勝っていれば、相当有力となったのだが……残念。
 いや、それどころか、残り2局を連敗すると、降級してしまう可能性もある。
 それはともかく、残り2局は勝ってほしい。と言うか、羽生ファンは《羽生九段には全部勝ってほしい》と思っているはずだ。

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