とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

台風一過久しぶりの青空

2007-07-16 00:11:09 | 写真日記
 長雨のあげくに台風の接近ということで、被害が気になるところですが、私の住んでいる所は進路がそれて大したことなかったので、勝手に胸をなでおろしています。

 3連休の中日の日曜日は朝から晴れ間が見えるほどの天気でした。おまけに台風の後ということで、空気も何となくきれいで「海の写真を撮りに行きたい」と思いつきました。どこ行こうかと頭を巡らしていると、こんな時には必ず何か邪魔が入ります。何だかんだで、結局出かけるのは午後からになってしまいました。そうなると行ける所は、周防大島くらいです。

 車を走らせていると、雲が奇妙な形をしているのに気づきました。車を停めて撮影しようかと思ったり、それほどのこともないかと思ったりで結局大島大橋を渡ってしまいました。

 しばらく走ったところで車を停めて1回目の撮影です。今回は海と空をきれいにまとめたいということもあって、PLフィルターを使うことにしました。

 

 思ったような絵になかなかならないので、また別のところで撮影しようと車を走らせました。
 雲はいいのですが、海とのコントラストになるとなかなか絵になりません。本土側の海ではなく、外海の方へ向かうことにして立岩方面へと向かいました。

 山道を通り抜けるとすぐに外海に出ます。竜崎温泉の看板が見えたのでちょっと立ち寄ることにしました。ここの温泉は鉄分があるせいか、お湯がセピア色になっっているのが特徴です。最近リニューアルしてとてもきれいになっているようです。温水プールも完備されたようです。
 700円の料金を払って中に入ると以前来た時よりははるかにきれいになっていました。浴室も広くなっていて、以前の女性風呂も一緒にした感じでした。ここの風呂のすぐれた点は泉質はもとより、露天風呂が海に面していて空が実にきれいだということです。特に晴れた日はとても気持ちの良いものです。

 風呂でゆっくりしてから、さらに立岩海水浴場方面へと足を進めました。

 

 

 空を見ると奇妙な形の雲がポカンと浮かんでいました。台風の後ということで上空の気象条件はいつもとかなり違っていたんでしょう。とても印象的な雲でした。

 

 引き返して、表の海に出るのが早いということはわかっていながら、雲につられてそのまま車を走らせていきました、だんだん道が細くなって、離合もむずかしいような道も何カ所か出てくるような悪路でした。
 しばらくすると突然前方が開けてきました。沖家室(おきかむろ)島です。この島へは橋がかかっています。長寿の島として全国に名前をしられています。

 

 

 しばらくすると、片添ヶ浜海水浴場に出ました。そこは今までの風景とはがらっと違った一大レジャースポットになっています。産業の少ない島としては唯一の観光資源ということで一応理解しているつもりですが、やっぱり好きになれません。少し前になりますが映画「ときめきメモリアル」ロケ地になったことでも有名になった所です。でもあまりの低俗ぶりに車でさっと通りすぎてしまいました。  



   

 
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映画「憑神」を観てきました。

2007-07-02 21:42:19 | 映画
映画「憑神」を観てきました。原作浅田次郎、監督が降旗康夫、主演が妻夫木聡ということできっと面白いに違いないと思い、観に行くことにしました。…とは言ってもひいきにしているシネコンにかかる映画が最近本当につまらなくて、「最近行ってないな…」と思っていたところだったという理由もあります。先日行った「舞妓Haaaan!!!」についで最近2本目です。この2本を聞くだけではどんな映画趣味をしているんだろうと思いますね。

 ストーリーを話すといけないので、概略について語ります。全般を通して、これは人情落語なんだと思いました。離縁、リストラされた下級武士が神頼みだけが頼りだったのに、憑いてきたのは、貧乏神、疫病神、死に神だったいう話です。

 妻夫木聡はいつもより抑え気味の演技で、そのぶん脇役が光って見えるのがいいところかもしれません。ぐうたら長男に佐々木蔵之介、そば屋の親父に香川照之、貧乏神に西田敏行、疫病神に赤井英和、死神にちびまるこちゃんの演技でデビューした子役さん、ときらきら光る脇役陣です。

