これを契機に大企業は業績も回復、史上最高益を更新と連日のようにマスコミから発表されています。ひるがえって、従業員給料は横這いか低下している現状に目を向けなければなりません。それもそのはず、正規雇用を抑え派遣やパートの非正規雇用の採用に切り替えているからです。
これにより、安い労働力の確保ができるようになったことにあります。このように労働賃金低下を招いたのは、政府の規制改革推進会議を中心とした経団連、小泉政権が一緒になって進めた労働者派遣の原則自由化が、企業にもたらしたメリットは計り知れません。利益の構造が固定化されたことで経営能力のないトップでも、そこそこ務まるようになったのです。
なにしろ、業績が悪化したら契約打ち切りで簡単に首切りできる伝家の宝刀を手にしたのですから。安倍政権になっても変わりません。これも問題ですが、傘下企業のトップの多くの共通しているところは利益至上主義で法律遵守の精神に欠けていることです。ただ、儲けるだけで社会に利益を還元することの出来ない企業も少なくありません。
最近ではグッドウイルグループの介護を食い物にした不正は会員企業としての資質を問われなければならないのですが、理事職を辞任しただけで、企業としての経団連からの処分はまだ耳にしていません。グッドウィルから大量派遣の恩恵を受けていることからきびしく問えないようです。どうしてグッドウイル会長の人となりを見抜けなかったのでしょう。経団連の一流企業といわれるトップの人物観察眼がこの程度です。従業員のお蔭でという感謝の気持ちがなく、モノとして見ていないためスッカリ人を見る目が失せてしまったようです。
自民党をはじめとする経団連、規制改革会議のメンバーは労働者の不利益になることだけをいつも考えていますから油断できません。このメンバーが世相を暗くしているように思えます。