活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

理解できない人たち(8)

2007-06-16 12:49:35 | Weblog

「宙に浮いた年金記録」の原因解明と責任追及を目的にした総務省の「年金記録問題検証委員会」が14日スタートしました。1ヵ月後に中間報告、最終結論は今秋までに真相が解明されるとのことです。

この委員会は、座長が松尾前検事総長ほか6名の計7名で構成されています。いずれも年金制度や情報システムなどの詳しい人たちとのふれこみです。どういうわけか、実務の専門家である厚生労働省や社会保険庁から誰一人とこのメンバーに名前を連ねていないのは不思議といえます。

年金問題で不祥事を起こした厚労省や社保庁からメンバーの受け入れは世論の反発をおそれたことから、あえて外したようです。そしてこれも不思議ですが、なぜこの委員会を畑違いで全員素人の総務省に設置したのでしょうか。立ち上げればなんとか世間向けの格好が、ついたとでも思っているようです。

さすがに総務省職員から「降って湧いた仕事にどこまで対応できることやら。選挙目当てにしか過ぎない」との声が漏れたそうです。このような事態を惹起した肝心の厚労省、社保庁幹部をメンバーから外したことは徹底的な解明が出来ないばかりか、幹部の責任逃れを認めるようなものです。メンバーに入れなければ解決などできないのです。

安倍首相は、年金記録問題の責任は当時の厚相であった菅民主党代表代行に責任があると批判していますが、これはどういうことでしょう。安倍首相も自民党の社会部会(現厚生労働部会)会長に就任していたそうです。これこそ問題なのです。首相はほおかぶりしているようですが、これの説明を聞きたいものです。松岡農相の「ナントカ還元水」の時と同様なにも語らずでしょうか。

そして首相が力説する「どこに責任があるか徹底的に調べないといけない」としていることは、歴代厚(労)相、社保庁長官の責任追及が焦点になります。中川自民党幹事長が会合で小泉前首相に「歴代厚相の給料も返してもらう」発言に対し、小泉氏は「カネがない」と応えたら「自民党で持ちます」。なんのことはない税金を使うことにほかなりません。こんないい加減な閣僚がいるため、年金問題は泥沼化するばかりです。小手先の参院選対策だけで立ち上げた委員会としか思えず、結局はウヤムヤに終わることでしょう。