とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

DVD「おっぱいバレー」

2009-10-30 07:56:37 | 映画
“おっぱいバレー”

何と大胆なタイトルの映画でしょう。

しかも実話に基づいて制作しているというから二重の驚きです。

映画館の予告や、北九州市で撮影しているということから興味はあったのですが、映画館で観るには少し、心の余裕と金銭的余裕がなかったのでスルーしていました。

いつものTSUTAYAに並んでいたのを見つけて、観ておくかな程度の関心で観ることにしました。

弱小バレー部と頑張り顧問それも超美形の女教師(すでに死語)という今、流行の構図です。

女子バレー部にも、ラブゲームで負けてしまうという超がつくほどの素人集団が試合に勝つことができるとおっぱいを見せてもらえるという約束になり、がぜん張り切るという何ともおバカなストーリーなのです。

オープニングでは坂を下る自転車小僧たちがいます。

片手をかかげて、風を受けています。

こうするとおっぱいの感触に似ているということでできるだけスピードの出る坂を下っていきます。

この話は聞いたことがあります。

確か探偵ナイトスクープでやっていました。

高速道路で80Km以上出して窓から手を出すとDカップだとか言って実験していました。

もちろん、私はやったことはありません。

中学生くらいの頃の男の子はそんなことばかり考えているという展開です。

今時の都会の中学生はそんなことはないのかもしれないけど、田舎の(とはいえ北九州市戸畑区)中学生という設定です。

そういえば、私の中学生の時も「知っちょるか?」とニヤニヤして近づいてきて不確実な性の情報を教えてくる変な友だちがいました。

思わぬ展開から「おっぱいを見せる」ということになってしまった美人教師綾瀬はるかは、子どもたちがどんどんエスカレートしていくし、やる気のなかった子どもたちがやる気になってきているので引っ込みがつきません。

周囲の教師たちは「どうせあいつらは」的な冷ややかな反応です。

ますます引っ込みがつきません。

子どもたちはランニングする際にも「おっぱい、おっぱい」と叫ぶ始末。

ばてても、やる気がなくなってもキーワードは「おっぱい」見事なほどのストーリーです。
それほど、おっぱいに魅力を感じられることにうらやましさを感じます。

タイトルの奇抜さはさておき、この映画は完全な青春ストーリーなのです。

友情、人と人とのつながり、何が一番大事かということを描ききっているということでは、佳作と言ってもいいかもしれません。

中学生の時に自分を助けてくれた教師に示唆されて教師になり、その教師になれるように努力するがなかなかなれないと嘆く綾瀬はるかにも好感がもてます。

目的は何でもいい。そのプロセスでいろんなことを得ていくんだという点ではまさにポイントをついています。

映画の流れ自体は、コミカルなマンガなのですが、貫かれているものは人間賛歌だと思います。

おすすめの1本です。
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軍艦島ツアー その3

2009-10-29 22:24:56 | 写真日記
何とか、上陸を果たしました。

船の中で上陸のためのプレートをもらいましたが、このプレートの色で、二手に分かれてコースの説明を聞くことになっていました。

私たちのグループは、第一広場で説明を聞きます。


精炭はベルトコンベアーを使って貯炭場に運ばれます。
この整然と並んだ柱はベルトコンベアーを支えていた柱です。



説明は長崎コンベンション協会から専門の人がきているようです。

説明する人は、一所懸命説明してくれるのですが、聞いている人の要求とはどこか違うのでなかなかかみ合いません。

さっきの若者たちは、「もういい。帰りたい!」と言っています。

それはそうでしょう。

こんな廃墟を見るのに、興味がなかったら楽しめるはずはありません。

だらだらと付いて歩いています。

そういう私も、写真を撮るだけのために参加しているのだから、ガイドの説明はほとんど興味がありません。

自分の撮りたいものに向かって突進します。

その結果、ちんたら若者と一緒に一番後ろを付いていくことになります。


どこからか転げ落ちてきている建物の一部です。


煉瓦造りのこの建物は総合事務所の跡です。
総合事務所には炭坑夫たちの風呂があったそうです。
風呂はいつも真っ黒だったそうです。
湯船は海水で、洗い流す時だけ貴重な真水を使ったそうです。



主力坑だった第二竪坑です。
かろうじて桟橋への昇降階段部分が残っています。

 

 

