今更なんですが、『将棋世界』7月号(先月号)の名人戦第2局の解説記事についてです。
先月号と今月号のページをめくる手は重かったのですが、『週刊将棋』が休刊になったため、読み終えるのは早かったです。(寂しいなあ)
第2局は勝利目前でよろけて崖から転落してしまったような敗局(“ツール・ド・フランス”の山岳ステージで、険しい上り坂を終え、ゴールまでの下り坂を回り切れず崖下に転落したかのよう)。
第3局は作戦負けからいいところなく土俵を割る。
第4局は中盤の長い組み手争いで遅れを取り、終盤は一気に寄せられる。
第5局は優勢に進めたものの、変調な指し手で逆転、投了間際はまだ難解だったにもかかわらず、あっさり投了。
全体的に序盤中盤終盤と佐藤天八段(当時)が上回っていたという印象で、第3局以降は読む気が起きない内容。第2局にしても、痛恨の逆転負けで振り返りたくない。
しかし、今後の逆襲に向けて、しっかり分析し敗因を見極める必要がある。いや、私が敗因を見極めるても仕方がないのだが、羽生ファンとしての義務である。
さて、その将棋世界7月号だが、第3局については、カラー11ページの「勝つことは大変なことだ」(by大川慎太郎)は、質量ともに申し分のないものだった。(タイトルは故・塚田正夫名誉十段の「勝つことはえらいことだ」を意識しているのだろう)
しかし、今期の名人戦の分岐点となった第2局はたった4ページ。しかも、中原16世名人-渡辺竜王の対談記事(カラー4P)、名人戦第3局(大川氏・カラー)、カラーグラビア記事(棋聖戦挑戦者決定戦、マイナビ女子オープン、女流王位戦、小学生名人戦など)、名匠の駒(カラー4P)、映画『聖の青春』の森監督にインタビュー記事(カラー3P)と続き、さらにモノクロページでは、「中原、渡辺対談パート2」(棋譜を含めて15P)、「棋聖位挑戦者・永瀬六段インタビュー」(6P)と続いて、ようやく、4ページの記事(解説・飯島七段)で将棋をなぞっただけ。
単に、七番勝負の分岐点となっただけではなく、難解な中終盤が延々と続き、消耗した羽生名人が最後に勝ちを逃すという“死闘”だというのに……たった4ページ(モノクロ)。
指し手をなぞるだけの説明記事にガッカリしたわけだが、その中で、特に不満に感じたのは次の解説。
【以下、引用】
「第1図(将棋世界記事では“第3図”)では先手優勢で決め手がありました。本譜は▲5五金と桂を取りましたが、▲3二銀成△同玉▲4四金(変化図1)なら決まっていたでしょう。以下△4二銀打なら▲3三歩成△同桂▲3四歩(変化図2)。△4三金なら▲同金△同玉▲4四金。2七の馬が利いているので△4四同銀と取ることができません」
【引用終わり】
しかし、第1図での▲4四金には△4二金と金を打つのが最強で、以下▲3三歩成△同桂▲3四歩(変化図3)には
△4四銀▲同歩△3六金と強防すると相当難しい。
少なくとも「決まっていたでしょう」とは言えないはずである。
先月号と今月号のページをめくる手は重かったのですが、『週刊将棋』が休刊になったため、読み終えるのは早かったです。(寂しいなあ)
第2局は勝利目前でよろけて崖から転落してしまったような敗局(“ツール・ド・フランス”の山岳ステージで、険しい上り坂を終え、ゴールまでの下り坂を回り切れず崖下に転落したかのよう)。
第3局は作戦負けからいいところなく土俵を割る。
第4局は中盤の長い組み手争いで遅れを取り、終盤は一気に寄せられる。
第5局は優勢に進めたものの、変調な指し手で逆転、投了間際はまだ難解だったにもかかわらず、あっさり投了。
全体的に序盤中盤終盤と佐藤天八段(当時)が上回っていたという印象で、第3局以降は読む気が起きない内容。第2局にしても、痛恨の逆転負けで振り返りたくない。
しかし、今後の逆襲に向けて、しっかり分析し敗因を見極める必要がある。いや、私が敗因を見極めるても仕方がないのだが、羽生ファンとしての義務である。
さて、その将棋世界7月号だが、第3局については、カラー11ページの「勝つことは大変なことだ」(by大川慎太郎)は、質量ともに申し分のないものだった。(タイトルは故・塚田正夫名誉十段の「勝つことはえらいことだ」を意識しているのだろう)
しかし、今期の名人戦の分岐点となった第2局はたった4ページ。しかも、中原16世名人-渡辺竜王の対談記事(カラー4P)、名人戦第3局(大川氏・カラー)、カラーグラビア記事(棋聖戦挑戦者決定戦、マイナビ女子オープン、女流王位戦、小学生名人戦など)、名匠の駒(カラー4P)、映画『聖の青春』の森監督にインタビュー記事(カラー3P)と続き、さらにモノクロページでは、「中原、渡辺対談パート2」(棋譜を含めて15P)、「棋聖位挑戦者・永瀬六段インタビュー」(6P)と続いて、ようやく、4ページの記事(解説・飯島七段)で将棋をなぞっただけ。
単に、七番勝負の分岐点となっただけではなく、難解な中終盤が延々と続き、消耗した羽生名人が最後に勝ちを逃すという“死闘”だというのに……たった4ページ(モノクロ)。
指し手をなぞるだけの説明記事にガッカリしたわけだが、その中で、特に不満に感じたのは次の解説。
【以下、引用】
「第1図(将棋世界記事では“第3図”)では先手優勢で決め手がありました。本譜は▲5五金と桂を取りましたが、▲3二銀成△同玉▲4四金(変化図1)なら決まっていたでしょう。以下△4二銀打なら▲3三歩成△同桂▲3四歩(変化図2)。△4三金なら▲同金△同玉▲4四金。2七の馬が利いているので△4四同銀と取ることができません」
【引用終わり】
しかし、第1図での▲4四金には△4二金と金を打つのが最強で、以下▲3三歩成△同桂▲3四歩(変化図3)には
△4四銀▲同歩△3六金と強防すると相当難しい。
少なくとも「決まっていたでしょう」とは言えないはずである。
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