とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

クラスで流行っているどんつく

2006-06-29 21:58:12 | 障害児教育

 「どーんつく!どんつーく!どんどんつっく!どんつーく!」歌声が教室に響きます。最近の子どもたちのお気に入りの歌です。手振りを交えて歌います。

 先週から始めた劇遊び「どんつく」の主題歌なのです。もちろんDylanのオリジナルソングです。歌をモチーフにしながら子どもたちと一緒に楽しめたらと思い、最初から劇遊びとして作りました。

 どういう話かというと、『どんつく』という架空の登場人物を作り上げて、子どもたちと対決していくという話です。どんつくに負けると大事な物を取られてしまうということで毎回子どもたちは必死になります。

 でも、「この話に出てくる登場人物、地名はすべて架空のものです。現実のものとは違います」という注意書きをしなくても、子どもたちはちゃんとフィクションだと知っていて、それでもちゃんと楽しめています。そこらへんが、このグループの良いところです。道化回し(この場合どんつく)に踊らされながら、ちゃんと踊っている自分も見えていて、作り事の劇を演じていくことができるのです。

 先にやっていた『喫茶店ごっこ』は、“ごっこ遊び”ではあるけど、どこかリアルな場面があります。子どもたちの中に、レストランの店員さんだったり、台所に立っているお母さんだったりのイメージがあると思います。このようなリアリティーのあるごっこ遊びと、完全作り物のフィクションのごっこ遊びのどちらも楽しめる子どもたちはなかなかのものです。

 “どんつく”の衣装はちょっと考えました。かぶり物をして、よりリアリティーを出すことも考えましたが、「フィクションでありながら…」の方に指導のねらいを傾けてみました。どんつくは、Dylanが作務衣を着て登場というスタイルにしました。

 「どんつく!どんつっく!どんどんつっく!どんつーく!」と子どもたちの前に大見得を切って登場します。「お前たちの大事なものはなんだー?」の問いにいろんな答が返ってきます。「連絡帳!」でも、ロンくんは連絡帳がありません。レオくんも「連絡帳捨てちゃえー!」毒づきます。「ドリーマー!」(日刊で出してる学級通信)これも連絡帳から抜かなければいけないということで、ちょっと消極的すぎる。「テレビはどうだー?」「いるー!」の返事。テレビに決めました。テレビを持ち去ろうとすると「いやだー!」の声。

 「それでは、このどんつくと勝負するか?」「もし勝ったらテレビは残しておこう!」

 最初は力くらべです。どんつくと向き合って手を合わせて押し合いをします。最初に倒れた方が負けです。力を入れて押してきます。でも、ここでわざと負けることは絶対にしません。良い勝負はしながら、必ず子どもたちを負かすことにします。次につなぐからです。でも、2回目にやった時にわかめちゃんが力を入れて頑張っていたのに驚きました。わかめちゃんはこんな時には力をいれないでわざと負けることが多かったのですが、場面場面を理解して楽しんでくれていたのだと思います。

 次の課題は紙風船です。紙風船はなかなか難しい教材です。ちょっと力を入れるとつぶれてしまうし、スピードが遅いので調整しにくい面もあります。「紙風船が10回つけたら合格だー!」みんな挑戦しますが、子どもたちは2回目もできません。そこで、先生たちに助けてもらうことにしました。香川先生や瀬川先生に助けてもらってやっと課題を達成して、子どもたちはほっとしました。

 次の課題は、棒立てです。指先に棒を立てて、バランスを取って10まで数えたら合格!どんつくは子どもたちの前ですいすいやってみせます。Dylanは小学校・中学校の時掃除をさぼって、いつもほうきの柄を指で立てたり、額に乗せて遊んでいたのでこの手のバランス教具は得意なのです。でも、やっぱり子どもたちはできません。でも、何度も挑戦します。できないとわかるとぎゅっと握るインチキも開発しますが、これは認めてもらえません。先生たちにも援助を求めますが、女性のちょっと年配の先生2人は、5くらいでダメになってしまいます。

 このままではテレビを持って行かなくてはいけないので次の課題です。今度は旋律だけで曲名当てクイズです。これは、ロンくんとわかめちゃんが絶対的な力を発揮して大活躍をしました。子どもたちに負けたどんつくは、「覚えてろー!」と次回に続きます。

 なかなか面白い反応を子どもたちが示すので毎回楽しみしている授業です。


コメント (1)
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