映画館で見損ねた「メトロに乗って」のDVDを見つけたので、借りて見ることにしました。原作浅田次郎ということでわりと期待していた映画でした。
東京の街を張り巡らせている地下鉄(メトロ)。田舎者にとっては地下鉄という乗り物は何とも言えないものです。高校を出て東京に行って初めて乗ったのが丸の内線です。高校時代、猫というバンドが歌っていた「地下鉄に乗って」という曲がけっこう好きで歌詞の中で「何を話しているか聞き取れない」という内容の歌詞が理解できなかったのですが、実際、丸の内線に乗った時に騒音がすごかったのに素直に納得したことを覚えています。「今赤坂見附を過ぎたばかり…新宿まではまだまだだね。」という歌詞をそのまま追体験して納得したのも、今思えば懐かしい思い出です。
映画ですが、下着メーカーに勤めている慎次(堤真一)が、地下鉄を待っていると、タイムスリップしてしまうという奇想天外なストーリーになっています。出た所は、昭和39年の新中野の駅で、東京オリンピックの直前の街の様子になっています。昭和39年は、慎次にとって、人生を左右する事件のあった年で、重大な岐路になっています。これ以上書くとストーリーに触れてしまうので避けます。
父(大沢たかお)の存在が、慎次にとって影響が多大のものであって、病床にある父親の人生を振り返るようにタイムスリップを繰り返します。恋人(不倫相手)も一緒にタイムスリップを繰り返します。そのわけは最後当たりで明らかになっていきますが、ここでは言わないことにしておきます。
戦後すぐの、バラック街だったり、戦争中の出征シーンだったり、戦中の満州だったりと自分の存在そのものを規定するようなシーンに幾度となくタイムスリップしていきます。
面白い言えば面白いのかもしれないけど、ストーリー自体に脈絡が感じられなくて、ちょっと緊張感が乏しいような気がしました。同時に原作の文庫本を買っていて、DVDを見た後で読んだのですが、原作の方がはるかに優れていたように感じました。この原作があったから映画化に踏み切ったのだと思いますが、キャスティングに少々不満が残ったように思います。でも、これは個人的な趣味の問題かもしれないので、どうぞ観てください。
そう言えばキネマ旬報の記事でもあまり良い評価は与えられなかったように思います。
昭和39年は、個人的にはとても印象的な年です。当時私は小学校2年生で、東京オリンピックにはずいぶん興奮したものです。東京オリンピックの映画も映画館ではなく公民館のようなところで観た覚えがあります。重量挙げの三宅選手の物まねをよくしていたように思います。体操の遠藤選手の吊り輪も印象的でした。それまでは見たことのない光景の連続だったように思います。そういえば、裸足のアべべや自殺した円谷選手も忘れられない存在です。
もう一つこの年は阪神タイガースが久しぶりに優勝した年でもあるのです。映画の中でもちょっとだけ阪神のニュースが流れます。
何だかんだ言いながら、「メトロに乗って」を勧めているのかもしれませんね。
東京の街を張り巡らせている地下鉄(メトロ)。田舎者にとっては地下鉄という乗り物は何とも言えないものです。高校を出て東京に行って初めて乗ったのが丸の内線です。高校時代、猫というバンドが歌っていた「地下鉄に乗って」という曲がけっこう好きで歌詞の中で「何を話しているか聞き取れない」という内容の歌詞が理解できなかったのですが、実際、丸の内線に乗った時に騒音がすごかったのに素直に納得したことを覚えています。「今赤坂見附を過ぎたばかり…新宿まではまだまだだね。」という歌詞をそのまま追体験して納得したのも、今思えば懐かしい思い出です。
映画ですが、下着メーカーに勤めている慎次(堤真一)が、地下鉄を待っていると、タイムスリップしてしまうという奇想天外なストーリーになっています。出た所は、昭和39年の新中野の駅で、東京オリンピックの直前の街の様子になっています。昭和39年は、慎次にとって、人生を左右する事件のあった年で、重大な岐路になっています。これ以上書くとストーリーに触れてしまうので避けます。
父(大沢たかお)の存在が、慎次にとって影響が多大のものであって、病床にある父親の人生を振り返るようにタイムスリップを繰り返します。恋人(不倫相手)も一緒にタイムスリップを繰り返します。そのわけは最後当たりで明らかになっていきますが、ここでは言わないことにしておきます。
戦後すぐの、バラック街だったり、戦争中の出征シーンだったり、戦中の満州だったりと自分の存在そのものを規定するようなシーンに幾度となくタイムスリップしていきます。
面白い言えば面白いのかもしれないけど、ストーリー自体に脈絡が感じられなくて、ちょっと緊張感が乏しいような気がしました。同時に原作の文庫本を買っていて、DVDを見た後で読んだのですが、原作の方がはるかに優れていたように感じました。この原作があったから映画化に踏み切ったのだと思いますが、キャスティングに少々不満が残ったように思います。でも、これは個人的な趣味の問題かもしれないので、どうぞ観てください。
そう言えばキネマ旬報の記事でもあまり良い評価は与えられなかったように思います。
昭和39年は、個人的にはとても印象的な年です。当時私は小学校2年生で、東京オリンピックにはずいぶん興奮したものです。東京オリンピックの映画も映画館ではなく公民館のようなところで観た覚えがあります。重量挙げの三宅選手の物まねをよくしていたように思います。体操の遠藤選手の吊り輪も印象的でした。それまでは見たことのない光景の連続だったように思います。そういえば、裸足のアべべや自殺した円谷選手も忘れられない存在です。
もう一つこの年は阪神タイガースが久しぶりに優勝した年でもあるのです。映画の中でもちょっとだけ阪神のニュースが流れます。
何だかんだ言いながら、「メトロに乗って」を勧めているのかもしれませんね。