この島は炭坑華やかりし時には5千人を超える人たちが住んでいたそうです。

石炭を掘らなくなってしまうと、この島にいる必要はなくなります。

この島は30年近く誰も住まない眠れる島になったのです。

今年になって脚光を浴びるようになりましたが、やっぱり廃墟の迫力は迫ってくるものがあります。 

 

 


1916年(大正5年)に建てられた第30号アパートです。

かつては「グラバーハウス」とも呼ばれ、日本最古の7階建て鉄筋コンクリート造の高層アパートだと言われています。

 

船に乗っても最後の説明がありました。
揺れる船から撮影を試みました。

    

帰りの船は一段と揺れました。

それでも撮影をしようとしている人もいたので、そうなると自分もという気になって撮影を試みました。

  

行きはあんなにわくわくしていたのに帰りは見えるものに興味を失い、結局眠ってしまっていました。

帰りの船は波が高かったこともあり、行きより時間がかかったようです。

長崎港は、夕焼けが迫っていました。

  
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軍艦島ツアー その2

2009-10-28 22:31:16 | 写真日記
 バスはいよいよ長崎港に着きました。

  

 乗船準備の手続きがまた長くかかるみたいで添乗員を待つために登り旗を目印にみんなで並んで待っています。

 他の団体もけっこういるみたいでこんなに行くんだという感じでした。

 乗船する人数に比べると船はあまり大きなものではありませんでした。

 マルベージャ1という船で定員198名です。



 長崎港を出るとすぐに右側に三菱重工業長崎造船所が見えてきます。

 巨大な船を建造中でした。青い船は自動車運搬用の船で自動車を一度に8000台運べるそうです。

 
 
 海上自衛隊の護衛鑑が2隻停泊していました。
片方は大砲を積んでいて、もう一隻はイージス鑑です。
初めて目の当たりにみることができました。
一隻一隻が大変な金額でこの船さえなければどれだけの予算が浮くんだろうと思いました。

 
 
もう少し行くと神の島教会が見えてきました。
船のガイドに寄ると、佐賀藩はキリシタンに対して寛容だったようでこの島は隠れキリシタンの逃げ場になったようです。
教会とマリア像が船から見えました。



もう少し行くと伊王島が見えてきます。
ここは、今では観光の島として有名になっているようです。遠くに沖の島天主堂が見えます。
揺れる船からの撮影ですからはっきりは写っていないだろうと思いながらの撮影です。

外海に出ると揺れるとは聞いていたのですが、確かに揺れました。

波も相当高くて時々波しぶきもかかります。

それでも頑張って2階の甲板にいました。

1階の後方部には喫煙所が設けられているのですが、そこには社員旅行か何かで無理矢理連れて来られたらしい若者が数名たむろしていました。

スキンヘッドでピアスというお決まりのいでたちです。

見た目で判断してはいけないことはわかっていてもお近づきにはなりたくない集団です。



軍艦島が見えてくるとわくわくしてきます。

 
 
軍艦島に接岸する頃になって船が小さいわけがわかりました。接岸する場所は大変小さいのです。



桟橋をかけるまでなかなか大変です。

 
 
明日のその3は上陸後の画像を貼り付けます。
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軍艦島ツアー その1