 でも、西田敏行の大げさな演技は、釣りバカ日誌の浜ちゃんを思い出して、社長の三国廉太郎を思わず捜したほどです。疫病神の赤井英和は相撲取りの役のためにわざとつっけんどうなセリフまわしになっているのだろうけど、この人いつもこんな口調だったような気がしました。スクリーンの向こうの世界に行こうとするんだけど、赤井英和のセリフで現実に引き戻されるようなジレンマに陥るように思います。

 もう一つ、離縁した奥さんと子どもと会うシーンが何度か出てくるのですが、そっちに感情移入していこうとすると、さっとどたばたの世界に引き戻されるといった構成にどこかいらだっていました。

 ちびまるこちゃんの死神はなかなか、味のある存在でした。子どもの笑顔というのはどこか残酷に映ることがあります。映画の中で子どもが笑って何かが起こるようなオカルト映画は多いものです。それにしてもこの子役は只者ではありません。いつか大女優になるか、杉田かおるになってしまうかは定かではありませんが、注目してみたいと思います。

 映画のラストの「死に場所を見つけることが生きることだ」といったテーマについては納得できない思いがあります。

 ぐうたら長男の佐々木蔵之介に昨今の公務員(社会保険庁職員)をかぶらせて、生き甲斐やり甲斐を求めて死に場所を捜すというそんな終わり方でいいのか?と疑問を持ちながら映画館を後にしました。
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DVD「モーツァルトとクジラ」を観ました。

2007-07-01 11:09:36 | 日記
 昨日観たDVDの紹介をします。タイトルは「モーツァルトとクジラ」という奇妙なタイトルの映画です。この映画は原作がNHK出版から出ていて、作者はJerry Newport夫妻です。二人ともアスペルガー症候群と知られています。3月には来日され、東京を中心に講演されたようです。3月5日の朝日新聞でも大きく取り上げられています。

 映画の話題の前に少しその記事から紹介します。Jerry Newportさん(58)はニューヨーク生まれで、93年にアメリカ初の成人自助組織をロスで立ち上げたそうです。アスペルガー症候群の仲間たちのために執筆や講演、時々タクシードライバーをしているそうです。同じ障害のMary Newportさんとの出会いや結婚、人生を「モーツァルトとクジラ」という著書(NHK出版)にまとめたそうです。タイトルは出会ったパーティーでの二人の仮装からとったそうです。

 Jerryさんが周囲との「ズレ」を感じたのは4才頃で、大好きな数字のうんちくが止まらなくナルなど、場違いな言動で常に浮いた存在だったそうです。89年に映画「レインマン」を観て「同じだ」と思い、自閉症を疑い、47才になってアスペルガー症候群という診断をされたそうです。

 Jerryさんは数学に特別な才能を持ち、小学生の時も微分積分等の計算ができたといいます。その後、ミシガン大学を卒業しますが、卒業後は定職にも就かず、ギャンブラーやレジ係、タクシー運転手など職を転々とします。

 著書の中では、二人の出会いの場面をこう書いている。(NHK出版のHPより)
『ぼくが計画したハロウィンパーティーを、いまでもよく覚えている。そこで初めてメアリーに会ったのだ。1993年のことだった。1993は43の二乗に12の二乗を加えた数。このふたつの数字を足せば55になる。メアリーが生まれたのは1955年。ぼくらが出会ったのは、93年の289番目の日。289は17の二乗。17はユニークな数字だ。17は素数で、正十七角形は円に内接させることもできるが、めったに成功しない。
 ゴミ袋と紙でクジラの衣装を作るのに、数週間かかった。努力の成果は滑稽なくらいお粗末なもので、細長く裂いた新聞紙と金網が、横からはみ出てぶらぶらしていた。まるでクジラの残骸だ。しまいには、しぼんだ小型飛行船を引きずるような格好でパーティー会場を歩きまわる羽目になった。でも、その衣装はAGUA(ぼくが組織したサポートグループ)の不思議な魅力を気づかせてもくれた。とんでもない見てくれにもかかわらず、みんなにほめられたのだ。ぼくの努力がわかったらしく、こんなものを作ろうとしたことが、そもそもすごいと言ってくれた。こういうふうに無条件で ―― うまくいってもいかなくても ―― 勇気づけてくれるのが、AGUAのいいところだ。』

