コムスン社長が引責辞任へ、グッドウィル会長は続投を表明(読売新聞) - goo ニュース
グッドウィルグループ(以下GEG)会長の記者会見をTVで見ました。コムスンの社長の引責辞任で幕引きを狙っているように思えます。「法律の抜け道はしていない。社会的責任を果たしたい。介護は思い入れが強く国民の理解を得て続けたい」が発言要旨です。引き続き会長職にとどまることも語っていました。介護報酬の不正請求がたびたび行われていましたが、会社ぐるみの不正を認めました。、現場に責任があると、押しつけてもいました。言い訳も多く、表情もどこか信用がおけないのは成り上がりの共通点でしょうか。
GWGの主力事業の人材派遣については、特にワーキングプアーに代表される「日雇い派遣」が急成長の原動力となっています。企業が人件費を下げて高収益を維持しているのは、派遣されるこの人たちの犠牲のうえに成り立っているのです。ひたすら企業の利便だけを満足させるため労働者の利益など一切切捨てることに、まい進しているのです。景気がよくても労働者の賃金低下を招いているのは、この人材会社の存在抜きでは語れません。
むかし、禁止されていた手配師とそれほど変わっていません。変わったのは手配師として、おおっぴらに商売できることになったのです。日本も無法国家になったものです。労働者が得た賃金をピンハネする商売ですからGWG会長の人となりは容易に想像できることでしょう。全労働者の三分の一に達する非正規雇用を生んだのも人材会社あってのことです。格差社会の形成に一役も二役も買っているのが、ピンハネ人材会社があるせいです。日本に明るさがもどらないのはこのような人材会社があるからです。どんどんおかしな方向に日本は向かっています。労働者派遣法など早く廃止しましょう。
本題にもどりますが、今回事件で日本商工会議所の会頭は逸早く「明らかな脱法行為。すり替えは許されない。GWGの責任は重い」とのコメントを発表しています。ひるがえって大御所の経団連からの反応はまったくありません。経団連で理事を務めるGWG会長については経団連の会員が人材派遣の恩恵をうけているせいか対応に鈍さが見られます。経団連の任命責任も問われることでしょう。経団連会長の企業で「偽装請負」も発覚、行政指導もうけた経緯があることから、「スネにキズを持つ同士」で不祥事対策も、後手後手になっているのが現状です。それにしても経団連の人物評価の大甘さには首をかしげざるをえません。経団連加盟のトップ達がこのありさまです。
この問題を複雑にしたのも、厚生労働省です。このような脱法行為を度々されていながらなんら法律整備を構じなかったからです。おかげで戸惑いをみせているのが都道府県の行政当局です。都道府県にまかせっきりにしていたのです。朝令暮改ともいえる厚労省の態度もひどいものです。老健局長の会見をみても介護の現場の状況などなにも分かっていない、まさに素人としか思えない会見です。官僚の怠慢が招いた今回不祥事だからです。厚生労働大臣を含めてすべてが介護に素人で現場を、なにも分かっていないことも問題なのです。