2009-10-27 23:50:16 | 写真日記
夏にも利用した防長トラベル社のバスツアーを利用して軍艦島に向かいました。

徳山駅前集合6時40分ということでJRは利用できかったので車で集合場所まで向かいました。

 集合場所には人がいなくて「本当にここでいいの?」という感じでした。

営業所に入って確認すると、この場所から乗車する人は全部で3人ということでした。

少し離れているバスの停車場まで案内されてバスに乗り込みました。

バスに乗ると何と演歌がかかっています。

 そんなに大きくないので一般の人ならまだ我慢できる程度だと思いますが、“根っからの演歌嫌い”それも朝から演歌を聞かされるなんて我慢ができません。

 よほど苦情を言おうかと思いましたが、そこは思いとどまって持参のiPodを取り出してヘッドホンでJazzをがんがんに流して時をかせぐことにしました。

 ずっと一般道を通って防府駅に到着しました。

 防府駅には予定の15分前に到着しました。

 防府からは15名程度の参加者が乗車しました。

 やっぱり集合時間の問題だったのでしょうか。6時40分集合ではなかなか揃わないのかもしれません。

 しかし、防府までずっと例の低俗な音楽は鳴り続けています。

 さすがに怒りの気持ちは収まらず、運転手に苦情を言いに行きました。

 音楽は一度消えてからまた始まりました。

 でも、今度はリチャードクレイダーマンがかかっていました。

 これなら何とかがまんできるような気がします。でも、ヘッドホンでJazzを聞くことにします。

 7時半に防府駅を出発です。バスは続いて小郡駅に停車してさらに10名を乗せてこれで全員が揃ったようです。

 小郡から中国自動車道に乗って添乗員の説明が始まります。

 とにかく島に上陸するための諸注意を繰り返し説明しています。

 その後で、諸注意の覚え書きを配られ、さらには誓約書を書かせるといった念の入れ方でした。

 まあここまで来たら「上陸するなら何でも聞きます」といった具合ですけどね。

 ただ、一文だけ気になることは「車いすなど一人でいどうできない方は当分の間上陸できません」の一文です。

 安全面からとはいえ、バリアーを設けることに対しては少し気になります。人権問題としてどうなんだろうと疑問をもたざるを得ません。

 高速道路を走って最初の休憩が壇ノ浦PAでした。

 先を急ぐということと、土日割引で高速道が込むかもしれないということで「出発時間は9時です。トイレだけ済ませて買い物はしないように」という強気の説明がありました。



 今回のツアーは軍艦島に上陸という目的に向けてということで強気の設定のような気がします。

 次の休憩は金立を予定していますが、できればもう少し距離を稼ぎたいなどと普通のドライブのようなことを言い始めます。

 参加者はほとんど年輩なのに行程は、若者向けのようです。

 眠りたかったのですがなかなか眠れません。こんなものです。軍艦島で興奮しているのかもしれません。

 ヘッドホンで少しボリュームを下げながら聞いているといつの間にか眠ったようです。

 目が覚めるともう佐賀平野に入っていました。

 予定通りの金立は通り過ぎて行きます。

 その頃から黒い雲が上空を覆っています。
 
 雨がポツポツ降ってきます。

 「えー!上陸できないとどうしよう…」でも、希望は前方が明るくなっていることです。

 しばらくすると雨もあがり、晴れ間が見えてきました。

 長崎自動車道の川登SAでトイレ休憩です。ここも時間は10分です。よっぽど焦っています。とにかく軍艦島に渡るんだという思いが伝わってきます。

 やっと長崎の街に入りました。天気は晴れです。良かった良かったです。

 

   

 長崎に入ってようやく食事タイムです。

 昼食は土産物屋に併設された簡易中華の店です。

 回転テーブルに乗って出てきます。見も知らない人たちと回転テーブルを囲むというのも何だか変な気分です。

 メニューは揚げ春巻き、卵スープ、チャーハン、点心です。しゅうまい、ぎょうざ、中華まんじゅうが蒸し器に入っていました。最後にデザートが出て来て終了です。もともと食べ終わるのが早いのですが、あっと言う間の10分間ちょっとの食事でした。
 
 バス出発まで50分間くらいあります。

 道路を隔てた場所に原爆資料館がありました。

 行かない手はありません。

 入場料を払って中に入ると、写真撮影も申し出て名簿に記入し、腕章をもらって、ストロボをたかないという約束さえすれば自由に撮影していいと言われました。

 ただし、中は非常に暗くISOを1600にしてもシャッタースピードは手取りできる水準ではありませんでした。手ぶれ補正を信じてシャッターを押しました。

 中の資料は、きわめてメッセージ性の強い物だったように感じました。

 核廃絶の願いを世界に発信しようという長崎市民の願いがあふれているように思います。

 そういう意味では広島の資料館よりもさらに強く感じました。

 『この子を残して』の著者でも知られる永井博士の資料がたくさんあるのも長崎の特徴です。

 もっとゆっくり見たかったのですが、駆け足で見ることになってしまいました。今度ゆっくりと訪れたい場所でした。


庭にあった教師と子どもの像


原爆資料館の屋根です。


オバマ大統領を長崎に呼ぶ運動

 

 

 

  
   