 さて、映画ですが、オープニングでタクシードライバーのドナルドが出てきます。二人の客を乗せながら、独り言をずっとしゃべっています。無線の連絡を気にしていて、無線が入るたびに、地図と他の車の位置が目の前にチラチラしてきます。そのうち花やの車に追突してしまい、事の解決ができずにその場から立ち去ろうとします。でも彼の頭の中には「仲間の集会に遅れてはいけない」の考えが支配しています。彼はそのことについて何の問題も感じていません。そういった情景からスタートします。

 映画では二人の最初の出会いは、サポートグループで出会うようになっています。イザベルは、相手の言ったことは額面通り受け取り、自分で思ったことは何でも口にしてしまうことが多い女性として描き出されています。そのため、エキセントリックな会話が多くなって相手を混乱させることが多いように描いています。

 映画のストーリーについて語りたいこともたくさんあるのですが、これから観る人のために少し遠慮がちに2,3感想を述べたいと思います。

 二人が出会い、お互いに相手を意識するようになり二人の部屋を行き来するようになります。ドナルドは片付けがまったくできません。今までの生活が全部部屋の中にないと気がすまないタイプです。イザベルはその感覚は持ち合わせていません。当然のように部屋を片付けます。部屋に帰ってきたドナルドは、パニックになります。イザベルに向かって「僕の人生を盗まないで(奪わないで)!」と叫んで飛び出します。駐車場が一番落ち着く場所のようです。車のナンバープレートを見て意味づけしていくことで心の安定を図ろ
うとします。ドナルドが叫んだことば「盗む」stealということばがズキンと響きます。
 自分の世界がなくなっていくことに対しての恐怖が「盗む」ということばで表現されるのかと思いました。

 二人が一緒住むようになって、ドナルドが上司を家庭に招きます。イザベルに「To Be Fine」と申しつけます。そのことがイザベルの心の安定をこわしていきます。イザベルは上司に対して、最大限のおもてなしをします。それは自分にとってうれしいことは相手もきっとうれしく思うに違いないということです。最後には自分の最愛のペットのうさぎを相手に抱かすほどです。このあたりにアスペルガーの特徴がよく出ています。

 映画は、価値観の違う二人が恋愛し、一緒に暮らす中ですれ違いがたくさん出てきていしまう。相手の価値感を認めながら、自分の価値感も時には遠慮していく、でも他人同士なんだからいくつもの衝突やいさかいが起きてしまう…。「そんなことってよくあるよね」という感じで淡々と流れていくのですが、これが、通常の人だったら「少しぐらい変わったカップルだよね」で済むのですが、二人ともアスペルガーの人同士の映画なのです。アスペルガーの人の特徴を知って観るのと、知らないで観るのとでは映画の深みが根本的に変わってくると思います。でも、映画です。いろんな観方があって良いのだと思います。

 もう一つ、「レインマン」で自閉症の人が大きく取り上げられて、社会的にも話題になりました。レインマンの行動をそのまま分析している専門書まで出ました。でも、そこでは、自閉症の人の行動に対する理解を広げていこうというぐらいのテーマでした。ダスティホフマンが、弟役のトムハンクスの恋人とダンスをするシーンにしても、どこか人間的なズレを感じてしまっていましたが、この「モーツァルトとクジラ」では、作者の「生まれつき脳が合いを受け入れにくくても、心までそうとは限らない」の主張がしっかり入っている映画になっているような気がします。

 最後にJerryさんが朝日新聞に寄せていることば「日本では、“ことばやしきたりを知らない外国人だから”とていねいに教えてもらえ、居心地が良かった。私たちは例えるなら地球に生まれた異星人。常識でも、教えてもらわないと分からないこともある。少しの支援で社会てき役割を果たせるようになるんです。」を紹介しておきます。
コメント (2)
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