「沖縄の方のお気持ちに沿わなかったかも」と伊吹文科相(朝日新聞) - goo ニュース
沖縄県議会が全会一致で決定した「集団自決は日本軍の強制によるもの」と理解しています。沖縄で語り継がれている事実と「軍の関与」で与野党が一致していることは、これを覆えすことができないでしょう。朝日新聞によれば、教科書の検定調査審議会が非公開で議事録も閲覧させず、議論の中身も検証できない密室で行われていることは、どこか後ろめたいことがあるからでしょう。これから想像するに自民党有志の「歴史教育を考える議員の会」からの圧力や安倍首相をはじめとする政府見解に沿う記述をムリヤリ求められているように考えるのが常識でしょう。軍隊を復活させたい首相及びその周辺の思惑が透けて見えます。
伊吹文部科学相が沖縄戦での集団自決について「軍強制」はなかったとの高校日本史の教科書記述について、「自分が意見を述べる立場にない」と表題の発言に付け加えています。文科相の態度はやはり「軍強制はあった」ことを認めた発言といえますが、巧みにこれをぼかしているのです。現在のすべての日本史教科書は、沖縄住民は「集団自決を日本軍に強制された」との内容になっていますが、修正後は「集団自決に追い込まれた」、「集団自決した住民もいた」と日本軍の強制が削除される内容に書き改められました。
どうして修正されるかというと日本軍の「自決の強制」を否定する資料だけを根拠に、従来の判断基準を変えたためです。文科相は専門家らで構成される審議会で決定されるため、自分の意向で変更したら教科書への不当介入になると述べています。沖縄県民の気持ちに理解を示しているように装い、審議会決定を支持しているのです。文科相の本心は記述を元に戻す気持ちなどさらさらありません。首相の「論功行賞人事」で誕生した大臣席を放り出すわけにいきませんので。
沖縄県議会と同様に沖縄の9割の市町村議会でも「日本軍は関与した」ことが可決されたそうです。沖縄では日本軍関与ナシと誰も思っていないのです。文科省が前述の日本軍の強制を否定する資料が出てきたからといって、簡単に教科書を書き替えてよいのかもう一度検証する必要があります。終戦前後にかけて重要な機密文書類はすべて焼却処分されいることを忘れることは出来ません。歴史に真実はふたつとありません。