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映画「重力ピエロ」を観て

2009-10-26 22:49:17 | 映画
「重力ピエロ」を観て

映画館の予告で「春が2階から落ちてきた」というオープニングで始まる印象的な作品です。

もちろん、原作は伊坂幸太郎の同名小説です。

原作はすでに読んでいて、この小説の映画化ということで興味は大変あったのですが、田舎の弱点なかなか来ないのです。

公開は2009年5月23日だというのに私の目に留まったのは10月です。

それもテアトル徳山というマイナーな映画館です。

この映画館は二番館という魅力を遺憾なく発揮する映画館で、最近非常に気に入っています。

映画の予告ではこの映画のキーワードになることばをいくつか言っています。

「放火が起きるルール」
「俺たちは最強の家族だ」
「重力を背負った家族愛と謎」
「楽しそうに生きていると地球の重力など消してしまえるんだ」

いい予告編です。どうしても観たくなりますね。

 ストーリーをごくかいつまんで言うと、遺伝子を研究する大学院生・泉水と芸術的な才能を持つ2つ年下の弟・春は、仲の良い普通の兄弟です。

 二人とも名前を、英語にすると“スプリング”という奇妙な名前です。

 春は落書き消しという奇妙な仕事をしています。

 優しい父と三人で、平穏に、そして陽気に暮らしています。

 二人は見た目も性格も違う兄弟です。この家族には春の出生に関わる哀しい“過去”がありました。

 その原因をもたらした“ある男”が街に戻ってきます。

 そして、時を同じくして不審な連続放火事件が発生します。

 その現場には謎めいたグラフィックアートが残されています…。

 放火犯からのメッセージととらえた春は、泉水とともにその謎の解読に乗り出します。

 でも、犯人像が明らかになるにつれて、二人は自分たちの辛い出生の秘密と向き合うことになります。

 素朴なたたずまいで兄・泉水役を演じたのは『それでもボクはやってない』の加瀬亮。

 この人を欠くと日本映画は成立しないとまで思わせるくらいの活躍ぶりです。

 その弟・春を存在感たっぷりに表現したのは『天然コケッコー』で話題になった岡田将生です。

 他にも父親役を小日向文世が演じます。若い頃のシーンをカツラをつけて演じてますが、ちょっと違和感が…

 二人の母親役を鈴木京香が演じます。

 キーパーソンになる謎の役を渡部篤郎が演じます。

 この人はこういう役がいつもはまり役で他には演技できないのではないかと思わせるほどの名演です。

 私としては評価したい映画だと考えます。

 観ていない方はすでにDVDでも出ていますのでぜひご覧ください。
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雲月山

2009-10-25 23:26:23 | 週末は山にでも
「週末は山へ」を合い言葉に可能な限り出かけています。
今週は、芸北の山を目指します。
どこに行こうかガイドブックを目当てに行きます。
今回は、島根と広島との県境の雲月山にしました。
この名前がややこしくて、広島県では「うづきやま」と呼び、島根県では「うんげつさん」と呼ぶ、とガイドブックには書いてあります。
地元の人に道を尋ねると「うづつきさん」と呼ぶそうです。

今日は家を出るのが少し遅くなりました。
すぐに高速に乗り、戸河内インターで降ります。
そのまま国道を北へ上がり、さらに進んでいくと、どうやら道を間違えたようで
なかなかたどりつきません。

道行く人に道を聞いてもなかなかうまくいきません。
郵便局で尋ねるとかなり間違えていることだけはわかりました。
やっと雲月小学校にたどりつきました。
そこで道を聞いてやっとめざす方向がはっきりしました。

でも、途中の紅葉はすでに始まっていて道を間違えるのも良かったようです。
 

すぐに細い道に入っていきました。
標識をたどりながら少しずつ不安になってきたところで登山口の駐車場に着きました。
ここはトイレも完備されています。
靴を履き替えてスタンバイしました。
でも、ここからすぐには登り始めません。

今回はゆるやかな山ということで縦走したいので、もう少し車道を上がった広島、島根の県境のところから登り始めます。

登山口はどこまでいっても見事なほどのすすきの原っぱです。
背よりも高いすすきが揺れている光景は何とも雄大な感じです。

 

 

風が少し強かったので寒いくらいでしたが、急登を一歩ずつ登っていきます。
まさに一気に登る感じです。
一つ目のピークの岩倉山山頂(830m)に着きます。
ここは駐車場からすぐということもあり、普段の感じで登ってきている人たちが数名いました。
山頂からの眺めはどこまでも見えるのどかなススキの原っぱです。

 

すぐに次のピークへ向かおうとすると、若いハイカーに声をかけられます。
「こっちから登られたんですよね。こっちとそっちどっちが景色がいいんですか?」山頂はまだ先だと教えると、後ろからついてきました。
カップルが二組何が楽しいのかとにかく声を出して笑います。
でも、山登りに時間をさくカップルたちにことを悪く思うはずはなく、後ろを気にしながら次のピークを目指していきました。

 

