英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

バンクーバー五輪雑感⑥ スピードスケート団体パシュート 競技としての問題点

2010-03-11 21:19:43 | スポーツ
 前回の五輪、トリノ大会から採用された団体パシュート、チームワークや団体走としての技術、ペース配分などの戦略、スタミナなどなかなか奥があり、スピード感もあり、とにかくエキサイティングな種目です。

 しかし、スポーツとして、また、五輪競技としての問題点もいくつか感じました。

①出場チームが8チームで、トーナメント戦なので、1回戦を勝てば準決勝進出。ここで勝てば、銀メダル以上、準決勝で負けても3位決定戦で勝てば銅メダル。
 3勝で金メダル、勝ち勝ち負け(2勝1敗)で銀メダル、勝ち負け勝ち(2勝1敗)で銅メダル。出場権を獲得するのが難しいのだが、出場権を獲得すればメダルまでの距離が短いと感じてしまう。
 スピードスケートという競技自体、基本的にタイムレースで、500mを除けば1レースのみで順位が決まるということからすると、3レースというのは異例かもしれないが、団体競技として考えると少しあっけない気がする。
 レースが過酷なので、3レースが限界かもしれないが、参加チームを16チームにするか、8チームを2組に分けてリーグ戦を行うかしてはどうだろうか。

②チーム対抗でタイムを競うのだが、完全に2チームが分離して滑るので、心理的圧迫以外影響がない。
 技術的、体力的、戦略(レースプラン)的、奥行きは深い競技だが、それは、自チームのタイムを縮めるためのものであって、基本的には相手がどんなレースプランで滑ろうとも関係なく、自チームがよいタイムを出すことがすべてということ。
 もちろん、相手チームがあまりに速いと焦って、スケーティングが乱れたり、最初は抑えて滑って、相手の油断を呼ぶということはあるかもしれない。
 そういう性格の競技であるので、トーナメントだと対戦相手の強弱が、その大会の成績に大きく左右する。
 極端な場合、1回戦で8チーム中2番目のタイムを出しても相手がそれを上回るタイムだったら1回戦敗退で5位以下が確定する。

 同一地点からスタートし、スタートダッシュだけ決めて、その後ペースを落としてスローペースに持ち込むなどの相手との駆け引きやせめぎ合いがあるのなら1対1のトーナメントも意味があるが、現状では理不尽さを感じてしまう。

③これは問題点というわけではないが、3番目にゴールした選手のタイムがチームのタイムになる。これが、この競技の難しさであり、面白さだが、ひとりでも転倒したり、足が動かなくなり失速してしまうとお終い(致命傷)。こうなった場合、その選手は無茶苦茶つらい立場に陥ってしまう。
 なので2番目にゴールした選手をチーム記録にしてはどうだろうか。競技としては少々甘くなるが、戦略は多彩になる。
 例えば、ひとりの選手が限界まで引っ張り、後は他の2選手に託すなんてのもOKとか。
 戦列離脱の際、相手の腰を押したり、腕を掴んでホイップということもあり得そう。

 面白いと思うんだけどなあ。
コメント (2)
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