途中の道々にいろんな花が咲いているのを撮影しながらゆっくりゆっくり歩いて行きます。
島根県側はカラマツ林、広島側は牧草地という稜線を下ってさらに上がる道のりです。

 


ツリガネニンジン 


カワラナデシコ

さらに次のピークの高山(860m)に着きます。
ここの景色もまた一段と気持ちの良いものです。
登りはじめが遅かったのでおなかがすいてきたのですが、
大休憩は山頂方が気持ちいいので、ここもそこそこで出発しました。

再び鞍部に降りて最後の登りに向かいます。
10分足らずで雲月山山頂(918.2m)に到着しました。

 

そこから見る景色もまた展望のきく草原地帯でなかなか面白いものでした。
例の若者たちも少し遅れてここまでたどり着いてきました。
若者たちもここで食事のようです。 

一周してみたいということもあり、さらに先を進むことにしました。
若者たちには、「遠回りになるかもしれないので、今来た道を戻ったら?」と話して先に出発しました。

今度は、右手は森、左手は草原という風景が展開します。
しかも所々紅葉も見られるということで、若者たちに悪かったかなと思っていたら山頂付近をこちら側に降りてくる若者たちが見えてきました。
こちらを選んだようです。
正しい選択です。

 

稜線をずっと歩いている道は突然、すごい急勾配の道に変化しました。
滑っている跡もたくさんあります。
これは…これは…という道です。

 


ツルリンドウ


リンドウ


ウメモドキ

 
フシグロセンノウ

すごい斜面を降りて来たということはすごい斜面を登らなくてはなりません。
ここまでの斜面だと笑ってしまいます。
駐車場から上がったり降りたりと何とも忙しい山でしたが、気楽に散策できるいい山だと思います。
ほとんど疲れを感じずに楽しむにはいい山だと思います。 
  
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映画「沈まぬ太陽」を観て

2009-10-24 16:36:25 | 映画
公開初日に「沈まぬ太陽」を観てきました。

3時間を超える超大作映画というのは久しぶりという感じがします。
途中に休憩が入る映画も久しぶりです。

昔は映写技術の問題もあってちょくちょくあったように思います。

そういえば、同じ原作者の山崎豊子Ⅲの作品の華麗なる一族も途中に休憩が入るほど長い映画だったように思います。

この原作が話題になったのは随分前のような気がします。

私の周囲でも随分話題になって「読んだか?」が時の挨拶のような時期がありました。

舞台になったのは、半国有の航空会社「国民航空」です。
現在会社存亡の危機に立たされている昔鶴のマークの航空会社を少しだけ彷彿させます。

時を経てやっと映画化に踏み切ったのです。
資金面でも相当な苦労があったのではないかと思います。

映画は1960年代の組合委員長時代と海外勤務時代、御巣鷹山墜落事故、の3つのエピソードが主人公恩地(渡辺謙)の頭の中をよぎるような感覚で描かれていきます。

あまり、ストーリーを語るのはどうかと思いますが、原作がすでにあるので少し説明を加えておきます。

60年代組合の委員長として賃金と勤務条件の改善の要求で交渉に望む恩地は、仲間の連帯の中でスト権行使も辞さない覚悟で全面勝利を勝ち取ります。

しかし、会社はその恩地に対して報復人事で望みます。パキスタンを皮切りに、イラン、ケニアと前例のない厳しい不当人事を繰り返します。

会社側は、本社勤務と引き替えに組合からの脱退と謝罪を求めてきます。

恩地は、任地での職務に専念しながら、自らの信念を貫き通します。

一方、かつて組合副委員長として恩地と共に闘った同期の行天(三浦友和)は、本社での重要なポストと引き換えに反組合の立場に荷担していきます。

この両者のその後の歩みを対照的に描いていきます。ここもこの映画の見所の一つかもしれません。

恩地は信念を貫き通すことと、家族の思いとの間で揺れている場面を描きますが、行天(三浦友和)は愛人美樹(松雪泰子)との関係は描きますが、家族は描かれていません。
映画のワンシーンで「恩地さんはあなたと違う」と行天に告げながら行天を愛し続ける美樹の心情はどんなんだろうと考えさせられます。

恩地にかけられた組合懐柔策はなかなか身につまされることが多かったように思います。

「悪いようにはしないから」「そろそろ身の振り方を考えてもいい時期では」「いつまでも肩肘はらなくても」「あなたのことを思って」幾度となく声をかけてくる誘惑があります。

全部が悪意からではないにしろ、組合つぶしは世の常です。

やりがいのない海外勤務を繰り返されても、恩地はそのつど、職務全うの信念を貫き通します。ケニアでは、航空交渉が打ち切られた後も勤務を命じられます。

ここでは、恩地はハンティングに夢中になっています。

原作を読んだ時にはこの場面がどうも納得がいきませんでした。

妻子を日本に残している恩地がどうして動物たちの命を奪うことに夢中になっているのかわかりませんでした。

でも、今回映画を観ていくなかで、恩地の中に解離がおきているのではないかと思えました。

解離とは耐えられない苦痛から逃れるために、感情や意識といった自我が分離した状態で、自分を制御出来なくなる極端な精神的なストレスを前にすると、現実にある自分と違う自分を感じてしまうようなことです。

児童虐待を受けると、痛みを自分のことと感じられなくなるということも言われています。

また乳幼児期にネガティブな感情も含めてしっかり受け止められるような愛着経験を持たないで成長すると、感情をコントロールできなくて、怒りと憎しみだけが表に出てしまうような「切れやすい」子どもになる危険性も指摘されています。

自分に与えられた、不利益な扱いに対して、不満を強く訴えるのではなく、職務を全うすることで信念を貫き通そうとする恩地の心にいろんな攻撃性が出ても理解できることではないかと思われます。

国民航空が引き起こした御巣鷹山での航空史上最大のジャンボ機墜落事故。会社側と遺族側の熾烈な争い。遺族のお世話係として矢面に立たされる恩地。

利便性と合理性だけを追求するあまり、巡業員の削減、勤務超過など安全性に配慮しない実態が事故を引き起こしたことはしっかり、述べられています。

でも、この御巣鷹山の教訓はその後も生かされることなく、JR福知山線の事故へとつながるのです。利益追求と利用者の安全性は企業の論理からは矛盾するものらしいのです。

国民航空の再生については政府が立ち上がることになります。

でも、正論が持ち上がって、自分たちの足下に炎が舞い上がってくるとまた、一悶着あるというのが世の常のようです。

映画の根底に貫かれているのは社会的な正義感と信念を貫き通した人間の生きざまと、利権と利潤追求のためなら何でもする政財界に翻弄される庶民の生活です。

久しぶりに骨太の映画を観ました。

今日、公開ですのでぜひ観に行ってください。


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DVD「フィッシュストーリー」を観て

2009-10-13 22:14:15 | 映画
ぽっかりあいた土曜日、日曜日何かいいDVDはないかとTSUTAYAに出かけました。

映画館に行くには今回はパワー不足で夜に観る映画を探しました。

邦画の新作を見ていると、気になった映画が数本ありました。

そのうちの一本がこの『フィッシュストーリー』です。

原作:伊坂幸太郎×監督:中村義洋ということで『アヒルと鴨のコインロッカー』のチームが創っている映画ということできっと面白いと思い込みました。

実は、キネマ旬報ですでにこのタイトルは知っていたのですが、映画館では観る機会がなかったのです。

伊坂幸太郎ワールド第2弾ということで、やっぱり奇想天外なストーリーです!

簡単に話せば、

1975年 売れないパンクバンドが最後に放った1曲が

2012年 地球滅亡の危機を救う!という話なのです。

1975年セックス・ピストルズデビューの1年前、最後のレコーディングで「FISH STORY」を放った早すぎたパンクバンド“逆ゲキリン鱗”。

1982年いつか世界を救うと予言された、気弱な大学生。

2009年シージャックに巻き込まれた女子高生と正義の味方になりたかったフェリーのコック。

まったく接点のない彼らが、1曲の「FISH STORY」を通してつながり2012年地球滅亡の危機を救う!

「何じゃこのストーリー!」というくらいばかげた話なのです。

話そのものがまさに“フィッシュストーリー”(嘘話)なのです。

パンクバンド“逆鱗”のリーダーを演じるのは伊藤淳史。

この人は数々の映画をこなしている若手では文句なく存在感を光らせる存在です。

缶コーヒーのコマーシャルでも“贅沢だー!”とうなっています。

ヒロイン役にコマーシャルでおなじみの多部未華子。

この子も透明感があってさわやかないい女優さんです。

眠り込んでしまい東京で下りられずに苫小牧まで行きそうになって大泣きをする演技は嘘っぽくてこれもコミカル。

気弱な大学生役には『アヒルと鴨のコインロッカー』に出演して“風に吹かれて”を歌っていた濱田岳。

この人も金八ドラマでデビューして以来少しずつステップアップしていった俳優です。

“正義の味方”役に、森山未來。この人のクールな外見とは別のコミカルな演技が光っています。

今回は、ダンスにも定評のある彼ならではのキレのいいアクションも見物です。

“逆鱗”をスカウトする音楽会社の社員を、大森南朋が演じています。

この人のやる気のない存在感が好きです。

音楽も実にいい感じで挿入されていてなかなか楽しめる映画でした。

これから観る人もいるだろうからストーリーをさらっとなでるに止めました。

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大星山

2009-10-12 20:29:59 | 週末は山にでも
10月12日(月)体育の日に大星山(おおぼしやま)に登りました。
前の日が眠るのが遅かったので、近場の山にしました。
この山は最近風力発電のプロペラが7基も立ち、一度見てみたいと思っていました。
山頂まで車で上がれるし、景色は大変素晴らしいし、頂上には滑り台があるということで、大学生の子どもが小さかった頃、何度か車で上っている山です。
夕日の写真も撮りに来たこともありました。

今回は、いつもの車道を避けて、柳井市伊保庄から登ることにしました。
車をどこに停めるか考えました。
伊保庄小学校に置かせてもらうと一番いいのですが、最近は部外者の立ち入りを禁止している学校が多いので、遠慮して少し山の方へ向かって行きました。畑のすぐ横にの広い道に停めることにしました。
駐車禁止の標識もないし、他の車のじゃまにはなりそうにありませんでした。

舗装道路をどこまでも登って行きます。
時まさに収穫の時期です。
どこの家でも収穫の活動をしているところにのんきに山登りです。
少し後ろめたい気持ちをもちながら登っていきました。
どこまで登っても田んぼはあるし、大きな家もあります。
「こんな所まで人が住んでいるんだ~」と感心しながら登って行きます。

小さな橋を二度ほど進んで行くと、眼下に海が見え始めます。
もう少し進んで行くと谷の奥に入って行きます。
明るい休耕田を牧草地として利用した小さな小さな牧場が出て来ます。
眼下の海と黒い牛の風景が面白く感じました。



少しお茶を飲むなどの休憩をしながら眼下の海を眺めていました。

再び出発してやっと人家がなくなる場所まできました。
程なくコースは未舗装の道になりました。
ここはこのあたりの地名を用いて林道福井線と呼ぶそうです。

じゃりが敷いて歩きにくい感じですが、大きなくねくね道を登って行きます。
花もあまり咲いてなくただ黙々と歩いて行きます。

ちょっと日が差す場所にキノコが生えていました。
間違いなく毒キノコなのですが、このキノコというのがけっこう好きなのです。

しばらく行くとマユミの実を見つけました。
この木は材質が強いうえによくしなる為、古来より弓の材料として知られ、名前の由来になったそうです。
感じで書くと真弓だそうです。
タイガースを今年久しぶりのBクラスに落とした迷監督と同じ名前です。

もう一つ奇妙な木の実を見つけました。
落ちている木の実を一所に集めて記念撮影をしました。

 



うんざりとするほどの単純な道をまさに淡々と歩いているとやっと展望が開けました。
大島方面の風景です。
手前の丸く見える島は笠佐島です。

 

しばらく行くと、平生方面から上がってくる車道と出会います。
もう一度、遊歩道に入り山頂をめざします。
この道はあまり登る人もいないようで蜘蛛の巣だらけでした。
木ぎれを使って蜘蛛の巣をはらしながら登ると、やっと二等三角点の大星山山頂です。
標高438メートルとは言え、海抜0メートルから登ってきたのですから結構な距離だったように思いました。

  

山頂でおにぎりの昼食を取り、展望台から360度の絶景を味わいました。

 

熊毛半島を中心とした山はほとんど見ることができます。
薄く鹿野方面の山まで見えています。
西は大分の姫島が見えていました。

風力発電用の風車は近くで見ると迫力満点でした。
この山に風力発電を備えたのは不思議でした。
瀬戸内海はあまり風は強くないし、大星山もそんなに高くないからです。
でも、この場に立って初めて理解しました。
大畠瀬戸と上関長島と本土を結ぶ直線上にあって風の通り道になっていたのです。
あまり高くないことが、海と海をつなぐ風の通り道になっているようです。

 

プロペラの付近をよく見るとロボットの顔にも見えてきて変な感じでした。

  




 

  

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コッコさんのかかし

2009-10-09 22:52:23 | 障害児教育
特別支援教育専門講習会がT総合支援学校でありました。

私はすぐ近くの総合支援学校に勤めているので、出かけることにしました。

専門講習会は、特別支援教育のビギナーが行くもので私のようなこけの生えているような人間が行くところではないのですが、就学相談関係の情報を得たいということもあり、参加することにしました。

公開授業ということで、小学部、中学部と用意されていました。

中学部の授業者はK田先生でした。

この人とは昔別の支援学校で一緒に勤めたこともあり、実践者としては尊敬していました。

その人の授業が見られるということで、ずっと座り込んでポメラを打ちながら授業に参加しました。

以下が授業記録です。

大変面白い授業でした。

『コッコさんのかかし』

 黒板に田植えから収穫までの写真がはってあります。

生徒たちと季節の話をしています。

絵本を読むことにして、まず順番を決めます。

どういう順番でやるか、子どもの気持ちを聞きます。

「先生もいれてよ!」読み聞かせを始めます。最初は教師が読みます。

「次は僕だ!」とOくんが大きな声で言います。

 生徒たちはパソコンで打ち直した大きく拡大した文字を読みます。

横書きで印刷してあります。どうして横書きなのか、少し疑問が残ります。

 「やった!できた!」鯉のぼり5月5日!カラスがいる。Oくんは自分が読んだ頁の本の解説を始めます。

漢字には振り仮名を振っていますが、2回目に出てきた時には振ってありませんでした。そこらへんも考えてあるのでしょう。

 「畑がある。かかしがある。」「こっこさんいた。」「畑に何か植えてある!」何が植えてある?Kくん」

 「Kくん発見はいいですか?」「かえる、かっつむり、犬、かさをさしている。」と続きます。

「梅雨の頃です。」「梅雨はいつ頃だったっけ?」なかなか返事がありません。

「梅雨は6月から7月頃まで雨がいっぱい降っている頃」。

 絵からいろんなものを発見する学習を続けます。

ダウン症のOくんは発見することで評価を求めています。

 「陸稲ってどれだっけ?Sちゃん」そういう会話をしていると、「Sちゃん言ったよ」順番がうろ覚えの感じになっています。

順番表が黒板に貼っていないのでなかなか覚えにくいみたいです。

このあたりはは気にしないのかもしれません。

Sちゃんは文字を追うことはできるが、文章そのものは理解できていないような読みになっていました。

 読んでいる人が優先的に発見を発表することになっているようですが、Oくんはお構いなしにどんどん前に乗り出して発表します。

Kくんは自分が発表しようとするとOくんが前に出てくるので小さくパンチをしていました。

Kくんは課題がはっきりするとしゃきっとするようで、他の時は姿勢が悪くなって注意されていました。。

「台風が来ました。」絵本の中で台風のシーンにさしかかりました。

「台風きたね!いつだったっけ?」「この間きたね。台風は8月から10月くらいに来ます。」
「風強かったね。」「かかしが心配だね。」このあたりの場面では教師主導で話が続きます。

 「かかし飛ばされてしまっているね。よれよれだったけど、かかしは立ってるね良かったね。」

 子どものことばは「トンボがいるよ!」見えているものを発表するところからなかなか前に出て行かない。

 子どもの朗読を聞き取るのは難しいようです。

友だちが読んでいると集中できないようです。

Sちゃんは読むスピードがまだ遅くてなかなか上手に読めないのですが、最初に子どもたちが決めた順番のため、Sちゃんの時だけ文章が長くなる傾向がありました。

 子どもたちの読んでいる拡大した文章も意味をより理解させるには、行の切り方を工夫する必要があるかもしれないと思いました。

今度Mちゃん。Kくんよね。Mちゃんは最後まで順番を気にしているようでした。

「最後のページは何だった?秋の終わり」
 黒板に書いてあった季節の学習では、春の次は最初はわからなかった
絵本を読み終わって季節を学びます。

「今は季節は何?」
季節ということばの意味は理解しにくいようです。

「今何月?」やっぱり出ません。
「黒板に書いてあるよ。」
「今日は何日?」これは答えられます。
「今何月?」は出ません。
10月は秋につながらないようです。

このやりとりのなかでOくんは、興味が続きにくくなってきました。

絵本の世界と現実の世界(写真)がつながりにくいのではないかと思いました。

カタカナのことば
プリントを配って順番に読んで、みんなで一緒に読む学習
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